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MGSVのヴェノムという男について考える

私はMGSVのヴェノムが好きです。

ヴェノムというのは一言でいうならば
MGSV:TPPという最新作の主人公であり
BIG BOSSの影武者の衛生兵(メディック)です。

もちろん、顔は完璧にBIG BOSSと見分けが
つかないほどの整形がされていますし、
オセロットの暗示術によって、自分自身を
BIG BOSS本人であると完全に信じ切ってますし
最後の最後になるまでプレイヤーですら気づけません。

なぜ私がヴェノムが好きなのか。
一言でいうなれば、BIG BOSSと
ヴェノムの見る視点の違いです。


BIG BOSSは英雄です。彼が見つめる先は、"賢者"
"サイファー" "ゼロ"、"愛国者達"、"ザ・ボスの遺志"、
そして世界の命運。


ヴェノム(メディック)は非常に優秀ですが一般人です。
そんな彼が見つめる先にあるのは、社会から爪弾きにされ
傭兵という生き方でしか行きられない仲間の傭兵たち、
そしてその傭兵達の暮らす海洋傭兵組織ダイアモンド・ドッグス、
そして、メディックの時代からBIG BOSSの後ろで
密かにうちに秘めた恋心を抱いていたパスという女性、
目の前で失った愛しい女性の幻影(ファントム)。


オセロットの暗示により元のMSFの衛生兵としての頃の
記憶は消えていますがそれでも、やはりどことなく
BIG BOSSと違う部分を無意識に感じさせる演出が
うまいんです。

例えばBIG BOSSがあれだけこだわっていた葉巻を
吸わずに電子タバコであるファントムシガーだけで満足するとか。
ロシア語が話せないとか眼の色が青ではなく緑とかその他諸々。
※MGS3の部隊はロシア(ソ連)なのでBIG BOSSが
 ロシア語を話せないというのはありえないんですよね。



  ◇  ◇  ◇



ヴェノム(メディック)の人生は思えば、
全てが周囲の思惑によって振り回された人生でした。


偽装核核査察団を受け入れた時はゼロ少佐に離反した
XOFの指揮官スカルフェイスによって襲撃を受け
彼は自分の命を犠牲にする覚悟でBIG BOSSを
守ろうとして片目と左手を失い、何よりも密かに
恋心を抱いていたパスを目の前で失いました。
彼が片腕がサイバネティックアームなのはこの時の
かばった時の怪我が原因です。


なお、ヴェノム(メディック)によってかばわれた
BIG BOSSは何一つ失うことなく生き延びてます。



更に、マザーベース襲撃の際に暗殺を
失敗しているスカルフェイスは今度こそXOFを率いて
BIG BOSSを暗殺しようとします。

オセロットはXOF(スカルフェイス)の襲撃を
事前に察知し、スカルフェイスの毒牙が全て
影武者のヴェノムに向かうように暗示と整形を
施し、メディックをBIG BOSSとして担ぎ上げます。
要するにBIG BOSSを逃がすための撒き餌です。

そして、このオセロットの策は奏功し、結果的
としてスカルフェイスはヴェノムをBIGBOSSと
思い付け狙い、最終的にヴェノムの手により討たれます。


それだけではなく、カズヒラがヴェノムをBIG BOSS
を持ち上げるのもBIG BOSSに対する複雑な
拗れた感情からのものです。

カズヒラは尊敬していたBIG BOSSからオセロット
を頼り自分をハブられたと勘違いし復讐の念を募らせます。
これはBIG BOSSを心底尊敬し敬愛するがゆえの憎悪です。

カズヒラは自分がBIG BOSSと一緒に築いていた
"国境無き軍隊"に強い関心を持っています。

ですが、カズヒラはBIG BOSSほどのカリスマはなく
スカルフェイスの襲撃でBIG BOSSが死んだと思った
MSFの傭兵からはBIG BOSSが居ない国境なき軍隊
に居る必要はないと言われ、ドンドン仲間を失っていきます。
組織にはBIG BOSSというカリスマが必要だった
のだと改めて確信するわけです。

そしてカズヒラはヴェノム(メディック)が
偽物のBIG BOSSだと知った上で担ぎ上げます。
自身の復讐を遂げるために。



更には最後にはBIG BOSS自身の意志によって
暗示を解くカセットテープで自身がBIG BOSSでも
ヴェノムでもなくただの衛生兵、メディックであることを
思い出させられます。


BIG BOSSとしては悪意はなかったし、ヴェノムを
もはや半身と認めた上で敬意を示すための行動だった
わけだですが、ヴェノムにとってはそんなこと知ったことでは
ないわけでヴェノムはひたすら悲劇であり喜劇でしか
なかったわけです。



最後のヴェノムがバイオニック・アームで自分でない
者(BIG BOSS)の顔が写った鏡を殴りつけて
その映ったいびつに割れた鏡に映るヴェノムの
角が鬼のように伸びているのも理解ができます。
そりゃ怒りますよ。


そしてヴェノムはついに最後には
アウターヘブン蜂起を行います。

その際にはFOXHOUNDの本物の司令官である
真BIG BOSSによって送りこまれたグレイ・フォックス、
そしてソリッド・スネークの手によってヴェノムは殺されます。
BIG BOSSとして。



MGSPWでステータス上ではBIG BOSSをはるかに上回る
最強の兵士を作って楽しんでいたメタ的な存在でもあります。
それがプレイアブルキャラクターメディック。
その人生は一言で言い表せないほどの人生でした。



  ◇  ◇  ◇



ヴェノムを思うと切なくなります。

特にMGSVの幻想の病室のなかで何度も
パスを幻視して、最後には幻想のカセットテープ
でパスの声を聞くシーンとか最高です。

ファントムであるパス自身が、自分の存在が
ヴェノムの中にしかいないんだと吐露する
シーンとかすげぇなとひたすら感動しました。

以上、ヴェノムを考えて熱くなり長文を
書いてしまいました!!( ・`ω・´)✫

もしよければMGSVプレイしてください!

2件のコメント

  • 実はヴェノムが最後鏡を叩き割ったのは感極まったからでネイキッド(big boss)を恨んでたのでは無いと小島監督は証言しているそうです。更にネイキッドもメディックを進んで影武者にしようとはしてなかったそうです。
    さてこのメディックという人物は誰だったのか、実はプレイヤーだったと小島監督は話しています。当初この事実がわかった時は荒れに荒れたそうで、何故スネークを使わせてくれなかったんだ!と文句が集まったそうです。ですが、これこそ小島監督が描きたかったスネークを愛する我々ユーザーの姿だそうです。メディックはスネークを理想とし、スネークであろうと振る舞いました。もはや狂気とも取れるスネークに対する忠誠心、これは我々ユーザーも同じではないでしょうか?小島監督はゲームの主人公は我々ユーザーでもあるという事を伝えたかったのでは無いかと推測します。
  • @ohayou1215様

    >ヴェノムが最後鏡を叩き割ったのは感極まったから

    ↑マジですか? 初耳です。もしソースがございましたら
    教えていただけますと幸いです(*´ω`*)

    メディックはMGSPWで私達がマザーベースで
    作った最強のS級傭兵(メディック)であり、
    小島監督の「MGSをプレイヤーに返す」ということは
    正にそれを意味するというのはその通りですね
    そのためにキャラクリとかさせてくれますからね( ・`ω・´)✫
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