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薬師企画

こちらのノート「薬師企画」は木沢 真流様が主宰される自主企画用ノートになります。

6件のコメント

  • ご参加ありがとうございます! 17、18話はとても臨場感あふれる話ですね、ぜひ順を追って、のちほどじっくり読ませていただきたいと思っておりますので、しばらくお待ちください。
  • 確認ですが、17話、18話の中で具体的に確認したい内容はございますでしょうか?
    もしなければ気付いた範囲での、医療的に関連したものにコメント差し上げます。

    また、医療関連のみ、でもかまいません。もしくは「小説として文章、内容も含めたコメントも聞きたい」の選択もできますがいかがなさいますでしょうか?
  • ご連絡ありがとうございます。
    文章や内容も含めてコメントを頂ければ幸いです。
  • 承知しました。概ね出来上がっておりますので、もうしばらくお待ちください。よろしくお願いいたします。
  •  この度は自主企画へのご参加ありがとうございました。

     新米薬師のソフィアが、医療資源の少ない村(医師がいる街まで馬車で2日)で起きた事故に奮闘する姿が魅力的でした。その中で傷病者の様々な心理状況、ソフィアの必死で誠実な対応、協力してくれる村の人々の人柄が見えて、まるでその場にいるような臨場感がありました。
     成長物語とのことで、ぜひ応援したくなる主人公だと思いました。

     今回は「医療に関連する部分」と「文章や内容も含めての」部分で、気づいた点をお知らせいたします。しかし、エンターテイメントの世界では正しければ全ていい、というわけではありません。細かい指摘もありますが、利用するしないはご自分で判断していただければ幸いです。また代替案は私の色がどうしても出てしまいます。あくまで私が書くとしたら、という客観的な意見として受け止めていただき、織姫みかん様の作品を否定するものではないことをご了承いただければ幸いです。

    また、内容は私の方でもバックアップしていますので、場合によってはこの近況ノートは削除されても構いません。

    ◎判定:言葉の定義など明らかな間違いで変更することを強くお勧めするもの
    ○判定:内容的には疑問があり変更をお勧めしますが、絶対ではないもの
    △判定:内容的に敢えて指摘はしますが変更を勧めるものではないもの
     
     それでは内容に入ります。


    ハード面
     でだしの、
    "村の入り口……"
    " 「皆さん! 薬師のソフィアです!"
     私の知る限り、文頭は一時下げる、「」の場合は下げない、であったと認識しております。状況に応じてご検討ください。


    "医者"ではなく"医師"という正確な言葉を使っている点がいい点だと感じました。


    "特に女性の方は聞いた通り左腕が上腕より下から千切れています"

     上腕という言葉は正確なのですが、ひょっとしたらピンとこない読者もいるかもしれません。"肘から先がありません" "肘から先がちぎれています"といった表現の方がイメージしやすいかもしれません。


    "「お、おい。ソフィーちゃん、そっちは――」
     村の誰かが骨折の疑いがある男性に近づく私に声をかけます。まぁ、普通はそうだよね。でもこれには理由があるんですよ"

     この「そっちは——」というのは、「なんで軽症の人を優先するんだ?」といった疑問でしょうか。もしそうであれば少し付け加えた方がわかりやすいかもしれません

    "「ソフィーちゃん、そっちの男はまだ大丈夫だからあっちの——」"
    "……普通はそうだよね、なんで症状の軽い人のところに先に行くのかって。でもこれには……"

    コメント:目線を合わせるなど真摯な態度に非常に好感が持てました。自分がこのような事故に巻き込まれた時に、こうやって対応していただいたら安心するだろうなと思いました。傷病者のお金、脅迫、という心理状況も臨場感を増すために一役買っていますよね、お見事です。


    "呼びかけにも反応しないというもう一人の男性は脈が取れず、呼吸もしていない。救命措置をすれば助かるかもしれないけど、この人の処置は後回しにせざるを得ないな"

     これはいわゆる黒タッグということですね。トリアージの中で非常に難しく、心苦しい判断になります。一方でトリアージについて何らかの知識がない読者にはピンとこない可能性があります。後回しにするということは大丈夫と判断したのかな、と誤解される可能性があります。こちらについては最後に述べます。


    "露出した骨は一部が砕け……"

     描写としてはあってもおかしくないと思いますし、見事に表現されていると思いました。

    ⑦ ○判定:
    "意識が戻ると痛みで暴れることもあり、そうなれば麻酔薬を使う必要があるけど極力それは避けたいのが本音です"

     最初拝読したときは時に気になりませんでしたが、敢えていうとすると麻酔薬は局所麻酔の類いでしょうか? それとも吸入麻酔のように飲ませるもしくは何らかの方法で全身に作用する麻酔でしょうか。薬師さんであれば塗る麻酔などがあるのかもしれませんね。ただこれだけの痛みを塗ってすぐ効く薬は私は知りませんので、どうやって使うのか気になります。
     もし麻酔薬にこだわりがなければ、やり方としてはぼかす方法もあります。

    "良かった。水を掛けた瞬間、痛みで意識が戻るかと思ったけどいまのところ気絶したままです。意識が戻ると痛みで暴れることもあり、《かえって危険な目に晒すことになるかもしれません》《しっかり処置ができないこともあります》"

     くらいでも通じるかと思います。

    ⑨ ○判定:
    "切り傷の縫合程度なら師匠から教わっているけど"

     師匠はやはり医学的知識が豊富なのだと思いました。傷の縫合は通常専用の針と糸を使用して行いますし、それなりにやりなれていないと難しい処置と考えます(私は小児科で10年以上医師経験はありますが、縫合は数年間やることはなく、全く自信がありません)。もちろん設定にファンタジーが入っていれば現実にそぐわなくても構わないのですが、その場合はやはり何らかの説明をさりげなく入れた方がリアリティが増すと思われます。

    例:この村では特産品の製作過程で切り傷が多いため、処置には慣れている。
    例:得意とする特殊な薬を使うために縫合はいつもできるようにしてある

    などです。

     もし縫合というものにこだわりがなければ

    "傷口の圧迫止血程度なら師匠から教わっているけど"

     でもいいかもしれません。例えば日本赤十字が行っている、一般人向けの救命処置講習でも圧迫止血は教えますし、それだけで何もしないよりはだいぶ時間は稼げます。

    コメント:ナイフ、縛る、のくだりはとてもいいですね。緊迫した状況だからこそ、起きてしまう行動、混乱、その様子は非常にうまく描写されています。


    "この人の処置はアリサさんに任せ、私はもう一人――最後に処置をすると決めた男性のもとに向かう。
     初診の段階で意識がなく脈もなかった。当然呼吸もなかったので助かる見込みは極めて低いと判断した。だから処置を後回しにしたけど――"

    "初診"という言葉が使えるのか自信が持てませんでした。

     厚労省の「初診」の定義について、まず「診察」の中に
    「医師法第20条にいう「診察」とは、問診、視診、触診、聴診その他手段の如何を問わないが、 現代医学から見て、疾病に対して一応の判断を下し得る程度のものをいう」
     とありました。医師でなければならない、とは見当たりませんでしたが、無難なのは

    "初診の段階で……"

     を

    "最初に見た段階で……"

     としてもいいかもしれません。
     また、読者によってはここで、この人は「助かる見込みがないから処置は後回しだったのか! 大丈夫だったからじゃなかったのか」と思う人がいるかもしれません。この黒タッグのくだりは言い方は悪いですがトリアージの醍醐味であり、うまく利用すればかなり臨場感を増すことができるかもしれません。

    "「ソフィーちゃん、そこの男はどうするんだい」
     「この人は、運べません。死亡を確認しました。外傷はありませんが首の骨が折れてます。頭から落ちたようですね」
     「そうか。残りは助かるのか?」"

     通常であれば、人がすでに死んでいる、ということは凄まじい衝撃的な事実だと思われます。「そうか……」という点が少し飲み込みが早いような気がいたしました。
     他の部分を拝読し、自分だったらどうするか考えてみました。

    代替案:
    「……死亡を確認しました」
    「何だって? 助けてやってくれよ、怪我もなさそうだし、何とかなるんじゃないのかよ」
    「いいえ、残念ですが助かりません。すでに呼吸と脈も触れません、おそらく頭から落ちて首の骨が折れたのでしょう」

     見た目は血も出ていないし、おそらく普通の倒れているだけに見えるかと思います(首がちぎれている、全身がぐちゃぐちゃになってしまっている、などであれば別ですが)。そこにソフィアがきっぱりと「死んでますので運べません」と言い切ります。すると相手は驚くはずです、その後にその理由を説明してあげると読者としても、流れがスムーズに入ってきて、状況を理解しやすくなります。

     他の話をまだ拝読していないので、ソフィアの性格がまだわかりませんが、これだけの悲惨な状況を目にしても冷静にしかも動揺することなく凛々しく立ち向かっている点が立派だと思います。一方で、これだけだと、少し冷酷な機械的な印象も否めません。
     もしさらにソフィアのキャラクターを膨らますとしたら、見た目は冷静にしっかりと対応しながら、本心は実はすごく怯えていて、それを必死で抑えている、といった描写があるとよりリアリティがあるだけでなく、読者としても共感を得るポイントになるかもしれません。

     特に黒タッグの判断は非常に残酷で、辛い判断ではあるものの、しなければならないものです。この責任をソフィアはしっかりと受け止める、でも心の中では泣いている、となると読んでいる人はよりソフィアの気持ちに寄り添っていくようになるかもしれません。
     17話の黒タッグの判断は、通常であれば簡単にできるものではありません。それなりの葛藤のシーンがあるとよりリアリティが増すかもしれません。

     あくまで自分だったらどうするか、と考え代替案を考えてみました。

    「呼吸していない……まさか、脈は?」
    脈もない、どうしよう、首も変な方向に曲がっているから、もう死んでしまっているかもしれない。でももしまだ生きていたら……? ここで見捨てたらこの人の最後の助かる見込みを捨ててしまうことになってしまう。
     今から心配蘇生をすればまだ助かるかもしれない、ダメで元々でやってみよう、胸に手を置こうとしたら

    「おーい、こっちの女性はすごい出血してるぞ!」

     どうする? どっちを優先する? 悩む、急がなきゃ、時間がない。もう一度脈を確認、ぐっとこらえて、(だめだ、もうこの人は助からない。助けられる人を優先しなきゃ)黒タッグ判断。
    「ごめんなさい、全ての処置が終わったらまた来ますからね(死者に対する声掛け)」

     といった流れでしょうか。

    11
    "医師のいるセント・ジョーズ・ワートまでは普通に行けば3日は掛かります"

     17話だと、"歩けば少なくとも3日、どんなに早い馬車でも2日は掛かる"とありました。普通にというのが"歩けば"というのであれば問題ないのですが、馬車に乗っているのに歩いた時の仮定をすると少し違和感があるかもしれません。

    "医師のいるセント・ジョーズ・ワートまでは急いで馬を走らせても2日は掛かります"

     といった書き方でも遠い、ということは十分に伝わるかと思いました。

    まとめ
     非常に臨場感のある緊迫したシーンで、雰囲気がとても伝わってきました。ソフィアのキャラクターも魅力的で、このお話の世界観にもっと触れてみたいと感じました。ただでさえ魅力的なシーンですが、さらにもっと良くなれる可能性も感じました。そして非常によく勉強されたのだな、ということを実感しました。そこからも作品に対する熱意を感じました。
     これからの織姫みかん様とソフィアのご活躍を期待しております。
  •  この度はコメント頂きありがとうございました。

     第三者の目線で批評して頂けるのはとても有難く大変参考になりました。
     頂いたコメントを参考にし、加筆修正できる点は少しずつ修正できたらと思っています。
     自主企画に参加させて頂きありがとうございました。
     木沢 真流様の今後のご活躍を祈念し、お礼の言葉とさせて頂きます。

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