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東京文学フリマ(イ-66)で作品を頒布します

 ブログに書いててすっかりこっちへ書くのを忘れてました。
 今月行われる東京文学フリマで、『生徒会の相談役』シリーズ最新作を頒布します。
 なお、本作の頒布に先立って、『生徒会の相談役 三つの恋文』内でおまけの短編を公開します。短編は本作中のとある時系列で、ヒロインなのにあまり活躍の機会のなかった葡萄ヶ崎伊利亜に焦点を当てたものです。

 今回東京文フリで頒布する作品は『密教室事件』というタイトル。『生徒会の相談役』と対になる『彼には不釣り合いな冒険』とドッキングした作品になります。

 上等高校、ひいては本作の舞台となる世界には某大人気推理漫画よろしく「高校生探偵」が存在しています。それがに登場する主人公猫目石瓦礫(ねこめいしがれき)。今回頒布する作品は彼が探偵としてデビューするきっかけとなるオリジン、いわば『緋色の研究』的な事件にかかわるものです。

 密教室事件。それは各々の作中でも語られていることですが改めて紹介しましょう。
 雪垣と瓦礫、そして瓦礫側の作中のヒロインである夜島帳(よるしまとばり)たちが通っていた豊穣小学校で、彼らの同級生が遺体となって発見されるという事件が発生します。遺体の発見場所はその同級生の教室。喉元にカッターナイフが突き立てられている状態でした。
 当時小学生探偵として名をはせていた帳の従姉妹、夜島錦はこの事件をすぐさま殺人と断定。大勢の警察官を巻き込んだ捜査を行いますが、当時の教室は密室状態となっており、彼女はその密室を崩すことができませんでした。
 そんな折、錦の助手として動いていた瓦礫は独自に事件を調べ、被害者の「遺書」を見つけてしまいます。こうして事件は自殺という結論で落ち着き、事件を解決できなかった錦は行方をくらまし、探偵の座には瓦礫がつくことになります。

 本作のきっかけは瓦礫の妹である木野哀歌(きのあいか)の元へ、被害者の妹が相談を持ち込んだことでした。妹は兄が、自殺をするはずがないから事件を再捜査してほしいといいます。
 ここで、哀歌は岐路に立たされます。
 一度事件を自殺として解決し、そのことで被害者の妹から恨みに近い感情を持たれているものの、探偵として信頼している兄の猫目石瓦礫に再捜査を依頼するか。
 それとも、そうしたしがらみがない上等高校の相談役、しかし自身にまつわる「ある疑惑」があり、哀歌にとって探偵としての能力も未知数の先輩紫崎雪垣に再捜査を依頼するか。

 本作は、哀歌がどちらへ依頼を持ち込むかの選択によってストーリーが2つのパターンに分かれる仕様になっています。当然、探偵と相談役は同じ事件に向き合いますが、推理の過程も、前提も、背景も異なる2人が同じ結論を出すとは限りません。
 2人がどのような結論を下すのかは、ぜひご自身の目で確かめてみてください。配置は記事タイトルにあるように、イ-66です。

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