ハロウィン企画として10月毎日投稿していた【現代魔女と踊る満月の宴】が本日10月31日を持ちまして無事に完結いたしました。
これまで読んでいただいた皆様に深く感謝申し上げます。
まだ読んでいないって方は、ぜひこちらから読んでみてくださいませ。→
https://kakuyomu.jp/works/16818093085888836743 【現代魔女と踊る満月の宴】はハロウィンの個人企画として、ハロウィンがテーマの小説を1日1話ずつ、10月中毎日投稿を目標に始めたものでした。書くと決めたのは9月24日。10月1日まで一週間もありません。慌ててコンセプトを決め、ベースストーリーを決め、大まかなプロットを決め……。そして、ある程度話数のストックがないと破綻するだろうと予測し、実際に28日から書き始めました。
はい。完全に、見切り発車です。勢いのまま始めたと言っても過言ではないです。
結果、約88000文字。ちょっとした長編の長さです。正直、書ききれると思っていませんでした。完結させられるとも思っていませんでした。無事に完結させることができた今、心から安心すると共に満足感を味わっています。
最後まで続けられたのは、読んでくださった皆様のお陰です。本当に、ありがとうございました。
さて、見切り発車で始めたこのお話。大変楽しんで書いてはいましたが、改めて読み返すと反省点もとても多く。蛇足ではありますが少し反省点をまとめておこうと思います。
「そういうのは一人でやってくれ」という方は、お手数ですがここでブラウザバックしていただけると助かります。
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まず第一に物語の導入のフックが弱すぎる。理由は大きく二つあったと思います。
■主人公たちの動機が希薄
希薄すぎます。ぺらっぺらです。『満月のポーション』ってのをなんで探すの?→なんかすごそうだから!て、なんですかそれは。『セレネの霊酒』の効果は最終回でようやく明らかになりますが、そこまで引っ張るようなことではなかったです。逆に、はじめから効果をオープンにし、それを主人公たちの動機付けにした方がなんぼかマシでした。現在の版は、完全に「物語の都合にあわせてキャラクターが動いている」という状態で、良くないです。
■魔女の存在秘匿の理由や等級についての話
このあたりは1話、2話できっちりと説明しておくべきでした。特に等級については、マリィが等級落ちの可能性になぜ嘆くのか、等級落ちするとどういう結果になるのかについてはもうちょっと丁寧に説明してもよかったと思います。
そして、魔女や魔法使いの存在が一般人に秘匿されている理由。これも、理由はともかく「バレればどうなるのか」ということは描写しておくべきだったかと思います。
同時に、「加護」の話や主人公三人の「加護(属性)」もはじめから描写していてもよかったように思います。作中で一応説明しておりますが、念のため補足しておきますとマリィ=地属性、フェリク=風属性、リジー=火属性です。
次に全般にわたる設定面。
■「現代に生きる魔女」という設定が死に設定になっている。
前半の情報収集パートこそ現代要素はありますが、後半の材料探し以降になると内容が一気にファンタジーに傾き、「現代要素」が皆無となってしまいました。
これについては、後半の展開上ある程度は仕方ないのかなと思いつつ、もっと現代要素を生かせる展開を作れたのではないかと悔やんでいます。
現代に生きて戸籍があって仕事もしてる魔女。素材としてはとても好みですのに。
主人公三人の持つ三つの名前(本名・魔女名・愛称)も生かせなかったですね。混乱を避けるためという目的ではありましたが、基本的に愛称で統一。エルディラ師匠やロゼ、それにオリアンナさんなんかは魔女名で呼ぶというようにしていましたが、いざ会話文にしてみると改めて名前を呼ぶシーンってとても少なくて。
それ以上に出番のない本名。呼んでくれたのは久住くらいでしょうか。
■『魔法の力』という表現
分かりやすく『魔力』で良かったじゃないの、と。
次にキャラクターの問題。
■マリィの没個性化
これはマリィが没個性化したというかフェリクとマリィのキャラクターがかぶってしまったのが大きな理由です。当初のキャラクター設定では
マリィ=リーダー役
フェリク=ムードメーカー兼トラブルメーカー
リジー=気弱末っ子
だったのですが、フェリクがムードメーカーじゃなくクールキャラ化してしまい、結果真面目キャラであるマリィと行動パターンが似てしまうという事態になってしまいました。
これはフェリクの行動を私がきちんとコントロールできなかったのが原因ですね。とはいえ、私の中でもフェリクはクールお姉さんキャラで定着してしまったので、その上でマリィとの差別化を図るように計算するべきでした。
一応、材料探しパートでは一人ずつにスポットを当て、ラストでは主人公らしくマリィにリーダーシップを取ってもらったつもりですが、中盤の埋もれっぷりが本当にもう。
三人一組(+一匹)という複数人数を扱うことの難しさを痛感しました。
最後に物語全体の流れとして。
■ラストが駆け足(かもしれない)
これは個人的にそう感じた部分なので、実際に駆け足だったかの判断はつけられないのですが。情報収集では一人当たり大体4話ずつ、材料集めは1箇所3話ずつ(サラマンダーのみ2話)、レシピ探しに2話、ポーション作りに至っては1話のみ。話が進むにつれ、章ごとの話数が短くなっていったのは書きながら気になっていたところでした。一応プロットを起こした後、1話辺りどこまで書くか、エピソード毎に何話割くかを決めた結果なんですけれども。
とは言え、これは人によって感じ方が違うかもしれません。何より、全31話という枠の中で、ラストのハロウィンの宴は絶対に最終話で描写することだけは初めから決めていたので、ある程度話数の制約もありました。
今わかりやすくわかりやすく見えている反省点はこの六点です。たぶん、時間をおいて読み返したらもっと出てくると思います。ある意味、現在の版は「初稿」と言えるでしょう。私自身は書き上げられたことを誇りに思っていますが、決して完成しているとは言えません。
今回見えてきた反省点や物語のブラッシュアップのため、いずれ改稿を予定しています。時期としてはおそらく2025年1月に改稿に着手出来るかな、というところでしょうか。そのまま1月中に公開出来れば良いですが、大幅なリライトが発生した場合は2月になる可能性もあると思います。
改稿すれば改めて近況ノートでご報告いたします。その際には改めて楽しんでいただければいいなと、思っております。
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改めまして。1か月にわたる長のお付き合い、本当にありがとうございました。
今後とも、どうか暖かく見守っていただけると幸いです。