• 現代ドラマ

ChatGPTと小説の親和性について。15万字生成してみての感想とAI利用のコツ。

「妹の代わりに大学生活を送るのは苦しい」
https://kakuyomu.jp/works/16818093085284673443
を読んでくださっている方、ありがとうございます。

公開話数が20話を越え、作品フォローしてくれてる方もいるため少しだけ裏話を出しておこうと思っています。
ちなみに、すでに完結する109話まで作成しきって予約投稿しています。

概要でも触れている通り、この作品は全体の約9割をChatGPTに頼って生成・執筆しています(この近況ノートは、全文本人が書いてます)。
メインストーリーの流れや主人公格の設定は私が行なっていますし、AIが書いたものも一通りチェックしています。必要に応じて修正を行なっていますが、大筋はAIが考えたものを採用しています。

私自身、小説の執筆経験がほぼないので荒い部分はあると思いますが、割と癖が反映された内容にはできたと思ってますので、同志がいてくれると大変嬉しいです。


さて、ここからが本題です。


ChatGPTなど「生成AIが小説を書けるのか」という点が度々話題にあがることがあります。ほんの一年くらい前のAIでは、小説に使うのは難しいだろうという意見が強かった印象があり、私もその意見に同意でした。
ストーリーや設定の一貫性を保つことを苦手としていましたし、生成される文章もどこか不自然なところがあります。

しかし、最近のGPT-4oやClaude Sonnet 3.5といったAIは、そこが大きく改善されてきています。自然な文章で、下手な日本人が書く文章よりも読みやすい内容が書かれるようになっています。
本作、「妹の代わりに大学生活を送るのは苦しい」においては、主人公「智也」が妹の「彩香」に扮するという特殊な状況下にも関わらず、AIは「彩香に扮した智也」を理解しているかのように文章を生成してくれます。これには本当に驚きました。
ザッピングと呼ばれる、文章の視点を別の登場人物に変える手法もこの後の話で登場しますが、その点も割と柔軟に反映してくれています。

とはいえ、うまく反映されないこともあり、手放しに利用できるレベルでもありません。
一人称がブレてしまったり、文体が変わったりなどすることはそれなりにあります。
ChatGPTはサボる癖があるので、1話1500文字くらいを目標にしてますが勝手に短い文章になってしまうことも少なくありません。
こういったところはAIへの指示を変えたり、リテイクすることで改善してきました。
どうしても納得がいかない時は、一部を書き換えたり書き足したりもしました。

そういった手間はかかりますが、ものの数日で109話、トータルで15万字くらいの作品が書けるのは驚異的ではないでしょうか。
本当にすごい時代になりました。


続いて、ChatGPTを活用する際のコツについても触れておきます。


ChatGPTで小説・・・フィクションの物語を作成するのはある1要素が邪魔をすることがあります。ChatGPTの倫理フィルターです。ChatGPTなどの生成AIは法を犯す内容や、倫理上問題がある内容、性的な要素を含む内容などが基本的にNGです。

本作においても、智也が女性の下着を身につけるシーンが序盤にありますが、最初はそれすらもChatGPTにNGを喰らってしまいました。いくつか対策をし、いろいろ試行錯誤の上で解決しています。

例えば、未成年に対する保護は強いようだったので、舞台を高校から大学に変更しています。また、登場人物がそうせざるをえない状況にすることも重要です。
妹が海外留学する、その妹に強制されて女装をしなければならなくなる、などが該当します。この点は、女性から男性への指示だったこと通りやすかった理由だと思います。女尊男卑。
指示をする際、直接行動を表現せず、比喩表現や擬音を用いると通る場合もあります。試す中で、闇に葬った智也が闇堕ちするヤバめの世界線もいくつかあります。

ほかにも、人類滅亡のような危機的状況など、登場人物の命に関わる状況を作ってあげると無茶を通しやすい傾向がありました。その場合も一発で状況を作らず、徐々に登場人物を危機的な状況のおいていくことが重要です。参考にしてみて下さい。

なお、倫理フィルターにひっかかるかどうかのギリギリを攻めると、ChatGPTから文を消されたり、最悪アカウントBANされる危険性もあります。利用は自己責任で行なってください。


最後に余談ですが、ChatGPT Searchという強力なウェブ検索機能がChatGPTに搭載され、最新の情報が反映しやすくなりました。
例えば、最近のアニメのあらすじや登場人物の設定、外見、口調などを調べさせて、その後で二次創作小説を書かせると結構いい感じの妄想小説を作ることもできました。
口調やキャラクター同士の呼び名などはうまくインプットしないと違和感はでてしまいますが、うまく扱うとマイナー作品の二次創作にも使えるのでぜひ試してみてください。


以上、参考になれば幸いです。

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