利里はこどもの世界が気に入っていたわ。そこは協力と思いやりがなにより大切にされる世界だったからね。
だからと言って彼女はこどものわけではなかった。
利里は人のことを殴ることができる力を持っていたの。腕力が強いわけではなくて、躊躇うことなく殴る心構えを持っていたの。
それは、おとなの世界でこそ必要とされるもの。
もともとこどもらしさが足りなかったのかもしれないわ。
おとなとしては心構えがたりなかったのかもしれない。
この頃からヒトとか、デイバとしての素質が高すぎたのかもしれないわね。
これからのお話は、あなたのいる世界よりすこし未来の世界の話だけれど、
この頃にもあなたのよく知っている利里のような女が主人公のお話になるわ。