• 異世界ファンタジー

07/27

『天蓋輪廻の聖誕曲』のヒロインの絵を改めて描き直してみたり。
今回は二位巫女神官のヴァリスネリア。
これは本編後の復活した姿です。
線が細く見えますが、これでも身長は190です……
設定を見直したら体重は55kgでした。痩せすぎですね。
たくさん食べても彼女の(強欲な)神鎧にすべて栄養を取られてしまうのですw


ここから少し、宗教と歴史のお話です。
ーーーーーーーーーーーーー
ヴァリスネリアは特にお金に対する執着がありました。
そもそも現代における『銀行』という概念は中世ヨーロッパで確立されたと言っても過言ではありません。

当時の教会は積極的に信仰を売り物にし、金融行為を推進していました。
金貨などの貨幣経済がヨーロッパで盛んになるのは十一世紀ごろ。
それ以前は牛や馬、食糧などでの物々交換が主流でした。
『喜捨』という行為は、貧しい者へ進んで物を与え、その見返りは天国で求めるようにと教会は勧めました。

しかし、都市が発展すると衣食住のすべてをお金で手に入れなければならなくなります。
金貨が流通しても、しばらくは物々交換で年貢は支払われ、民衆は『お金』を貯めました。
『物』が腐る一方で『金』は腐らず貯蓄される……その結果、民衆の中に大金持ちが現れて、王や領主に匹敵するまでになります。

たちまち社会は不安定になり、『金』をめぐる争いが起こる中で教会はいち早く順応します。
『喜捨』によって金を集め、その見返りに「天国への階段を登れる」と確約を与えたのです。
その最たるものがまさに『免罪符』でした。
教会や修道院は各地で市場と密接な関係を結び、銀行を作って物の価値を支配したのです。


本来、王や貴族しか手に入れられなかった物が、お金を使うことであらゆる人間に渡る可能性が生まれたということですね。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
しばらく近況ノートではイラストのほか、宗教や神学のプチ解説もできればと思います。
作品として立ち上げてしまうと、コメントに対して一方的な返信しかできないので。
疑問やご意見があれば、随時お答えします。

2件のコメント

  • 功罪それぞれ有るでしょうが
    グローバルなシステムを支える信用を
    担っていたのは事実なんでしょうね。
  •  中世の混沌とした情勢の中で、事故や怪我に対する『保険』まで教会が担ったほどですからね。
     とはいえ、教皇や異端審問官達のお金への執着、教会内部の腐敗は凄まじく、たびたび市民から批判や悲鳴が上がりました。
     そして、ルターの免罪符否定によって度重なる宗教改革が起こっていくのです。
コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する