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苔活第127話 改変前

 色々ありまして「苔から始まる異世界生活」の第126話と127話を大幅に改変いたしました。
 作者も色々学びながら、たくさんの読者の皆様に楽しんでいただけるように頑張っていきたいと思います。(偉そうに書いてますが、基本は素人ですので……)
 せっかくですので、改変前の文もこちらに置いておきたいと思いますので、見比べてみて感想なんかいただけると今後の糧になるかと思いますので、よろしくお願いしますm(__)m
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 急いで|悪魔の門《デビルズゲート》の入り口へと転移した僕は、ジャバウォックからもらった黒い水晶で最下層へと転移する。


「ふん、これで約束は果たしたんだから、あんたも約束を守りなさいよ!」

 転移してすぐ僕の目に飛び込んできたのは、宙に浮くエクセルと、地面に倒れるジャバウォックとその上に立つ人物だった。

 ジャバウォックを倒したであろうその人物は、黒いローブを着た小柄な女性のように見える。そして、フードから飛び出す耳はその先端がとがっていた。

種族 |上風人《ハイ・エルフ》
名前 エリクシア
ランク  SSS
レベル 165
体力    651/1265
魔力    1108/3535
攻撃力   1311
防御力   1874
魔法攻撃力 3581
魔法防御力 3575
敏捷    2707

スキル
鑑定妨害 Lv25
魔力探知 Lv30
闇魔法 Lv30
水魔法 Lv30
風魔法 Lv30
土魔法 Lv30
時空魔法 Lv22
聖耐性 Lv30
闇耐性 Lv30
水耐性 Lv30
雷耐性 Lv30
土耐性 Lv30
風耐性 Lv30
混乱耐性 Lv30
麻痺耐性 Lv30
魅了耐性 Lv30
睡眠耐性 Lv30
石化耐性 Lv30
呪い耐性 Lv30

称号
古の種族
魔人の眷属
闇に落ちた者

 また古の種族だ。しかも、|上風人《ハイ・エルフ》ときたか。エクセルよりもさらに魔法特化だし、敏捷も高いからジャバウォックじゃ相性が悪かったのだろう。
 だけど僕なら大丈夫。魔法攻撃力も魔法防御力もわずかだけど、僕の方が上だからね。この二人相手でも負ける気がしない。

「さすがエリクシアはん。伊達に年食ってないわ」

「あんた、ケンカ売ってんの? いいから早いとこ扉を開けなさいよ。お客さんも来てるみたいだし」

 エクセルの軽口に突っ込みを入れるエリクシアが、目を細めてこちらを見つめている。どうやら、僕が転移してきたことはバレているようだ。

「おや、あんさんはどうやってこんなに早くここに来れたんや? ワイはエリクシアはんに協力してもらったからいいとして、ここには直接は転移できへんやろ?」

 なるほど、確かにここには魔法では直接転移できないはずだ。それができたということは、エクセルが右手に持っている宝石が怪しいな。大方、対になる宝石の元に転移できるアイテムといったところか。ああ、鑑定でもそういう説明がでているし間違いないね。

 僕が転移できた理由をバカ正直に話す必要はないだろうし、向こうの目的もわかっている。余計なことは考えず、さっさと倒してしまおうか。

「|光其全照出者也《ひかりそれはすべてをてらしだすものなり》」

 二人とも各種耐性が揃っているが、光耐性は持っていない。その弱点を突かせてもらおうか。

 僕は先ほどと同じ光の天使を2体創り出した。

「問答無用かい!? まあワイでもそうするけどな!」

 やはりエクセルは予想していたか。すでに戦闘態勢に入っている。それに比べて、エリクシアとやらは……

「ちょっと、何よあの魔法は!? 私の知らない魔法よ! どうなってるの? 教えて!」

「エリクシアはん! そない言うてる場合じゃないわ! あれが直撃したら一撃で死によるで!」

 光の天使を見たエリクシアが興奮して詰め寄ろうとしているところを、エクセルが必死に止めている。このエリクシアってやつはたぶん魔法オタクだね。間違いない。

 その二人に向かって僕は光の天使を突っ込ませる。

「「ダークウォール」」

 光の天使に対して二人が選んだのが闇魔法第4階位"ダークウォール"だ。しかも、何重にも重ねた分厚いバージョンで。

 厚い闇のカーテンに突っ込む光の天使達。僕が創り出した天使は、勢いよく闇を蹴散らしながら進んでいく。

(徐々に光が弱くなっている……)

 僕が創り出した天使達は二人のダークウォールを抜けて本体に迫るが、その輝きは最初の半分ほどに減っていた。

「ブラックホール!」

 次に二人が放ったのは闇魔法第1階位"ブラックホール"だ。二人の前に現れた黒い渦が光の天使とぶつかりお互いに消滅する。さすがに弱体化されたら、階位が低い魔法でも打ち消されてしまったか。

 さて、今の攻防で二人がジャバウォックから離れたから回復しておいてあげようっと。

「|聖其全癒蘇者也《せいそれはすべてをいやすものなり》」

 ジャバウォック身体が光に包まれ、急速にその傷を回復させていく。さらにこの魔法は体力までも回復する効果があるのだ。

〈む、むう。もしやミストか? すまない。助かった〉

 怪我から回復したジャバウォックの感謝の念話が届く。

「あいつ、回復魔法まで使ったわよ!? いったいどうなってるのよ!?」

 僕がジャバウォックを回復させたのを見て、エリクシアが金切り声を上げて抗議してくるが、そんなことはしったこっちゃない。

 ジャバウォックが復活したことで、いよいよもって負ける要素がなくなった。

「ジャバウォック、エクセルの方は任せた!」

 僕はジャバウォックにエクセルを任せ、エリクシアに専念する。

「くっ、しゃーない。さきに扉を壊すさかい、そいつを止めてーな!」

 自分達の不利を悟ったのか、エクセルはジャバウォックに背を向けて扉へと向かう。

「もう、あたしの魔力はほとんどないんだからね! レイジングストーム!」

 エリクシアがエクセルを追いかけようとしたジャバウォックの前に、風魔法第1階位"レイジングストーム"を放った。荒れ狂う暴風がジャバウォックを巻き込み、その動きを強制的に止めた。

 だがしかし、そのせいでエリクシア自身が無防備になっている。僕は強力な魔法を放って無防備になったエリクシアに素早く近づき、その細い首に手刀を振り下ろそうとした。

「あんさん、その服はほんものかい?」

 手刀が当たる直前に、扉へ向かうエクセルが放った一言に僕は動揺してしまった。

「えっ? 服着てなかったっけ?」

 慌てて自分の服を確認するが、しっかりとした手触りが返ってきた。うん、大丈夫。ちゃんと服を着ているよ。

 って、しまった!? エクセルの頭脳的な作戦に引っかかってしまった! 僕が服を確認している隙にエリクシアも逃げ出してしまった。

「なんかよくわかんないけど、助かったわ! エクセル、今のうちにやっちゃって! ダイタルウェーブ!」

 くそ、今度はエリクシアが僕に向かって水魔法第1階位"ダイタルウェーブ"を放ってきた。僕には水無効のスキルがあるからダメージはないんだけど、この質量の水を抜けるのは少し時間がかかるぞ。

 僕は目の前いっぱいに広がる水の壁を突っ切ってすぐにエクセルを探したが、すでに彼が放った土魔法第1階位"メテオフォール"が、|悪魔の門《デビルズゲート》を破壊していた。

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