淋漓堂

「おめでとうございます！」 日本が大統領制になって一か月。 夏の暑い日、突然玄関先に現れた七三分けの男が高らかに言う。 「人は死ぬまでに誰か一人だけ殺せ、それが罪にならないと…

ひたすら水だけを飲まされ体内の汚物を出し切り、目に杭を打ち込まれ捌かれるその時を待つのは、果たして……。

　桜の花が咲く直前 　同僚が忽然と姿を消した 　 　その夜俺は奇妙な夢を見た 　それは―― 　 　彼女が桜の木の枝に吊るされて微笑んでいる夢だった ～・～・～・～・～・～…

　ある日突然、夢に見た出来事が現実に起こるようになった。 　それも身内や友だちが次々と亡くなっていく夢……いや現実。 　次は、私の番。 　～・～・～ 　ある日自分が見た夢を小…

　いつからそこにあったのか。公園近くの古びた駄菓子屋を見つけたあなた。 「これね、何でも願いゴトが一つだけ叶うキャンディなんだよ」 　そういって男の子は七色の飴をあなたに差し…

骨董屋の店先に置かれていた姿見。なんとなく魅かれて購入した英二。次の日から奇妙なことが起こりだして……。

家のカレンダーに付けられた丸印。 職場のカレンダーにも、同じく大晦日の日に印がつけられていた。 新年へと日付が変わる瞬間までのカウントダウンは、彼自身のカウントダウンでもあった。

交差点で手招きをする黒い影を見つけたら、事故をおこして必ず死ぬという都市伝説 あなたは信じますか？

夏休み最初の部活帰りに君が言った。 「ねえ、次の信号が青だったら、私たち付き合わない？」 奇妙な賭けを言い出した君は、誰にも何も言わずに存在感だけを残していなくなってしまった。 …

　女児が産まれしその家に 　御祝として贈られる 　目にも麗しお雛様 　健やかめなる成長を 　見守る使命を背負わされ 　年に一度のお披露目を 　今や遅しと待ち侘びる 　女児に災いあ…