こんにちは、mamalicaです。
常日頃の閲覧と応援、感謝いております。
地元は冷たい雨が降っています。
夏の暑さはどこへやら。
秋を感じる暇もなく、すぐに冬が訪れそうです。
今後の予定ですが、『死筆者』と『アーサー王と円卓騎士団が高校生に転生したよ』は、不定期に公開しています。
後者は、ついにギネヴィア王妃が登場します。
メイン作品の『黄泉月の物語』の続きは、来週アタマに公開予定です。
こちらは慎重に筆を進めておりますので、週一公開が限界です(^_^;)
そして……仕事と執筆で手一杯なのに、どうして新作を考え付くんだ!
そう自分を責めております。
いや、「ヘルデルーテ」なる女性の名を思い付き、そこから物語が展開している最中です。
そして、たった今試し書きした新作『月架のヘルデルーテ』の冒頭部分を公開します。
主人公はキリアンという名の少年(本筋では19歳予定)。
この冒頭部では9歳と設定しています。
後に変更するかも知れませんが。
彼と、魔皇の血筋の少女ベルテルーテの物語です。
以下、冒頭部分です↓
*
鐘が鳴った。
朝課の時刻を告げる鐘である。
ウールの荒織りの毛布から頭を出し、瞬きをする。
閉じた窓板の隙間から、一条の月光が射す。
手を伸ばし、指先で光を受け止める。
微かな温もりが宿った気がする。
自然と唇に笑みが宿る。
傍らで眠っていた猫が起き上がり、一声鳴いてベッドから飛び降りた。
「起床の時間だよ。遅れると、教父さまに叱られるよ」
「はーい」
「いま起きるう~」
子供たちは、木の床に素の足をペタリと落とした。
リーダー格のアーシュが窓板を左右に開け、他の子供たちもそれに倣う。
窓枠の向こうは、紺青の空が広がっている。
無数の星が瞬き、月光は惜しみない光を降らせる。
革のサンダルを履き、麻のシャツの上から灰色のチュニックを被る。
布を編んだベルトを腰に巻き、クイッと締める。
木彫りの玉を繋いだ首飾りを掛け、そのヘッド口付けをする。
ヘッドには、『天空神アストラヴァン』を象徴する四枚の羽根が彫られている。
「厠で用を済ませてから手を洗って、礼拝堂に行くんだ。急いで」
そう言うアーシュは、新入りの子供の一人にチュニックを着せている。
「キリアン。他の子たちを連れて、水場に行っててくれ」
「うん、分かった」
答えた彼の両手は、すでに年下の子たちの手で埋まっている。
「行くよ、みんな!」
彼は、子供たちを率いて部屋を出る。
見習い教道士の彼らの住まいは、木造の二階建ての古い家屋だ。
二階部分は食糧庫にもなっており、十五匹の猫が放し飼いされている。
*
……以上です。
中途半端な所ですが、ここまで書きました。
キリアンはこの教道院で、いるはずの無い女性の姿を目撃し、十年後に再会。
全く年を取らない美しい少女と共に、『神殺し』の旅に出ることになります。
続きは気が向いたら書くでしょう、たぶん。
とりあえず、アイディアだけは披露しておきました。
そして、日付が変わり次第、『日記・エッセイの本棚』企画を立て直します。
ご参加、お待ちしております。
よろしくお願いいたします。