少年は自分の存在を世の中に受け入れてもらうために「もの」と戦うのだ。
彼の父親は人間は生き物を喰うべきではないという思想を世間に広めて、後に政治家としても活躍をした 神谷啓。
あまりに親が偉大であると、その子供は息をしづらいし、生きづらいのよね。
神谷翔はそんな子供の代表みたいな少年。
父もずっと昔に「もの」に喰われて亡くなっていたので、父にすがることも甘えることもかなわないのよ。
人は自己実現をかなえる為に敵と戦うことがある。
あたしはそれを否定するつもりはまるでない。
なにかと戦うことなく死んだあたしに比べれば、彼らはずっと尊いわ。
そんな少年と戦わなくてはならない「もの」は何のために命を張っているのかしらね。