三鹿ショート

ぼくが誰に対しても手を差し伸べるのは、そのようにする必要があるからである。

彼女と出会っていなければ、私はどのような人間と化していたのだろうか。

立場が逆転したとき、人間はどのような行為に及ぶのだろうか。

どちらかのためにどちらかを捨てることなど、我慢することができない。

彼女とどのように過ごすのかなど、決まっている。

復讐は正しいことではないのかもしれないが、気は晴れるに違いない。

安全な場所が無ければ、用意する必要がある。

変化した私のことを、彼女はどのような目で見ているのだろうか。

誰かを愛することに、善悪など存在しているのだろうか。

愛していた人間が別の人間と愛し合う姿を、想像することはできるのだろうか。

我々の間には、汚れた情など存在していない。

同じような人間と化すことになったとしても、気分が良くなるのならばそれで良い。

未知は未知のままの方が、良いこともある。

彼女が私を選ぶ理由など、想像することもできない。

自分の欠点を直そうとする努力は、良いものである。

彼女は自身の変化に、気が付いているのだろうか。

自分で味わうことで、初めて分かることが存在する。

余計なことを考える必要が無いことは、良いことである。

どの彼女が、真の姿なのだろうか。

他者が私を傷つけたのならば、私もまた同様の行為に及ぶ。

恋人を得ることができるのならば、彼女に好意を抱くように努力する。

差を許すことができないために、彼女は動いた。

何の問題も無いように見えたとしても、目にしていないことが存在している。

彼女は、何時までも戦い続けるつもりなのだろうか。

これは、自業自得以外の何物でもない。

どれほど低い可能性だったとしても、皆無ではない。

何が起こったとしても、約束を反故にした私が悪い。

どのような人間であろうとも、世界にとっては唯一の存在である。

彼女の姿を見た理由は、罪悪感からだろうか。

理由が存在するとすれば、それはどのようなものなのだろうか。

我々は、出会わなければよかったのかもしれない。

彼女を恐れ続けるということは、彼女のことを忘れることはないということである。

被害者である私は、誰よりも立場が上と化す。

彼女と再会するためならば、労力を惜しむことはない。

同じ経験をした人間を、味方と言ったとしても良いものなのだろうか。

どれだけ努力を重ねようとも、他者からすれば微々たるものだった。

欲深さが、命取りだった。

未来を知ることができれば、これほど良いことはないだろう。

どれほど不幸な目に遭遇したとしても、幸福が待っているのならば受け入れる。

私が早く誕生していれば、事情は変化しただろうか。

彼女を襲った人間は、何者なのだろうか。

苦労の結晶が消えたとき、その苦労に意味は存在するのだろうか。

何も求められることがないということは、不要であるということに等しい。

もしも私が彼女に対して恋愛感情を抱いていれば、何かが変わったのだろうか。

私に出来ることは限られているが、皆無ではない。

同じものを永遠に所持することは、不可能ではないか。

素性が分からぬ人間に対しては、心を許すべきではない。

たとえ彼女が他の人間を愛したとしても、彼女に対する私の愛情が消えることはない。

野放しにするほど、この世界に余裕は無い。

最初は、彼女のためを思って行動していたはずだった。