最近、なんとはなしに自分の作品……具体的には「地縛霊のすゝめ」と「Unbalance Bulimia(あんばらんすぶりみあ)」……を読み返してみたのですが、思いの外面白かったです。ええ、そうです、自画自賛ですね。
というのも当然の話で、自作というのは自分の好みが強く反映される訳ですから、自分が読んで面白くない訳がないのです。
まあ、その当時は気が付かなかった表現の曖昧さであったり、誤字や脱字であったり、気になる部分が無いわけじゃ無いのですが、それはそれとして一気読みしてしまう程度には良かった。
自分が小説を書くきっかけだった気持ちを思い出しました。元は小説家になりたいと夢想もしておらず、ただの読書好きで、たくさんの作品を読んでいく内にやがて自分好みの作品に出会いづらくなり、そうして「じゃあ自分で書けばいいじゃん」と思い立ったのが筆を執った理由でした、そういえば。
初めは確か、当時から流行の兆しを見せていた異世界転移、異世界転生物を書いていました。その内読書の好みも変わっていって、当然書くものも変わっていって、今の、どこか仄暗い作品群になっていったわけですね。最低限の優しさを見せようと努力もしていますが。
この二作品を書いている時から好みは変わっていない訳で、好んで読むものもそういうものばかり。成長していないという見方も出来そうですが、少なくとも今の私はそれを何故だか嬉しく思ったのです。
他者に影響を受けて私の作品が出来ているということの証左ですから、きっと私の癖も逸脱している訳ではないはずです。
願わくばより多くの同士に作品が届けば良いな、と思った今日この頃でした。
駄文失礼。