• 異世界ファンタジー

異世界転生について

異世界転生についてはくだらないとさえ思っていたが、世の中に出回っているそれらを見て、一つの興味が浮かんだ。

『転生』という死生観すら伴うような難しい要素を、果たしてどこで昇華させるのかということだ。

ただ強いだけならば転生という言葉を借りるまでもなく、強さの根拠というものを神がかりに求めるのであれば前世は何も関係ない。
前世の文明との違和感、見知ったものの存在しない疎外感、家族、友人との永遠の別れによる孤独感。
それらを描ききって初めて異世界転生の物語と呼べるのではないだろうか。
だが、そのことに触れた作品には今まで出会ったことがない。あるのだろうか。

最近こんなんばっかだよなと読者は作家をナメ、お前らこんなのが好きなんだろと作家が読者をナメ、お互いにナメ合う負のシックスナインが今の創作界隈では繰り広げられているように思う。

わかった。
じゃあ自分で書いてみようと思って『ラビパン』を書き出したわけだが、書き進めるうちに、イカン、これでは悲壮感に満ちた主人公の遺書的な自叙伝になってしまう、エンターテイメント性を欠いては本末転倒だ、と思い直した。
したがって、私は本作をクソしょうもないギャグ作品に仕立て上げることにした。
これは絶対にウケないだろうと思っていたが、案の定、全然ウケていなくてむしろホッとしてすらいる。
大衆心理と私の思考が大きく乖離していないということが確認できたのである。
長タイトルも考えたがタイトルだけを見て読みにくる読者層にはさらに受け入れられまいと思い、却下した。

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