明鏡止水は、孤独でした。
本の感想を言い合うお友達もいない、ドロップアウトし社会を生きる同い年の子達に置いていかれる幼稚なやつでした。
そんな明鏡止水の慰めは、本でした。アニメでした。
お金はありませんでした。
漫画本を買うお金だけはケチらない。
たとえ、体がどんなに貧血でも自律神経が乱れている年代の時期は救いようがなく、アルバイトの面接も受からず、本を貪り読むことにしました。
食材を買うと吐き気がするし、まとまったお金を使っても怖くて吐き気がするし。
そんな明鏡止水の大事件。
漫画に挟まっているアンケートハガキをいかにも作者に送る体で記入するのが楽しみでした。
しかし、お金がないときは来る。
泣く泣く読み終わった本を売る日もありました。
そんなある日、いつものようにカウンターに立ったら、店員さんに笑われた気がしたのです。
当時は怒られそうな接客業には似合わない黒いマスクのお兄さんでした。
どうしてだろう。
……原因に思い当たることが……。
どうしよう。わたし、本にとんでもない物を挟んだまま売ったんじゃないか?
そんな事に思い当たるのは、だいぶ後になってから。
どうか、自分の家の電話番号、住所、氏名、読んだ本の感想がダダ漏れになっていませんように……。
みなさんなら、回答済みのアンケートはがきをブックオフなどで見つけたらどうしますか?
さて、そんな危なっかしいわたくしに今回もギフトをくださった方、ありがとうございます。
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