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書く資格

誰にでも、誰の人生でも、小説になる。
もっと聞きたい。
たとえば、養子らしい祖母の話。
有名な企業に勤めた祖父の話。
童貞なのかそうじゃないのかわからないいとこの話。
いままさに小説になりそうな人生を歩んでいる子供たち。
両親。たった一人の友人。職場の人の話はまだ仲良くないので聞けない。
毎日ろくにお疲れ様です、も言えないで帰宅している。
朝もおはようございますを全員に言いたいのに。
他の人もドライなのだ。
わたしの人生は、もう小説ではない。
だからって、今更野球選手にも、淫乱な病的患者にもなることはできない。下腹部の辺りが反対と嫌悪でお腹が痛くなる。
わたしは。朝ごはんが食べたい。
今日という日もまた、仕事に行きたい。
失敗してしまったけれど。
「事実は小説より奇なり」
このことばをつくったひとは、
きっと小説を知っている。人生を知っている。

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