鮎川　雅

令和に入ってから、言葉というものが本質をつき過ぎて、窮屈になったような気がするのです。

いやしくも、ものを書く部類の人間であれば、何かしら自分の生きた証・爪痕を残したい！　とはいえ、どうすればそれが可能になるのか？　ちょっと考えてみた

神の視座さえあれば、もっと面白い（評価される）ものが書ける……そんなことを思っていた時期が、私にもありました。

昭和２０年８月、東京・高井戸。無線諜報機関である陸軍特種情報部（特情部）の派遣参謀である中原は、自分たち特情部が初夏のころから把握追跡していた米軍のB２９の一部隊が、広島に強力な…

東京にある名門にして男子校の第一高等学校（一高）に、ドイツから美少年の貴族令息がやってきた！　冴えない一高生・祥太郎は、一高に溶け込もうとしないその留学生に振り回されながらも、徐…

時は明治。とある陸軍少将に落籍された東京の芸妓が、少将の任地の熊本に赴く。芸妓は、新たな妾の少女と出会い、生まれて初めての友情を深めていくが……。

昭和二十年、夏。長崎の高等女学校の少女二人は、エス（少女同士の疑似恋愛）の関係にあった。戦争の終わりは近づいていたが、それを知らぬ少女らは、運命の八月九日を迎える……。「小説家に…