箕田　はる

好きな男の子がよく来ると聞いた私は、その書店で待ち伏せをしていた。 文学少年の彼ならきっと、本を読んでる私に声をかけてくれるかもしれない。そんな期待をしていたのだけど――

家の近所の川辺に出没する噂の女。彼女は赤い布を引きずりながら、自分を人魚だという。 そんな女と出会ってしまった“僕”は、彼女から本当の母親である事を告げられる。 疑念や嫌悪もある…

人気オカルト配信者である幽聖さんの助手をしていた僕。憧れの存在でもあった彼の元で働いているという優越感はあれど、一方で自分の意見が通らないもどかしさもあった。 信頼されていないの…

父の余命が僅かだと聞いた“俺”は、急遽実家へと帰省する。 父の入院先訪ねると、想像していた以上に元気な父の姿がそこにあった。 ずっと抱えていた蟠りを解消すべく“俺”は、父の日記に…

星降る深夜。 弟のコウタはいつも窓から空を眺めていた。 自分を宇宙人だと言い出す姿に呆れながらも、”俺”は少しだけ不安を覚えていて――

突然現れた自分をタマだと名乗る中年ヤクザ風の男。お前の飼い猫だと言われるも、にわかには信じられずにいた。 だが、家族のタマに対する言動を指摘されたことで、信じざるを得なくなってし…

イジメにあっていた私は学校の屋上で、恨みながら飛び降りようとしていた。 にも関わらず、いざ、身を投げようとしたところで、ひ弱そうな男子に助けられてしまう。 出鼻をくじかれ怒りを露…

初めて家出した”僕”が向かったのは、行きなれている公園だった。 綺麗な藤棚の下で過ごそうと考えて足を伸ばしたのだが、そこにはすでに先客が。 若い男の人と同い年ぐらいの少年との出会…

小学校の同窓会。そこで焼き鳥が苦手であることを口にする”俺”。 あまり仲良くなかったクラスメイトの永瀬が反応を示したことで、小学校で起きた事件の真実が明らかになる。

突然、友人から地元に帰ると告げられ、理由を問うべく呼び出すことに。 祖父が米寿になったからと言われ、初めは何の脈絡も分からないまま戸惑う。 だが、話を聞くうちに友人の地元の恐ろし…

相方とも解散し、ピンとしても活躍できずにいたある日。 先輩から相方がいるフリをしてみせろ、という無茶振りをされる。そこで相方が幽霊という設定だったらと思いつく。 上手くいくはずが…

交差点で見た彼に一目惚れした“私”は、彼のことをもっと知りたくて、その背中を追っていた。

友達の祥太が俳優の推し活をしていることに、いい気がしていなかった隆聖。 ある日、本音を漏らしたことで祥太と喧嘩してしまう。 仲直りしたいと思っていた矢先に、地元のショッピングモー…

悪魔である“僕”は、公園で落ち込む中学生を見つける。 彼は野球の才能を欲していることに気付いた”僕”は、ある契約を持ちかけることに。 だけどそれは、ただの契約じゃなかった。

葬儀屋の”僕”は、逃げ出した少年少女達の霊体を探し出す担当だ。 そこで担当することになった男子高校生はなかなか説得に応じてはくれず、僕を振り回す。 残された時間は残り僅か。 仕方…

ピアノを弾くと指が落ちる―― そんな奇病が蔓延する中で、偏屈なピアニストは奇病にかかる。 屋敷の中で隔離されていたものの、その奇病に耐えきれずに彼の世話をする使用人たちは逃げ出し…