三鹿ショート

過去が存在するからこそ、今の自分が存在する。

真実を知らなければ、問題は無い。

彼女が私に意識を向けたときには、何もかもが遅かった。

この能力を持っていなければ、彼女を救うことはできなかった。

加害者がのうのうと生きることなど、許すことはできない。

彼女のためならば、黙っていることなどできなかった。

最後に消える悪人とは、私のことである。

彼女と出会っていなければ、私は惨めな人生を送っていただろう。

馬鹿にされたとしても、自分を信ずる人間は尊いものである。

この怒りを、誰にぶっつければ良いのだろうか。

罰を回避することができるのならば、仕方のないことである。

良好な関係を築くためには、肉体関係は避けなければならない。

彼女の変化を、成長と呼んでも良いのだろうか。

彼女のような人間こそ、この世界に溢れるべきである。

彼女以外の人間の魅力に気が付けば、彼女は不要と化す。

弱者だったとしても、それなりの幸福は存在していただろう。

轍を踏まないためにも、油断してはならなかった。

彼女を選んでいれば、悪い結果が訪れることはなかっただろう。

孤独と人間らしさの、どちらを取るべきだったのだろうか。

私の存在は、その集団にとってどれほどの価値が存在しているのだろうか。

人生を愉しむということは、何時でも可能である。

この旅館ほど素晴らしい場所は、存在していないだろう。

彼女と関わらなければ、私の生活は平和だったはずである。

生きる目的は、彼女だけだった。

意味が無いと分かっていれば、人々が動くことはない。

他者から見れば阿呆のようだったとしても、私には大事だった。

役に立つことがないゆえに、私は放置されているのだろうか。

肉体を奪われないためには、誤魔化すことを続けるだけである。

傷つきやすいと分かっている人間を、放置するわけにはいかない。

間違いであることを理解していなければ、彼女への認識を改めるべきだった。

問題を有していると分かっている人間など、避けるべきである。

彼女よりも恋人として相応しい人間は、存在しないだろう。

兄と弟は、別の存在である。

それでも我々は、互いを愛していた。

彼女と知り合った時点で、私の未来は決定していた。

他者にとっては意味の無い行為でも、彼女にとっては重要なのだろう。

私と彼女は、不幸以外の何物でもない。

脱出していれば、尋常なる人生を送ることができただろう。

どれほど美しかったとしても、それが満ちれば普通と化す。

問題を抱えた人間に対して、私が好意を抱くことはない。

彼女が接触していなければ、人々は不幸な未来を迎えていただろう。

彼女に好意を抱かなければ、私は今も生きていたことだろう。

どれほど私が愚かだろうとも、他者が思考を止めることはできない。

目を閉じたところで、現実が変化することはない。

過去に戻った私は、未来を変えるために走ることを決めた。

人生において、幸福と不幸のどちらが多いのだろうか。

彼女のような人間こそ、最も危険な存在なのだろう。

関係が終了していれば、悩むこともなかっただろう。

不要なものほど、集まってきてしまう。

完璧な人間が存在するなど、認めるわけにはいかなかった。