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『ファンブル』カーテンコール『イネスは結婚について語った』とエメのこと

カーテンコール一話目『イネスは結婚について語った』を更新しました。

エメの恋愛観というか結婚観については、本編のどこかに入れておきたかったなと思っていたのですが、別に恋愛テーマの話でもないから入れなくても良いかと思って切り捨てました。

イネスとラウルの関係についてもどこかでにおわせておきたかったのですが、第一章が目一杯すぎて余裕がありませんでした。

それらをまとめた話です。

エルヴェのパーティに入った頃のエメは、自信がなくて自己肯定感が低くてネガティブの塊みたいになっていたので、この話のイネスみたいに話していてちょっとイラっとされることもあっただろうなと思います。
エルヴェはそういうエメを見て逆に「俺が守ってあげなきゃ優しくしてあげなきゃ」って思ってしまったのでしょう。きっと。



ここから少しエメの話。

『ファンブル』を最初に書き出したとき、今の「第一章」を二話くらいに詰め込んだ話を書いてました。
二話目の最後にグリモワールが登場するようなテンポでした。

でも、それがうまくいかなかったのですよね。
一話目でエメが冒険者になって最初の探索で「もう何もしないで」って言われて、二話目でエルヴェのパーティから出てくことになって、三話目でグリモワールと契約する。ロラもいませんでした。
今よりもずっとスピーディです。でも、しっくりきていませんでした。
そこまでの文章を読み返して、フロランとのやり取り(今だと七話終わりのところですね)のくだりで、「エメがこんなに意固地になって冒険者をやりたいって言ってる意味がわからん」「エルヴェのパーティもどう見ても胡散臭く見えるしフロランの心配ももっともだ」ってなってしまったので、一回全部捨てて書き直すことにしました。

その時に、この話は朝の連続テレビ小説だなと思いました。いわゆる朝ドラです。
主人公が好きなものに出会って、それを追いかけて、自立して生きていく話だと。
異世界朝ドラです。
前半は特に、朝ドラでよく見る展開を意識して書きました。子供時代から始まって、不意に成長後にバトンタッチしていく感じとか。

書き直したプロローグと第一章は当初の予定よりもずっと文章量が増えましたが、でも最初に書いたものよりもずっと、世界の形が見えてきたような気がしました。



というわけで、この話は、「自由」も「選択」も知らなかったエメが、憧れを胸に、いろんなものに流されながらも最後にはやりたいことを見付ける話です。
エメは、そういう主人公でした。
(にしても、流されまくりでしたけど)

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