• 詩・童話・その他

はじめの挨拶

はじめまして。
僕は極めて凡庸、かつ怠惰な男子高校生です。

このサイトに登録したのは僕が本の虫だから、というわけではありません。むしろその逆といった方が相対的により的を得た表現だと言えるでしょう。

本、とりわけ図書館に住まう本というのは格調高く、催眠作用を持った活字群だと思っていました。その認識に爆薬を持ち込んだのは、あの憲法記念日に立ち寄った神保町の書店にレッドカーペットのように平積みされたライトノベルです。僕はいわゆるサブカルチャーとは縁が薄い方でしたが、その表紙に、その昔の厳しい文庫本に全面戦争をしかけているかのようなそのポップは絵に、さながら共有電子対になるべく奔走する孤立電子対ように惹かれたのです。貪るように読みました。その本はとても面白かった。その本を読んだ感想は今まで一度の思ったことのないものでした。

なぜライトノベルが僕にとって面白いものであったか、それは「進化」にあると考えます。本は読まれて、本になります。作家は読まれるために本を書くでしょう。人が本を読む数には限りがあります。競争が産み落とされます。これは生物における進化に似ています。本は読者の価値観の変化、世の潮流を敏感に感じ取り、自身を変質させます。新しいものであるライトノベルが、古い本に比べて刺激的であるのは、自明と言えるわけです。ここで僕は考えました。出版には時間がかかります。例えば2018年3月に発売された本は2018年3月に作家が制作を始めたわけではないでしょう。3ヶ月、半年、もしくは複数年かかって本は世にデビューします。つまり、僕を興奮たらしめたライトノベル。これらは真に新しいわけではないのではないかと考えたのです。つまり、もっと新しい本は、出版の機を待っていることになります。

ここでついにインターネット小説サイト、もっと言えば「カクヨム」というサービスに焦点が移されます。このサイトは優良な作品を出版する、小説家への登竜門となっています。ここに集まる作品は良し悪し問わず、とても新しく、とても流行りを反映していると言って差し支えないでしょう。あの時、ライトノベルが僕に与えたパンチはとてつもないものです。しかしそれを超える作品に巡り会えることを、心待ちにさせていただきます。

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