「第一幕」
(剣持視点)・前章からの同日夜、キトンが宿泊している高級ホテルにて。ホールまるまるひとつを貸し切って行われている「桜を愛でる会」二次会のあいさつを夫、竜苑に代わって行う須佐美夫人こと須佐美御園を陰から注視する剣持の視点から、これまでの状況整理が行われる。
まず竜苑の事件によって本会はあの場で中止されたこと、報道関係者にはまだ(須佐美一家による)情報統制が敷かれていること(もっとも、真白テレビの生中継がライブ配信されていた時点でネット上では事件としてあれこれやりとりされているため、明日には正式に報道されるであろうこと)、
竜苑への襲撃を受けて須佐美一家が烏野組、RAIL双方に(本会の時点でも地元グループに烏野組の構成員が軽微のために紛れていたが)さらなる警備態勢の強化を要求した結果として双方組織の幹部までもが二次会における須佐美夫人の警護に当たっていること(ついでに当初の想定よりずっと通常の警備もガチガチになっており、ホテルの出入り口からホール、須佐美夫人がのちの会談に利用する部屋がある階層に至るまで繚乱会の三勢力が配備されているという徹底ぶりである)、
状況的に須佐美一家の構成員と執事がついているにしても須佐美夫人を手にかけることはたやすいが、今ここでそれを実行しても須佐美一家を壊滅させることはできず、それどころか烏野組の立場が明確に悪化するばかりかRAILを増長させかねないとしてパペティアからおとなしく警護に当たる旨を(岩楯共々)通知されていること(もちろん須佐美夫人に手出しできないのはRAIL側も同じ。もっともマダム・アクトレスに須佐美夫人を手にかけるメリットは薄いが……)(もちろん烏野組、RAIL双方がここでぼろを出せば須佐美一家の一人勝ちになるのは目に見えている)、などを説明する
・しかして御園のあいさつが終わり、二次会もたけなわといったところで場面は進み、各界の功労者らが楽しむ表の二次会から裏の二次会へと須佐美夫人、執事、剣持、RAILの幹部らしき黒マスクの男は移行する。
ホテルの最上階の階下にて、御園はホテルの一室に執事と一緒に入り、それから順番にやって来る政治家連中と会談をしていく。毎年、竜苑自ら行っていた政治家とのパイプ作り(ないしはその維持)を須佐美夫人が行うかたわら、一室の出入り口を警備する剣持は気安く話しかけてくるRAILの幹部らしき男にすげない対応を続ける。烏野組の一幹部として余計なことはすべきでないと考えていた
・するとそのとき、廊下の曲がり角から慌ただしい感じの騒ぎ声や物音が剣持とRAILの幹部らしき男の耳に届く。その先は非常階段があり、須佐美一家の構成員ともうひとりのRAILの幹部が警備していた場所だった(ちなみに岩楯はエレベーター付近を警備している)
・喧噪と物音はいかにも何者かが吶喊してきたことを意味していたが、剣持は持ち場を離れるわけにはいかないとして騒ぎの現場に向かおうとするRAILの幹部らしき男を制止する
・すると騒ぎを聞きつけた岩楯がエレベーター側から駆けつけ、阿吽の呼吸で剣持の代わりにそちらへ向かう。だが騒ぎは収まるどころか、岩楯が何者かを制止しようとしていかにも手を焼いているかのような声さえ聞こえてきた
・あの岩楯すら手を焼くような相手なのかと思ったり、RAILの幹部らしき男から事態が悪化しては元も子もないでしょう、などと言われたりして、結局、エレベーター側から岩楯共々やってきていた須佐美一家の下っ端らに一室の警備を任せ、剣持はふたりで騒ぎの現場へと駆けつける。そこにあったのは、死屍累々かと見まごうような倒れ伏す男どもの惨状と、そこで鎖を振り回す紫色の髪の男の姿だった。紫色の髪の男が髑髏の分銅付きの鎖を振り回すせいで岩楯は制止したくともできないといった状況だと剣持は即座に理解する
・紫色の髪の男は、助けてくれと懇願しながら逃げ出そうと立ち上がる侵入者らしき男に髑髏の分銅付きの鎖を振り下ろそうとする。だが、紫色の髪の男の所業はRAILの幹部らしき男のそこまでにしなさい的な呼びかけによって驚くほどあっさりと食い止められる。逃げようとしていた男は「疾風怒濤《シュトゥルム・ウント・ドラング》、万歳……!」などと言い残して、岩楯の踏みつけによってとうとう気絶する
・ここで剣持は「タナトス」と呼ばれていた紫色の髪の男のイカレ具合を理解する。みたところ確かに倒れ伏す男どもは不審者然としていて須佐美一家に仇なす市内の小組織であろうことがうかがえるものの、迎撃のやり方は須佐美一家の構成員をも巻き添えとしていて(現に須佐美一家の構成員らも同様に鎖でやられてらしき打撲痕を顔やらに残して倒れ伏している)、おまけにすでに再起もままならないような相手にも容赦なく「あたかも殺すつもりで」鎖を振り下ろそうとしていた。いかに烏野組が暴力団だからといって、正当防衛すら成立しないような暴力を、隠す算段もなしに行うまねはせず、ましてやこのような無益な過剰暴力など合理主義のパペティアなら許しはしない。パペティアに同調する剣持もそのように考えているため、タナトスの異常な攻撃性、「ビアー」と呼ばれていたRAILの幹部らしき男に制止されてなお止められたことを当然と思っていないような面持ちに、剣持は(なぜマフィアの幹部ともあろう人間がこのような愚者なのかと)まったく理解が及ばなかった(もうひとつ、海外マフィアという触れ込みにもかかわらず、ビアーもタナトスも日本人であるかのようにしか感じられず、違和感を覚えている)
・かくして侵入者の迎撃が片付き、後始末は岩楯と須佐美一家の構成員らが担当し、須佐美夫人の政治家との会談も無事に終わった。そうして須佐美夫人、執事、剣持、ビアーら四人は須佐美夫人の気分転換のためにホテルのロビーへと向かい、そこで夫人が「桜を愛でる会」の参加者らを見送りするさまを警護がてら視界に入れていた
・そんな折、黄色のマスクを着けた関西風の口調の女が夫人へと近づく。剣持は怪しいものとして当然のように制止しようとするも、関西風の口調の女は竜苑を撃った相手について探れそうな情報屋に心当たりがある、などとして夫人から相席の許可をもらうのだった(この女はアーテーであり、タナトスの「あ、どうも……」的な反応がその伏線みたいなものとなる。ビアーももちろんアーテーに気づいているが、わざわざばらす意味もないため(加えてネタばらしのようなことをせずに傍観したほうが「面白そう」だと感じたため)あたかも他人であるかのように自然な感じでかかわろうとしない)
~日常の世界(輪花視点)~
・明朝、スウィンドラーがいまだ戻らぬ朝食の席にて、輪花は何気なくつけたテレビから図らずも竜苑殺害未遂となった狙撃事件を知ってしまう。証拠である狙撃銃が角山で見つかったことから狙撃地点は特定済み、容疑者は依然として行方をくらましており真白市内の警察が目下、捜査を続けていることなどが描写される
~冒険への誘い(輪花視点)~
・輪花は当然、動揺を隠せない。しかし同時に極道一家ゆえにいつかこうした事件が起こるであろう、とも思っていた。ひとまず輪花は学校へ行きながら、今後どうするべきかを考える(引っ越しをしたのでまた襲撃が来る可能性は低くなったが、スウィンドラーという脅威は依然として残っており、盾となる錬磨の合否も不明なのでどうやって混沌から脱するか、悩んでいる。竜苑の被害については、須佐美一家がこの状況下で現当主を無視してまで輪花を捕まえにくることは考えにくいが、現当主の容体次第では次期当主に戻ってきてもらうべきだという機運が一家の中で高まってもおかしくはなく、逆に輪花への魔の手がより明確に伸びることも懸念される、といった感じ)
・そうして卯木高校にて、輪花は教室で美乃里と会い、竜苑の事件について(周りの生徒がいろいろと気を遣って様子見をしている中)こっそり心配される(少なくとも輪花が家出していたり、その原因が須佐美一家という極道的な意味での家庭環境にあることは美乃里、秀斗ともに輪花から聞かされている)
~冒険への拒絶(輪花視点)~
・対して輪花はどうすればいいかわからない、と困惑していることを吐露する。現状においては、心配こそしているが、かといって実家に連絡を取ったり、入院しているであろう病院を訪れるなどは実家に連れ戻される可能性からできそうもないのだった
(弓弦視点)・道尾接骨院にて(時刻は昼休憩の時間帯)、予約客ではないにもかかわらず、その客――スウィンドラーは院長である道尾弓弦の診察を受ける。ふたりは医者と患者というより既知の仲といった様子。そんな流れの仲で弓弦について、彼が元スウィンドラーの仲間「ラム」であったこと、現在は接骨院の開業医だがかつては総合病院の外科医であったこと、妻子もおり、スウィンドラーの懲悪幇助に加担するつもりはもはやどこにもないこと、スウィンドラーの仕事を快く思っていないこと、などを描写する
・スウィンドラーが道尾接骨院を訪れたのは、元事務所の襲撃事件の解決に際して、宮塚文三からケガを受けた右手に違和感を覚えたから(襲撃事件以前は日常生活においてほとんど問題ないぐらいの容体だった。ちなみに当時、湿布をもらいに行ったのもこの接骨院。理由はスウィンドラーがスウィンドラーであるがゆえに一般の医療施設を利用できず、旧知の仲にして内々に診察してくれる相手が弓弦しかいなかったため)
・弓弦は今朝方いくつものニュース番組が報道していた「須佐美竜苑氏殺害未遂事件」について触れ、それがスウィンドラーの計画であることを見抜き、しかしてまだこのようなことをやっているのか、「善因善果、悪因悪果だ」などと口をとがらせる。対してスウィンドラーは、ただの警察官じゃこの手の悪を懲らしめられない、この道を選んだ以上は戦うだけだ、的な態度を示す
・しかして「ラム」としての、すなわち真白の仕事人の仲間として決別したにもかかわらず、こうして旧友としてなら助けてくれる弓弦に感謝している、とスウィンドラーは告げる。対して弓弦は、あくまで部長の遺志を汲みたいだけ、ゆえに悪事以外なら助けもするし悪事ならとがめもする、と中立的な思いを告げる
・スウィンドラーはそれでもいい、感謝している、と応じる。スウィンドラーの気持ちがなんら揺るがないことを悟った弓弦は、次の患者の予約がある、お抱えの闇医者は店じまいだ、とスウィンドラーを追い出そうとする(スウィンドラーは通常の客でなく、よしみで頼った個人的な客であることの描写)。対してスウィンドラーは、いくら外科手術で気分が悪くなるからといって総合病院勤めをやめてまでこんなに小さい開業医になることはなかったんじゃないか、とやや心配そうに尋ねる。そんなスウィンドラーに弓弦は、「徳は孤ならず、必ず隣あり」「どこでなにを働こうと悪事でなければ生きていける」と道徳家らしい一面を見せるのだった
~メンターとの出会い(輪花視点)~
・それから放課後、輪花は帰り際の廊下で生徒会長の栗栖と出会う。栗栖は輪花を見つけるやいなや声をかけ、輪花も挨拶をする(錬磨を信用するがゆえに錬磨に取引する機会を与えた張本人でこそあるが、それについては輪花の無防備さにも原因があるため、輪花は栗栖を憎んだりはしていない)。栗栖は新入生として学校にはもう慣れたか、的な世間話もそこそこに、錬磨について何か知らないかを尋ねる
・次いで栗栖は、おととい(面接があった日。ちなみに輪花は体調不良を理由に早退していた)から錬磨が学校に来ていないこと、昨日は学校に休みの連絡を入れていたが今日は無断で休んでいること、学校が自宅に連絡を入れるも錬磨は昨日の朝刊配達から家に戻ってきていない(しかしハイッセム神の加護があるのだから心配はいらない)といった話を錬磨の母親がしていたこと、などを告げ、少し前に錬磨と話をした輪花になにか知らないか、といったことを尋ねる。輪花は(竜苑の事件に錬磨がかかわっていたことを知らないため)錬磨とはおととい会っただけでそのあとについては知らないと答えつつ、こちらから錬磨に連絡を取ってみる、といったことを伝える。当然、栗栖は錬磨が携帯電話を持っていないことを知っていたため、それを理由に驚く。輪花も意外な事実に多少なり驚くも、錬磨に連絡を入れ、そしてつながらない。結局、輪花は栗栖に錬磨の連絡先を伝えることにして、その場をあとにする
~日常の世界(錬磨視点)~
・ここで回想的な感じでの錬磨視点。通自による取り調べを受けている。ここで「スウィンドラーの仕事で袋を回収しようとしただけだ」という錬磨の主張が「錬磨の言う事務所が寺野縷々家氏の元事務所、現倉庫であったこと」「錬磨の言うスウィンドラーの外見と寺野氏の外見が似ても似つかないこと(縷々家はデブであり、体型からしてスウィンドラーに変装するなど不可能)」「『須佐美輪花も関係者だ』という情報以外に、錬磨がスウィンドラーについての情報を持っていなかったこと」などから否定されたことを描写する(ここで錬磨は自分がスウィンドラーに利用され、裏切られたことを察する)。だが、取り調べの途中で取調室に重木が現れ、「取り調べは終了です」などとふたりに告げる(ここで回想形式は終わり)
~冒険への誘い(錬磨視点)~
・ここから振り返り的な感じでの状況説明。実は取り調べから数時間経ったあとに突如「容疑者とするにふさわしい決定的な証拠がない」などといった真白中央警察署の署長命令で、金縁めがねの警察官らから受けていた取り調べが終了し、無罪放免となったこと、その際に金縁めがねが確実に犯人がいるという確信ありきで動いていたこと、そのあと錬磨を待っていたかのように警察署前で待機していたパペティアのベンツに乗ったこと、などを描写する
・そうして錬磨はパペティアのベンツで立体駐車場まで連れてこられたこと、そこでパペティアから烏野組による幹部から署長への状況確認(圧力と正論)によって結果的に署長が動いたであろうこと、つまり烏野組の働きかけが有意に作用したために錬磨は解放されたであろうこと、などを描写する。
・しかして錬磨は、パペティアの命令を受けてなにがあったかを語り、今まで調べてきた断片的なスウィンドラーの情報をパペティアに渡す
・対してパペティアは、不動家と須佐美家の関係、須佐美竜苑がかつての忠臣であった不動鍛造を切り捨てたこと、などを吹き込む(嘘はついていないが、語ったのは断片的な事実と、極めて悪意に満ちた偏見的な意見にすぎない)
・すなわち、錬磨にとっての目下の敵は烏野組とまったく同じ――つまり、須佐美一家の現当主、そして自身を裏切ったスウィンドラーである、と錬磨はパペティアに告げられる。このまま復讐を果たすつもりなら烏野組に加えてやってもいい、とも
~冒険への拒絶(錬磨視点)~
・しかし錬磨は、このままパペティアの口車に乗せられれば、真に自分が一般人ではなくなると、真に危険な道から後戻りできなくなることを直感する
~メンターとの出会い(錬磨視点)~
・だが、すでに自分が烏野組という危険な組織にかかわっていること、不動家の凋落の原因だという須佐美一家の現当主への復讐心を晴らすのに頭の悪い苦学生ひとりではあまりに力不足であること、人ひとりにできることには限度があり、今は敵を同じくする烏野組の協力が必要であろうこと、などを考える
~第一関門(錬磨視点)~
・そうして錬磨はパペティアの提案を呑む。対してパペティアは烏野組の一員となった錬磨の伸びっぱなしの髪の一部をさっそく切り取り、錬磨を驚かせる。ここでパペティアは、烏野組の下っ端はみな「烏羽のブレスレット」と呼ばれる持ち主の体毛と烏羽で作られるブレスレットを構成員のあかしとして身につける義務を負うこと、外したければ幹部以上の構成員になる必要があること、などを告げる(ブレスレットは後日、できあがる)
・もはや後戻りはできなくなった。だが、スウィンドラーに裏切られた怒り、自身の家系をめちゃくちゃにした根源が須佐美一家の現当主であるという憎しみにすっかり夢中で、迷いなくその道を進む決心をつけるのだった(もはや栗栖から受けた心配などまったく頭にない)
~メンターとの出会い、続き~(輪花視点)
・それから、新しい事務所に帰宅してからさあ配信しようとしていた輪花のもとに、一本の電話がかかってくる。出てみると、相手は栗栖の前でかけた際に不在だった錬磨だった。
ようやくつながったとして、輪花は栗栖が心配していたことをまず伝える。錬磨はそうか、と応じるも、その返事からは生徒会長への申しわけなさのようなものは感じられなかった。
しかして輪花は、おとといの面接のことへと話頭を転じ、合否についてたずねる。すると錬磨は自分もスウィンドラーのことで話がしたかった、と切り出し、自分が昨日、スウィンドラーからの電話で角山での荷物? の回収仕事を受けたこと(この情報によって輪花は「錬磨がスウィンドラーの助手として合格した」と誤認する)、
ところがその仕事をしに角山へ向かったところで須佐美竜苑殺人未遂の容疑者として警察に身柄を拘束され、もう少しのところで冤罪を賭けられるところまで追い詰められたこと、
なによりスウィンドラーから回収するよう頼まれた袋の中身によって錬磨が容疑者として疑われたので、錬磨からすればスウィンドラーに裏切られたとしか思えないこと、などを輪花に伝える
~第一関門(輪花視点)~
・それを聞かされた輪花は、今朝のニュースや昨日のスウィンドラーの「仕事」を口実とした不在などの情報と結びつけ、スウィンドラーが懲悪のためなら仲間である錬磨(輪花にはそう見えている)も構わず裏切る人間であり、助手である輪花もまた(「須佐美桜花を救わなかった関係者への復讐的な意味としての」須佐美一家の懲悪という目的のために)裏切られる可能性が濃厚であることを痛感させられる
・このままではいよいよまずい、と感じ、輪花は腹を決めて、自分の家出についてのことや家系についてのこと、それらに対する自分の気持ちなどを絡めた泣き落としをもって錬磨に助けを求める。しかし(この時点での錬磨からすれば、輪花の言い分から少なくとも輪花そのものは自分にとっての敵ではないのではないか、と感じるも、自分にとっての敵が「須佐美一家の現当主」だけでなく「組織としての須佐美一家そのもの」である可能性を払拭できないため)錬磨の返事は芳しくなく(パペティアから「スウィンドラーが自発的に輪花のところにやってくるような段階になるまで誘うな」といった感じの指示を受けていることも理由のひとつである)、「スウィンドラーの調査はもういい。約束どおり家出の件は黙っておく」「せいぜいスウィンドラーに裏切られないように気をつけるんだな」などと言われ、通話を切られてしまう
・盾にするどころか、錬磨はスウィンドラーからの裏切りによって輪花のそばを離れてしまった。ほかに自分を助けてくれるような人物に心当たりもない(コウキやキトンはいずれもスウィンドラーの仲間であるため。美乃里や秀斗は一般人なので巻き込むわけにもいかない、といった理由からこちらもダメ)。いよいよスウィンドラーという不確かな脅威を無視できなくなった輪花は、スウィンドラーからの懲悪を恐れるあまり、衝動的にかつての家出スタイルで事務所を飛び出すのだった