私は本編中のあとがきなどで、かなりの部分の意図や制作秘話を書いています。
けれど、そういえば説明していなかった裏話がございました。
まず前提として『引きこもりVTuberは伝えたい』を読めば分かる話。
本作は一人の少女の成長、その少女の成長により周りも変わっていく話です。
でも裏のテーマとして「VTuberに対する誹謗中傷問題」も扱っています。
第一章と第六章が主ですね。
次にあとがきでも近況ノートでも書いていた話。
この物語は2021年12月に最終章までの話の流れが大まかにできていました。
でも連載中に「VTuberに対する誹謗中傷問題」を取り巻く環境が大きく動きましたね。
裁判結果として「VTuberに対する誹謗中傷等は罪である」と判決が出ました。
(それまでキャラクターを貶して罪になるはずないだろ、などと主張する人も多かったのです)
ネット上での情報開示請求もしやすくなりましたし、大手のVTuber事務所も守る方針を打ち出しています。
全てこの2年ほどの動きですね。
素晴らしいです。
で、ここからが裏話なのですが
ネット冤罪、誹謗中傷、デマ、流言飛語に勝つ方法。
勝利条件を個人的に定めていました、という話です。
なにせ裁判結果が出る前に物語の構想をしてますからね。
裁判に勝利することは想定してないわけです。
だから勝利条件を設定する必要があったのです。
ネット上の誹謗中傷をなくすことは不可能です。
どれだけ否定しても悪意を持ってデマを垂れ流す人は現れます。
絶対になくなりません。
そんな存在にどう勝つのか。
ファンでもない客観的な第三者がデマを垂れ流す人を見て「嘘つきだ」「黙れよクズ」と断定的に否定できる状況になれば勝利。
勝利とはデマを誰も信じない状況であり、デマを流せば流した側が不利益を被る状況である。
私はそう定めていました。
そのためには身の潔白を証明できる情報開示と数の力が必要だと判断しました。
数の力は開示した情報を信じてくれる人、正しい情報を周知徹底してくれる人、つまりファン(リスナー)ですね。
ここまですればネット上の誹謗中傷に勝てる。
ここまでしないとネット上の誹謗中傷には勝てないのです。
そういう私の結論から生まれたのが、第一章であり、最終章の第六章でした。
以上、制作秘話的な話でした。