『転生したら百合の間に挟まる汚いおっさんやった件』ですが、諸事情により削除いたしました。理由はお察しください。
この場をお借りしまして、読んでくれた方や評価をしてくださった方々に感謝申し上げます。一応、次章で完結の予定でしたので、その概略をマイルドに列記します。
最終章 因果再臨編
E=MC2という法則がある。物質は存在するだけで膨大なエネルギーを秘めているのである。
青の勇者の目撃情報があった皇国跡地に向かう一行。途中、白と赤、黒と黄の組み合わせで親睦を深め合う。それを眺めているおっさん。
やがて皆が疲れ果てて眠る中、おっさんの元に白がやって来る。二人きりの時間を楽しんだ後、白がぽつりと呟く。
「おじさんとは元の世界でもどこかで出会った気がする……」
夢を見ていた。そこは現実世界の電車内で、おっさんは一人で座っていた。
皇国の跡地にやってきた一行。五人の勇者が揃えばもはや敵はいないと豪語する。
時が反転して、気付けば全員捕まっていた。目の前にいたのは青の勇者。それは白と黄の母親だった。
青の能力は時間操作であり、時を止めることで一網打尽にしたのであった。
ひとしきり娘たちを可愛がった後、意趣返しとばかりにおじさんと戯れる青。
やがてその口から世界の真実が語られる。
この世界は魔王が現れる度に異世界から勇者を召喚するが、その際には核となる人間をエネルギーに変えることで膨大な熱量が放出される。
今回、核となったのは白であり、現実世界の日本は跡形もなく消滅してしまった。そして、比較的近くにいた黒、青、黄、赤、そしておっさんが連鎖召喚されたのである。その事実に白は強いショックを受ける。
また、さらに前の時代、別の世界から勇者が召喚されていた。それが紫であり、魔王を倒した後に自分の故郷が消滅したことを知り、新たな魔王として異世界に復讐しようとした。
おっさんが例外的に七人目の勇者となったのは、前の代の勇者である紫が残っていたからである。
紫の能力は因果律操作で、幾度となく異世界を滅亡に導いたが、その都度青が時を戻していたのであった。
青から紫を救ってほしいと懇願されたおっさんは、六人で魔王軍の本拠地に乗り込むのであった。
ついに魔王と対面する勇者一行、しかし紫の力はあまりにも強大で、全員散り散りに因果地平の彼方へと飛ばされてしまう。
そこは何もない真白の空間で、精神が溶け込むように霧散してしまうが、おっさんと白は互いを認識することで自己を確立することに成功する。
深い怒りと悲しみに囚われた紫を救うため、おっさんと白が体当たりでぶつかっていく。
やがて、紫の力をも取り込んだおっさんは、ある決意をするのであった。
六色の勇者の力が一つとなる。そんなあり得ないはずの奇跡の使い道。
因果律操作、時間操作、精神操作、千里眼……全てを知覚する能力、そして膨大な魔力と強靭な肉体、これらをもっておっさんは現実世界の再生に取り掛かる。
それは神の所業であり、世界は元に戻ってもおっさんは元には戻れないかもしれない。それでも、自責の念に駆られた白を救いたい。
おっさんは白に別れを告げると、すべての力を開放するのであった。
永遠ともいえる時間が過ぎ去り、おっさんは気が付くと電車の中にいた。
何だか長い夢を見ていたような気がする。そこでは自分は勇者で、少女たちに囲まれていた。そして、その中には……。
やがて、目的地に着いて降りようとした際、おっさんはギャルに絡まれる。どうやら痴漢の冤罪事件に巻き込まれてしまったらしい。
思わず近くにいた学生風の若者に助けを求めるが無視されてしまう。そして、駅員に突き出されそうになったとき、ある少女の声が耳に響いた。
「おじさんはそんなことをする人じゃありません!」
そこには白と黒の姿があった。無事に助け出されたおっさんは、人目も憚らず白と抱き合い、黒に睨まれるのであった。
ワイはようやく挟まれはじめたばかりなんや
このはてしなく続く百合の間に……
完