ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
今作も無事、エタらず最終話までお届けできたことに胸を撫で下ろしております。お立ち寄りいただいた読者様には毎度執筆の励みになっております。
※ネタバレ注意
※実際の教育現場はこんなにゆるくありません
・動機
母娘百合なのか従姉妹百合なのか教師生徒百合なのか曖昧な本作ですが、とりあえず年の差百合を書きたかったことだけは確かです。
ちょっと前に『イチトニブンノイチ』って母娘百合漫画を読んでて、影響されてたのもあります。
同居ものでいきたい→赤の他人同士が住む理由って何さ→そうだ里親でいこう(?)みたいな思考の飛躍から執筆が始まりました。
始まってからはめちゃくちゃ展開に難航しました。なにせ教育現場と里親制度と遺伝子工学と子育て論と日本経済少子化etc……的な感じで調べ物が多すぎて。
誰だこの設定で書こうと思った奴は。自分だ。
お話の引き算も大変でした。
とくに前半は格差社会の描写にばかり注視しすぎて、肝心の彰子と皐月の交流に尺を割いていなかったのが心残りです。
前作『私は普通の恋人になれない』が火・木・土日と社会人殺しのスケジュールだったので、今作はゆっくり更新しようと決めていました。そのほうが読者の方もついてきやすいかなと。デイリー更新やってる作者様は本当にすごい……
なのですが、上記の通り調べ物がかなり多いので2日置きでも時間が足りず、深夜まで執筆に追われることも多々ありました。
ストックはあったはずなのに、やっぱり二転三転して半分以上がボツになってます。いい加減プロット通りに書けるようになりたい。
ジャンルはいちおうSFですが、SFっぽさは匂わせる程度の架空現代設定で話を進めようと決めていました。なので宇宙人が攻めてきたり地球が崩壊したり人類がサイボーグ化したり時空を超えたりはしません。
デザイナー・ベビーの題材ですと『ガタカ』『ガンダムSEED』『狂四郎2030』とかが有名ですね。どれも名作です。
・タイトル
実は直前まで別のタイトルでした。最初の章タイトル『世界は美しいものにあふれている』がそれです。
ただそれだと某番組もろパクリなうえ、内容がさっぱり想像できないので今のやつになりました。結果的にはこれでよかったと思います。
・登場人物
光岡彰子……施設育ちの女子高生ということで、過去作の主人公よりはちょっと子供っぽいです。よく泣いてた印象。
問題児という人を選ぶ設定のため、『5月編』ではどこまで描写していいのかひやひやしながら書いていました。
構成が家族として打ち解ける→恋愛対象として意識する→告白まで紆余曲折といったステップを踏む必要があるため、いちゃつくまでだいぶ長かったのが心残りです。
前作の上里さんが少食だった反動で、この子(+皐月)にはいっぱい食べていただきました。やたら食事シーンが多いのはそのためです。
日野皐月……ぶっちゃけこの人を出したいがために書き始めました。ようやく形に残せて感慨深いです。
3作連続でおかん属性のヒロインですね。初期設定では先輩だったのですが、マジモンのおかん(義理)になりました。もうちょっと子供っぽいギャップを書きたかったです。
山葉……友人その1。皐月と同じく温めてたキャラの一人です。その割に5月編以降はあんまり出番がないですね……こういったクールキャラは書きやすくてお気に入りです。
三井……友人その2。構想にはなかったのですが、遠足編でもうひとりネームドキャラがいたほうがいいなと思って急遽作りました。
今までの作品ではあんまり友人キャラが出てこなかったので、今作ではちゃんとキャラを立たそうと決めていました。結果的には動かしやすい子になったと思います。
西園寺先生……温めてたキャラの一人です。担任という設定上、もう少し動かしてもよかったかなと。校内の描写に割くと彰子と皐月の接点が減ってしまうので、必然的に出番が減ってしまいましたね……
本田先生……三井さん同様構想にはなかったのですが、いろいろあって重要な立ち位置の人となりました。報われないポジションのため、デート編は書いてて胸が痛みました。ごめん。
さすがに失恋したままでは後味が悪いので、EDでは救いがある形で出そうと決めていました。いずれ特別編で救済ルートを書きたいです。
伊鈴アスカ……こういった主人公の悪友的ポジションは書いてて楽しかったです。この子ももう少し出したかったですね。
・今回の謎こだわり
登場人物の名前は自動車メーカーと車名から取っております。
光岡自動車、日野自動車、富山日産自動車、ヤマハ発動機、三井精機工業、サイオン、本田技研工業、マツダ、いすゞアスカ、光岡・レイ、淀川製作所……で全部だったかなと。車にこだわった意味は特にないです。
・ボツネタ一覧↓
・彰子が遊び慣れしていた→作風に合わないのでボツ
・皐月が合法ロリ設定だった→犯罪臭半端ないのでボツ
・彰子と皐月は里親と里子ではなく実子と里子だった→話広げられないのでボツ
・DBの設定がもっとディストピアだった→メリバ不可避なのでボツ
・アスカが多重人格設定だった→作風に以下略
・SF(すこしふしだら)路線になる予定だった→作風に以下略
・反省点
・性描写タグあるわりにぬるい
・あんまりサブキャラ活かせてない
・男性キャラが今作では空気
・深夜まで書くんじゃない
性描写はボツネタにもある通り、彰子が手頃なモブ女子とアレでアレするという構想があったため初期から入れる予定でしたがお流れになりました。
皐月との関係的に『いや犯罪じゃん……』って我に帰ってしまってどうしてもあっさりした描写に留まってしまったといいますか。
最後の反省点は己への戒めです。もう2徹当たり前だった学生じゃないんだから計画性をもって書きなさい。
・次回作について
構想はありますが、公開はちょっと先になりそうです。殺伐百合か日常系百合かで迷ってます。あとはまた、今作や過去作の番外編をちょくちょく書いてるかなと。
・おわりに
たくさんの応援ありがとうございました。
それではまたいつか、次の更新でお会いしましょう。