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杜若狐雨

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  • 17時間前

    コーヒー論

    コーヒーについては、以前にも近況ノートで書いた気がするのですが、何をどの程度書いたか覚えてないので、ざっくばらんに書かせて頂こうと思います。 コーヒーは紅茶以上に、産地やブランド価値が露骨です。栽培に適した土地や気候だけでなく、品種やその後の加工も含めて膨大なバリエーションがあるためです。当然、紅茶同様に偽物を扱う人が多いです。違いとしては、紅茶は出荷元が嘘を吐くのに対して、コーヒーは末端の販売業者が嘘を吐いていることが多い気がします。 まずはそんなブランド理解の基礎として、品種から。 最低限、アラビカ種とロブスタ種(学術的な正式名称はカネフォラ種ですが、コーヒー界隈ではロブスタ種と呼ばれる)の違いくらいはわかっておくべきかと思います。アラビカ種は高級品、ロブスタ種は缶コーヒー用みたいなイメージでおっけー。このアラビカ種の中には優に100を超える品種があり、その単独種による商品もあれば、複数種を混ぜ合わせた商品もあります。 以下はアラビカ種に絞って書きますが、栽培に適した気候と立地は限られています。雨量が多く、標高が高く、水捌けがよいなどの条件が必要。地域別に言うと、 中米(パナマ・ジャマイカ・グァテマラ・エルサルバドル・ホンジュラス・コスタリカ等) 南米(ブラジル=世界最大のコーヒー生産国・ボリビア・ペルー・コロンビア等) 東南アジア(中国雲南省・インドネシア・パプアニューギニア・タイ等) 中東(イエメン=中世世界から現代に連なるコーヒーの起源国) アフリカ(ケニア・タンザニア・エチオピア=植物としてのコーヒーの原産国・ルワンダ等) の5地区が大雑把な分類かと思います。あとはハワイとかもありますけどね。 この5地区だけでも、味に大雑把な傾向があります。まあ、ペルーのコーヒーは中米に近かったり、エチオピアのコーヒーは中東に近かったりしますけど、それは地図見てもらえればおわかり頂けるかと。育てられている品種にも、ある程度の偏りがあります(国策で優先的に育てている品種が違ったりします)。で、そのうち何となく、「このコーヒーはこの地区っぽい」みたいのがわかるようになってきます。たとえば、コーヒーチェーン店がよく出すブレンドは、ブラジルっぽいことが多いですね。 この素材の地区傾向を決定づけているもののひとつが、豆の精製方法です。天候とか水源とか、発酵に使える微生物の種類とかで、出来ることがある程度決まってくるんですね。詳しくは書きませんが、ナチュラル精製、ハニー精製、ウォッシュト精製、スマトラ精製などが有名です。最近は嫌気発酵(アナエアロビック)と呼ばれる方法や、酵母を使った方法も盛んになっているようです。そして、仮に同じ農園が同じ木で収穫した豆を使っていても、これらの精製法で味も香りも激変します。売る方もそれをわかっているので、別の商品として売り出しています。 独自規格もあります。豆の大きさを選別し、欠点のあるものを除去し、更には味見をするところまであるようですね。ブルーマウンテンに「No.1」とか「No.2」とか書かれているのは、この独自規格内でのグレードを示しています。(同じNo.制度でも、ブラジルだと「農作物に完璧はない」という考えからNo.2が最上位だったりするのでややこしいです。最上位グレードひとつとっても、AAAとかSHBとかESHPとか国によって名称は異なり、完全に各国の独自規格で運営されてます) 焙煎方式は、ひょっとしたら生豆の品質以上に大きな差を生み出すかもしれません。熱風式・半熱風式・直火式・炭火式などの区分けのことで、それぞれ風味に特徴があります。また、必要な技術にも差があります。素人でもボタンひとつで操作できる焙煎もあれば、プロ中のプロみたいな人が徹底的にカスタマイズしないと真価を発揮できない焙煎もあります。 ただ、こうした事実は客に理解されません。焙煎方式にこだわったところで、宣伝効果は期待できないのです。そのため、焙煎方式に関しては、大抵のショップでは触れられることすらなく、豆が店頭に並びます。代わりに、色の違いで一目瞭然な「浅煎り」だの「深煎り」だのが前面に押し出されるわけですね。あれは各店舗が(自社の焙煎方法に基づいて)「この豆に一番適した焙煎はコレだ」というのを売り出しているわけですよ。 浅い方から順に、ライト→シナモン→ミディアム→ハイ→シティ→フルシティ→フレンチ→イタリアンなどと呼ばれます(他の分類もあります)。焙煎=加熱処理においては、火を沢山通すほど最終生成物は同じところに収束していきますので、差がつきやすいのは浅い方。従って、お高い豆ほど浅いところで勝負するのが普通です。最高級のゲイシャはミディアムかハイくらいまでの火入れで煎り止めするのが鉄則ですし、逆にスマトラのマンデリンなんかはフルシティ以上にガッツリ火入れをしないと真価を発揮できないなどの不文律があります。 焙煎された豆は、すぐに飲んではいけません。最低でも2日間、長いときは半月とか熟成させねばならないこともあります。恐ろしいことに、1日単位で味が変わってしまうからです。(旨味成分が最大に達するのは焙煎から48時間後だとか何とか) 理屈上わかりやすいのは二酸化炭素でしょうか。焙煎直後の豆は内部に大量の二酸化炭素を抱え込んでおり、これが抽出(お湯の浸透)の邪魔をして必ずぼやけた味になります。この二酸化炭素の発生量やガスが抜けるスピードは、明らかに浅煎り豆の方が少ない上に速く・・・浅煎り豆にお湯を注いでもそこまでモコモコ泡立ちませんが、深煎り豆にお湯を注ぐと豆が膨らむのはまさにこのためなのでして・・・豆の味がピークに達するのは浅煎り豆で2~10日(豆によって異なる)、深煎りだと5~20日(大抵は7~15日)という印象です。あくまで経験則ですけどね。 すなわち、焙煎後の豆は(茶葉と違って)品質を長期的に安定させることができません。ましてや挽いてしまったら、せいぜい数時間しかもちません。どうしてもその状態でキープしたければ、不活化ガス(ヘリウムとかアルゴンとか)を封入しておくとか、エージレスみたいなもので酸素を奪うなどするしかないのでしょうが、豆の内部で発生する化学反応まで止めることは不可能ですので、やはり劣化は避けられません(強いて言えば、不活化ガス封入+冷凍までやればいけるかも)。生豆の状態なら、温度管理さえちゃんとしてやれば年単位でももちますが、焙煎後は急速にピークがやってきて、間を置かずに劣化します。 これを裏返すと、チェーン店などの「味を一定に保つ」ことが大事な仕事では、焙煎は深煎りに寄せる方がよいということになります。浅煎りはちょっとしたことで仕上がりに差が出ますが、深煎りは割と簡単に同じ仕上がりを作れる上に、浅煎りよりは日持ちするからです。アイスコーヒーとかカフェオレに使われるのも深煎りで、これは冷たいほど苦味が際立ったり、クリームと苦味がいい塩梅に作用してまろやかさが増したりするからだと言えます。(この典型がスターバックス) 素材の話は以上として、次は抽出。 抽出にも色んな方法があります。王道のドリップだけでも、紙フィルター・ネルフィルター・金属フィルターとあって、紙フィルターひとつとっても漂白だとか無漂白だとか、円錐型だとか台形型だとかウェーブ型だとか種類があります。ちなみに、ゲイシャは香りが命のコーヒー豆ですが、紙フィルターは香りの主成分が溶け込んでいるオイルを吸着してしまうので、「ゲイシャに紙フィルターなどのもってのほか」などと言われます。 ドリップ以外では、サイフォン(コーヒーメーカー)とかフレンチプレスといった淹れ方もありますね。あとは(専用の抽出器具・専用の豆挽き機が必要になりますが)エスプレッソも独自の路線を貫いてます。当然、これらすべてで味が変わります。特にエスプレッソは完全に別の飲み物です。 紅茶に比べて差が出にくいのは、水質でしょうか。もともとの味と香りが強いので、紅茶や緑茶ほど神経質になる必要はない気がします。しかし、湯温にはめちゃくちゃシビアに反応します。個人的な経験ですが、93℃以上のお湯を使うと、どんな豆でも風味が死にますね。85℃で変な臭みが出ている豆を90℃に変えた途端臭みが消えたとか、逆に90℃でバランスの崩壊していた豆を85℃に変えた途端バランスが整ったとか、そんなのばっかりです。 お湯を注ぐスピードも影響します。というのは、序盤には酸味が出やすくて、後になるほど苦味が出やすいなどの傾向があるから。抽出成分によって、お湯に溶け出してくるスピードが違うので、こういうことが起こります。(酸味成分は比較的分子量の小さい酸性物質=水溶性物質であるのに対して、苦味成分はより分子量の大きい油溶性物質だったりすることが多いからだと思われます) そして、抽出の核心となるもうひとつの要素が、豆の挽き方。粗挽きにするか細挽きにするかで、これまた当然のように差が出ます。粗挽きだと表面積が小さい(お湯が豆の内部に浸透するのに時間がかかる)ので、素早く溶け出てくる酸味とじっくり溶け出てくる苦味の差が大きくなります。細挽きだと表面積が大きくなって(お湯が内部にすぐ浸透するので)、両方一気に溶け出してくる感じです。このため、スッキリした味が好きな人は粗挽きで、コッテリした味が好きな人は細挽きでといった具合に差をつけることになります。当たり前ですが、豆の特性や焙煎具合によって、最適な挽き方は変わってきます。 というわけで、コーヒー沼も深いよというお話でした。紅茶とどっちが厄介かと問われると、その人の性格とかにもよるんじゃないですかとしか言えませんが・・・前回のコメント欄に「食べ物なしで単体で楽しむこともあるのが、日本茶とコーヒーです」と頂いた通り、日本茶とコーヒーは単体でも飲める完成度の高い飲み物であるのに対し、紅茶はどうしても(その強すぎる渋みゆえに)お茶請けがほしくなる飲み物だということは、知っておいた方が良いかもしれませんね。私自身、紅茶離れを起こした理由のひとつは、どうやっても渋みの完全除去はできないという困難に直面したからでしたし。(なお、苦味と渋みは別のものです。念のため) ともあれ、コーヒーほどカスタマイズ性の高い飲み物はそうないということが伝わっていれば幸いです。そのせいで、私は気に入った豆を最低3kg買う羽目に陥ってるんですけどね。1kg程度では、試行錯誤しているうちに終わっちゃうんです。納得のいく焙煎方法が見つかるまでに、2kgくらい無駄になっちゃうこともあります。 あ・・・豆の保管方法とかもあったけど・・・もういいや。
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  • 1日前

    紅茶論

    前回も書きましたが、日々のお供にするお茶は、ティーバッグで十分だというのが私の考えです。では、ちゃんとした茶葉を使うと一体何が起こるのか、今回はそれについて語らせて頂きます。ちなみに、内容的にはお茶全般について言えることだと思いますが、私が一番丁寧に掘り下げたのは紅茶なので、今回は紅茶メインで進めさせて頂きます。その辺は御容赦下さいませ。 え~・・・紅茶ね。結構奥深いんですよ。 まず絶対に押さえておかないといけないポイントは、発酵茶だということ。緑茶を発酵させて作るのが紅茶です。(完全発酵の手前で止めると烏龍茶になったりします) で、発酵というプロセスが入るせいで、名称とその意味が非常にややこしいんです。ダージリンとかスリランカとかは栽培地による分類なんですが、その土地に固有の製法(発酵プロセス)があったりするので、単に栽培地が違うだけではないんですね。産地に対するブランド価値が(悪い意味で)発生しやすいのです。 そして、そのせいで緑茶などとは比べものにならないほど「偽物」が横行しています。ダージリンなんかだと、その年の収穫量の3~4倍以上が市場に出回っていたりしますから。本物を手に入れるだけでも一苦労なのですよ。 また、お茶なので、収穫時期によっても味が変わります。春摘みのファーストフラッシュ、夏摘みのセカンドフラッシュ、秋摘みのオータムナルフラッシュが基本ですが、他にもモンスーンフラッシュと呼ばれるものがあったり、ニルギリだと1月から収穫してたりしますね。 ちなみに、世間では(特にダージリンだと)セカンドフラッシュが最高級とか言われることが多いみたいですが、個人的にはファーストフラッシュの方が華やかな香りで好きですね。オータムナルはよくも悪くもクセが強いと言いますか、いわゆる「深みのある味と香り」になります。すべてにおいて「濃く」なる印象。 ここに抽出技術が加わります。水質と温度管理、蒸らし時間に注ぎ方、どれかひとつをちょろっと変えるだけで、味も香りも激変します。ミネラルウォーターを例にとるなら、南アルプスの天然水と富士山の水と六甲の水とで、すべて味が変わるんです。端的に言えば、甘みの出方が変わりますので、割と誰でもわかっちゃうんじゃないかなってレベルの違いが出ますよ。また、硬水を使うと雑味(渋み)を減らせますが、味も全体的に薄くなります。モンスーンフラッシュだと味が濃すぎるから、硬水で薄めてやろうみたいな感じで、茶葉のポテンシャルを探っていかねばなりません。 私は最終的に、超硬水とミネラルウォーターのブレンド水で淹れるところまで突き進んでしまい・・・あるときふと我に返りました。アホです。こんなのアホの極みです。(参考までに、市販のミネラルウォーターだと、六甲のおいしい水あたりが使いやすかったですね。あと、今は販売されてませんが、ボルヴィックは紅茶の甘さを引き出す最適解でございました) というわけで、産地・発酵法・収穫時期によってだけでなく、その年の天候によっても大きく味が変化する。で、「その年のその茶葉」に対して、一番合った抽出方法を見つけ出すところまでが、よくも悪くも楽しめるポイント。趣味性が非常に高いんですよ。これがイヤだったら、大人しくティーバッグにしときましょう。365日、安定して同じ味が手に入りますし、年をまたいでも味が変わりません。この安定性に対するメーカーの努力は称賛されるべきだと思ってます。 ちなみに私自身、紅茶は茶葉で淹れる派なんですが、最近は面倒くさくてやってません。手元にある茶葉を飲みきったら、もう茶葉を買い足すことはなくて、ティーバッグに移行しちゃうと思います。 で、ここまでは素材型の紅茶の話なんですが、それとは別にフレーバーティーと呼ばれる一群があります。アールグレイはベルガモットのフレーバーティーですし、アップルティーもこの一種。これらは茶葉そのものに香りづけされていることがほとんどですが(つまりは玄米茶に近い)、レモンティーは自宅でも簡単にできるフレーバーティーと言ってよいでしょう。他にも桃で香りづけしたり、薔薇で香りづけしたり、バニラで香りづけしたりと色々な香りが広く認められてます。 ただ、素材型の紅茶をある程度極めてしまった(当時の)私の感覚から言わせて頂くとですね、フレーバーティーっていかにも「卑怯」なんですよ。ついでに言えば、砂糖を加えるのも卑怯な気がする。最高の茶葉を見つけてきて、その茶葉のポテンシャルを100%引き出すところにこそ紅茶道の真髄があるって気がして、香りや甘みを後付けするという行為が「反則」に見えちゃったんです。同じ理由で、レモンティーやアップルティーなんて「邪道」だろうなんて考え方に陥ってしまったり。こうして自ら紅茶の可能性を狭めてしまい、紅茶が純粋に楽しめなくなる。ちょっと冷静に考えればわかりますが、こんなのただの縛りプレイに過ぎません。偶然の産物をありがたがっているだけ。ドMかな? こんなヒネクレた経緯を経て、フレーバーティーに行くくらいならいっそハーブティーの方が清々しいじゃんって感覚になってしまったのが、現在の私ってことになります。ハーブティーなら味と香りを一から調合してますからね。それ自体が、ひとつの道として成立しているわけですよ。品質も常に安定してますし、紅茶みたいに季節だの産地だのに縛られることもない。ただ、ちょいとばかりお高い。 かくして、最近の私は紅茶離れを起こしてしまい、その趣味性の高さはコーヒーに全振りされました。緑茶ではその反省をいかして、ティーバッグですませておこうモードに入ったわけでございます。はい。
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  • 2日前

    茶葉とティーバッグ、ついでにコーヒー

    前回の補足です。 茶葉とティーバッグに一長一短があることは明白ですが、それについて思うところを書いてみます。 茶葉のメリット ・単価が下がる ・味がよい 茶葉のデメリット ・抽出が面倒 ・味がばらつく ティーバッグのメリット ・抽出が楽 ・味が均一 ティーバッグのデメリット ・単価が上がる ・味に期待はできない まあ、見ての通り表裏一体ですね。 ここで最初に考えておきたいのが、単価問題です。ティーバッグの単価が高いと言っても、ペットボトルに比べれば断然安いんですよ。なので、ここはあまり気にしなくてよいのではないかというのが、個人的な意見です。 むしろ、ここで掘り下げておくべきは、味のばらつきとか抽出の楽さといったファクターが、実はメリットにもデメリットにも分類されうるということ。ティーバッグにかけられているコストを浮かせて、その分高級な茶葉を購入したとすると、今度はその良さを活かすのに手間が格段に増えるんですね。知識や抽出技術だけでなく、洗い物も増えちゃいます。日々の作業のお供としては、そういうことまできっちり考えておいた方がいい。 というわけで、もう言うまでもないと思いますが、高級で美味しいものというのは、それだけ技術介入度も上がっちゃうんです。そこに趣味性があるとも言えますが、お金を出して買えるのは、あくまでポテンシャルであって、味そのものじゃないんですわ。最高のステーキ肉を買ってきても、上手に焼く技術がなければ台無しになっちゃうのと一緒。高級茶葉を選ぶということは、その面倒を引き受ける責任が生じることと不可分です。(高級茶葉を手に入れて熱湯をドバドバ注ぐような人は、さすがに生産者さんに失礼だと思います) 一方、味が均一であるということは、趣味性が低いことの裏返しです。丁寧に淹れても雑に淹れても、そんなに極端な差が出ない。それをつまらない(あるいは美味しくない)と思うか、それともお手軽でそこそこの味が確保されていると思うか。私は(お茶に関しては)後者だと見ます。すなわち、これはティーバッグ茶の長所です。 ところが、これがコーヒーになると、事態が一変してしまう。インスタントコーヒーとか、大量生産の粉末コーヒーとか、不味すぎて飲めたもんじゃないんですよ。ここがティーバッグ茶葉とは決定的に違うところ。ティーバッグはですね、中味が粉末茶葉だったり規格漏れの寄せ集めだったりするかもしれませんが、味も香りもそこまで飛んでないんです。許容範囲に収まってくれてるんです。しかし、コーヒーはですね・・・油脂成分や揮発成分が多いので、劣化具合が半端ない。なので私は、コーヒーには手間をかけ、お茶には手間をかけないという選択をしているわけです。はい。 ついでに言うと、安物のコーヒー豆とかインスタントコーヒーってのは、健康的にもかなりヤバい代物です。これね、自分で生豆買ってみないとわからないかもしれません。 画像の豆は、私が買った生豆に含まれていた欠点豆というやつですが、御覧の通りカビてます。小さな穴が開いているのは、カメムシなんかの仲間が汁を吸った跡でして、ここからも雑菌が入り込んで、内部はカビが繁殖してます(豆を切断して断面を見るとわかります)。で、カビ毒ってのは熱でも破壊できないんで、焙煎したところで消えません。 さて、ちょっと想像してみて下さい。生豆なら発見できるこうしたカビ豆ですが、焙煎した後に発見できるとお思いですか? 不可能ですよ。全部茶色に塗りつぶされちゃいますからね。 私がコーヒーだけは生豆買ってきて、自分で焙煎しているのは、こういう事情があるからです。焙煎前に、必ず数分かけて豆の観察を行います。もちろん、良心的なコーヒー店は、こうした欠点豆の除去(ハンドピックと言います)をもの凄く丁寧にやってくれます。しかし、これは仕入れた豆の歩留まりが落ちることを意味しており、お店にとってはやればやるほど(人件費的にも材料費的にも)損しか出ない作業なのですわ。なので、ここに力を注ぐのは、コーヒーを愛している証。そして、そういう良心的な店はほとんどすべてが個人経営なのでして・・・以下略。 以上総合すると ・コーヒーの安物は味も安全性も怖すぎる ・茶葉は趣味性の低い安物であっても、それ自体を長所と見ることができる という違いがあることになり、茶葉をティーバッグにて済ませているって感じになってます。 前回、緑茶のティーバッグは許せないみたいなことを書きましたけど、安物のコーヒーと緑茶のティーバッグの比較であれば、私は迷うことなくティーバッグを選びます。ただ、玄米茶やほうじ茶もある中で、しいて純粋な緑茶を選ぶ理由が見当たらないってだけ。 なお、緑茶の真価を味わいたいなら、お茶点てセットが必要になるんじゃないかと思います。きっちり温度管理された玉露や、丁寧に点てられた抹茶は、それはそれは素晴しいものです。一度でも味わってしまった人が、はまってしまうのは理解できます。 もっとも、価格が半端ない。茶葉の一番いいところだけを選別しますからね。たとえば抹茶の高級品って20gで5000円とか10000円とかするんですけど、一杯点てるのに2g使うんですね。つまり、一杯500円とか1000円とかいう狂った世界。注ぐお湯の量は70ccとかそこらへん。味は最高だけど、作業のお供には不向きです。はい。 ま、コーヒーの世界でも狂った商品はありまして、今年の最高額をつけたあるオークションロットの豆は、1kgで240万円の値がついたそうです。生豆1kgだと・・・250ccくらいのコーヒーが50杯ってところでしょうか。卸価格で1杯約5万円(つまり缶コーヒー1本5万円のイメージ)・・・一般消費価格だといくらになるんでしょうね、これ。おそらくワインより高いぞ、と。 前回、コストで競争に負けたと書いたハーブティーが、なんだか急に安く感じられてきました。(笑) (おまけ) 各飲み物のコストを大雑把に書いておきます。 ・ティーバッグ(私が普段買っているもの)・・・20パックで300円とか400円とか(1杯15円~20円。二番煎じを許せば更にお得) ・ハーブティー50g(15~20杯分)で1500円~2000円(1杯100円前後) ・紅茶・・・ハーブティーと似たような価格(もうちょっと安いかも) ・コーヒー・・・1kgで2500円~4000円(上記計算に従えば1杯50円~100円。ただし焙煎のガス代とかフィルターとかコーヒーミルで、別のコストが必要になります) こうしてみると、ティーバッグは決して高くないことがよくわかります。 なお麦茶。(1Lくらい作れるのが50袋入って300円もしないという価格破壊魔王)
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  • 3日前

    作業のお供飲料論

    作業のお供に使う飲み物は色々あります。趣味性の高いものだとコーヒー、紅茶、ハーブティー、玉露、自家製野菜ジュース等々。実用性重視でプロテイン飲料やクエン酸水なんて人もいらっしゃると思いますし、手軽さ重視で水、麦茶あたりを重宝している方もいらっしゃるかもしれません。今回はそんな飲み物の中から、作業のお供として生き残った我が家のツワモノたちについて、経験則を語ろうと思います。(なお、異論は大いに認めます) まず我が家では ・コーヒー ・紅茶 ・市販品の野菜ジュース ・市販品の炭酸飲料 ・ミネラルウォーター ・ハーブティー ・麦茶 ・ティーバッグ玄米茶 ・ティーバッグほうじ茶 ・カルピス原液 ・クエン酸 あたりが常備品となってます。梅昆布茶とかもあったかな。 これらの常備品も、今となっては明暗がはっきり分かれました。その生存競争の初期段階では、糖分過剰組が脱落。野菜ジュース、炭酸飲料、カルピスといったラインナップです。これらは年に一度飲むかどうかみたいになってしまいましたね。 次に紅茶。これは抽出が割と面倒臭い(水質や湯温管理や抽出時間やジャンピングの影響を露骨に反映してしまう)ことと、単独で飲むより甘いものと合わせたくなってしまうといった性質により脱落。ティーバッグ紅茶はお手軽でいいのですが、ちゃんとした紅茶を知ってしまうと、敢えて選ぶ理由が見当たりませんでした。 ハーブティーはね・・・美味しいんですよ。人工的な華やかさではあるんですが、それが魅力。ただ、コスト的に割に合わない印象があり敗北しました。というのは、味も香りも強いので、一種類だけだと飽きがきやすく、数種類は揃えておきたいタイプの飲料なんですよね。その日の気分によってあれこれ変えるという楽しみ方をするものだと思います。そこで引っかかってしまうのが、保存がききにくいという地味な弱点。常温保存より冷蔵庫の方がよいのですが、冷蔵庫って他の食品のニオイが移りやすいので、管理が難しいんですね。数種類のフレーバーを同時に開封しても適切に保管ができて、しかも香りが飛んでしまう前に飲みきれるって人にはお勧め。普段飲まないようなフレーバーでも、時々思い出したように飲みたくなるので、謎の中毒性があると思います。 ティーバッグ緑茶。これね・・・こう言ってはなんですが、所詮はティーバッグ。紅茶のティーバッグ以上に許せんのですわ。緑茶ってのは茶葉を乾燥させただけのもの。素材がすべてを決めてしまいます。鮮度の劣る刺身が美味しくないように、ティーバッグでは逆立ちしても高級玉露にはなれんのですよ。それなら紅茶・玄米茶・ほうじ茶のように、後付けで香りを追加した方がよくね?と思ってしまいます。(なお、寿司とか和食とかに合わせるのであれば、高級玉露よりもティーバッグ緑茶の方が断然上です。っていうか、高級玉露ってピーク性能は素晴しいのですが、その性能をフルに引き出せる場面は多くありませんので、高額だから美味しいと思いこむのは危険です) 麦茶は何といいますか、夏場に冷蔵庫で大量保管するイメージです。味も香りも保管性もコスパも悪くないのですが、作業のお供というよりは、水分補給源として大量消費に適している印象ですね。 というわけで生き残ったのが、手軽さ重視のティーバッグ玄米茶とティーバッグほうじ茶、そして趣味性と味の強さでコーヒーになります。これが我が家における現在の三強。 ここで当然の疑問が出てくることでしょう。玄米茶とほうじ茶、どっちかひとつじゃあかんのか? 個人的な見解ですが、値段が同じなら両方揃えといた方がいいよ、となります。極端な価格差があるのなら、安い方だけでいいと思いますけど。 なぜか。一長一短あるからです。 味と香りについて見た場合、 ・一杯だけ飲むなら玄米茶の方が美味しい(甘さ、香りともにほうじ茶より上) ・二杯、三杯と抽出するならほうじ茶の方が美味しい 玄米茶って、一杯目の抽出で全部出尽くしちゃう感じがあります。二杯目以降はいわゆる出涸らし。これに対して最初から火が入っているほうじ茶は、二杯目以降の味と香りの劣化が少ないように思います。けど、純粋に飲み物としての味と香りを評価するなら、玉露、ハーブティー、よく出来た紅茶あたりにティーバッグが勝てる道理は存在せず。ティーバッグのメリットは、あくまで「お手軽で、味と香りがそこそこで、コスパがよい」というバランスにあります。(コスパだけ見たら茶葉買ってきた方が良いのわかってますが、そうすると抽出の手間が紅茶だのハーブティーだのに並んでしまいます) そこで登場するのがお茶請けです。お茶の味と香りが足りないのなら、お茶請けで誤魔化しちゃえばいいじゃない作戦。お茶請けとの相性について見た場合、 ・甘いものとの相性は玄米茶 ・ナッツ類との相性はほうじ茶 ・スナック菓子との相性は似たり寄ったり だと感じます。ただし、これにも絶対的な差はありません。甘いものと合わせるなら紅茶や玉露が上ですし、チーズやチーズ系スナック菓子と合わせるならコーヒーが最強。唯一、ナッツ類の油分を洗い流すという観点からは、ほうじ茶が非常に強いアドバンテージを持っているように感じます。(油分の強いものと玉露の相性は最悪ですので、念のため) ちなみにコーヒーは私の趣味みたいなものですが、一日にそう沢山飲んでよいものではないという欠陥を抱えています。抽出も面倒な上に、粉末にされた市販品など不味くて飲めたものじゃありませんし、ちゃんとしたお店で買うと高いという地獄。コスパよく美味しいコーヒーを飲もうと思ったら、生豆を自分で焙煎するしかないと思います。これがひどい沼なんですけどね。 以上を総合すると、 ・お茶請けを何にするか ・水分をどれくらい摂取したいか ・コストと手間をどれくらい許容できるか によって、最適解は変わります。私は手間を度外視したコーヒーと、手軽さに特化したティーバッグという構成に落ち着いていますが、どれかひとつだけ選ばねばならなくなったとしたら・・・麦茶かハーブティーに行っちゃう気がします。(爆)
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  • 2月26日

    投稿小説の非公開化について

    昨日につづき、受験生の皆様のご健闘をお祈り申し上げます。 さて、今投稿している作品(先月は31日間毎日更新しました)が特に読まれている気配もないので、一旦店じまいしようかなと考えていたところ、昨日はなぜかPVが一気に増えてまして、「うわ、マジか(タイミング悪っ)!?」と思っていたりします。現在の投稿時点で第二章までは完了しており、次話からは第三章に進むため、店じまいにはいいタイミングなので、様子見してたんですよね。あ、参考までにPVの様子を添付画像で載せておきます。閑古鳥ですな。 実のところ、2月末まで変動がなければ店じまいという予定でいましたので、「すげーびみょーなタイミングでPV変動来たな」という印象でしたが、以下の理由により予定通り店じまいすることに致しました。 その理由ですが、「書くのは面白いけど投稿はやりたくない」状態だからですね。毎度のことながら、数字で読まれていないことを突きつけられると、自分が面白いと思っていても、書くことそれ自体へのモチベーションにまで悪影響が出てしまう。これが最大の理由です。 だったら宣伝すればいいじゃんとも思うのですが、自分には無理。面倒。億劫。けど、読者様が増えない(というかいない)ことにはストレスが溜まる。だったら執筆が完了するまで触らない方がいいかなと。そもそも、完結してから一気読みした方が(多分)面白いタイプの作品なので、現在お読み下さっているような方々には、完結してからまとめて読んで欲しいと思っていたりもしますしね。 今のところ、100話を超えるところまで執筆が進んでいるので、執筆完了次第投稿再開するとは思います。自分で言うのもなんですが、他作品の数倍は頭使っているので(当社比)、お蔵入りにはしないはず。たぶん。盗賊ちゃんの話なんて、これに比べれば1/100くらいしか頭使ってませんからね。(その差が読者様に伝わっているかはわかりませんが) 再開は多分、年末あたりでしょうか。タイトルは(もう少し今風というか、読者ウケを狙ったものに)変えると思いますが、興味があればそちらで続きをお読み下さい。次回のカクヨムコンに間に合えばいいなくらいのつもりで書くつもりです。
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  • 2024年9月21日

    近況ノート終了のお知らせ

    タイトル通りです。 具体的な事情は伏せますが、近況ノートへの投稿を終了します。少なくともこれまでのような更新頻度で日々の所感やネタを投下することは当分ありません。一応「当分」という言葉を使っておりますが、気分的には「二度と」ですね。数日間じっくり悩んで決めましたので、衝動的というわけでもありません。 小説は今後も書き続けますが・・・まあ、色々とお察し頂けるとありがたく。 ちなみに、ID再取得後の近況ノートは、いつ間にか30万字近くも投稿しておりました。ボツや未公開の書き溜めも含めれば30万字を軽く超えています。なのに小説の方はマイナス成長という。何かがおかしい。おかしいので、よい機会だったと思っておきましょう。 今後の投稿に関しましては、これまで通り白紙です。暫く何の動きもしなくなると思いますが、裏で活動はしていると思って下さい。冬眠中とか蛹化中とか、そんな感じにご理解頂ければ。生存報告代わりに、時々応援メッセージくらいは書き込ませて頂くかもしれません。 というわけで、近況ノート目当てでフォローして下さっている方々は、さっくりフォローの解除をお願い致します。フォローバック狙いの方々も以下同文(といっても読んでないだろうけど)。 これまで駄文にお付き合い下さった皆様方には、篤く御礼申し上げます。 苔の奥底でひっそり暮らす、緩歩動物のようになりたい。水に漂うだけのプランクトンとかもいいよね。
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  • 2024年3月18日

    近況ノートは書いて消す/投稿しないから推挙する(他力本願な作品推薦)

    【近況ノートは書いて消す】(2024年3月18日投稿) 私なりの近況ノートの使い方、注意事項について書き留めておこうと思います。(2024年3月18日現在) 「いいね」を押して下さる方々には申し訳ないのですが、近況ノートはストレス解消の場として、《愚痴を垂れ流しては消す》みたいな方向性でいこうと決めました。なので、コメントもオフですし、わざわざお読み下さる価値もないですよと。 言うなれば、愚痴を垂れ流すことで自分の置かれた状況を整理しつつ、指針を得るための作業場として使うということです。あとはまあ、頭の体操。当然、人によっては腹立たしくなることも書くでしょう。 結局のところ、誰にも読まれなくて構わないというか、むしろ誰にも読まれない(読まれる可能性がある)くらいが、適度な緊張感を保ちつつ余計なストレスを抱え込まなくて済む平衡点なのですね、自分の場合。期待に応えようとか、人様のお役に立つことを書こうとか、そういうのがあかんのですわ。かといって、何のアウトプットもしないでいるのも、それはそれでストレスになる。タイトルにある利用法に至った理由を自分なりに分析すると、たぶんそういうことなのです。はい。 【投稿しないから推挙する】(2024年5月20日投稿の近況ノートを移動させました) 昨日のことなんですが、投稿していた頃の私を知るある方に「投稿してたやつアップロードせんかい、オラオラオラ!(意訳)」と言われてしまいまして。そう言って頂けることは大変ありがたいと申しますか、私ごときにそのようなお言葉を頂戴してしまい恐縮しきりなのですが・・・う~ん。 私は文章を書くのが好きです。正確には、知識を得ることと頭の中を整理することが好きなのだと思います。で、(自分にとって)頭の中を整理するのに一番適した方法が文章を書くという行為なので、文章を書くのが好きなのでしょう。 それ即ち、私が文章を書いているのは、誰のためでもなく自分のためであるということ。人様のお役に立とうなどという考えは、基本的に捨てています。なぜなら人付き合いが苦手だから。(まあ、この結論に至ったのは比較的最近なんですけどね) そんな姿勢で書いているものを、わざわざお時間とらせて読んで頂くなんて烏滸がましい話なので、現在作品公開をしていないのでして。「読んだところで時間の無駄だよ」と、毎度のように宣言させてもらっている通りです。これが時間をとらせない絵や漫画なら、構わず投稿しちゃっていた気もしますけど、駄文を長々と読ませてハズレだったというのは、良心の呵責があるわけです。 カクヨムには、私なんぞより優れた作品を投稿されている方が山のようにいらっしゃいます。私が読んだ中で一番凄いと思うのは、@jundesukedomo 様。ペンネームすら登録されていらっしゃらないので、何とお呼びしてよいのかもわかりませんが、この方が挑んでおられる「嗅覚と聴覚の共感覚を、文章という視覚入力で表現する」という試みのレベルを見てしまうと、自分なんてゴミカス以下でしてね。「(発想力が)貧弱貧弱ゥ!」「無駄無駄無駄!」と言われてしまった気がします。香水と音楽に関する知識は極めて深く(といっても私は香水に詳しくありませんが)、クラシックなんかだと「そこ突いてくるかぁ!」と唸らされる曲が次々と登場します。おまけに、ヨーロッパ(特にフランス)の街並みがこれでもかというほど生き生きと描かれている。これ、現地を詳しく知らないと書けない描写です。なんでこんな御方が、日本のフリー小説投稿サイトでひっそり活動していらっしゃるのか、わけがわかりません。この人の作品が出版されたら普通に買いますよ、私。女性向け作品らしく、登場する人物は圧倒的に女の子が多いですが、皆可愛い。主人公は育ちがよく、ふわふわしていて押しに弱いのに、会ったこともない憧れの老調香師が絡むと人が変わって面白いです。惚れる相手を間違ってますよ、お嬢様。唯一の欠点は、予備知識がないと楽しみが半減してしまうことかな。けどそれは、この作品を理解する力量がない読者の方が悪いです。いい加減な知識と妄想全開で書かれた「わかりやすいけど穴だらけ」な作品と、きちんとした知識で書かれた「勉強が必要な」作品。個人的には後者の価値が高いと思いますが、WEB小説界では逆なんですよねぇ。曲を知らなければ動画サイトですぐに聴ける時代なんですから、それくらいの手間かければいいのに。 というわけで、私の作品を読む暇があったら、もっと優れた作品は沢山あるのでそちらを読みましょうというお話でした。@jundesukedomo 様、勝手に名前を出してしまって申し訳ありません。(あとで謝りに行かねば) せっかくなので、現在私が読ませて頂いている作者さんを(これまた勝手に)紹介させて頂きましょうか。もっとも、読み専としての私はスコッパー気質ですので、メジャー作品はほとんど読まないのですが・・・以前からお付き合いさせて頂いている和泉将樹@猫部 様が、いつの間にやら★四桁稼ぐメジャー作家様になってしまわれ、びびっております。まだ読めてなくてごめんなさい。(自分の性格的に「竜殺し」に行くのは最後だと思います) 大和成生 様・・・「桃色武装」が最高に面白いです。作者様曰く「書きたいことを書いてるだけの作品」だそうですが、そういう作品に限って面白いのは鉄則ですね。涙と笑いの陰に、卓越した人間観察を潜ませていらっしゃる作家さんだと思います。 ばやし せいず 様・・・誠実な恋愛作品を多数投稿されていらっしゃいます。カクヨム界隈では文学寄りかもしれません。 立藤夕貴 様・・・幻想的で色彩感溢れる描写をされる方です。美しい文章は大変勉強になります。登場人物の名前のつけ方とか、やけに美味しそうな食事風景とか、細かなところにもこだわりがあって面白いです。(本日投稿の最新作「立夏の空の下に花は咲く」なんかは、一話完結でこの作者さんの個性がよく出ていると思います) 夜方宵 様・・・短編メインですがどれも秀逸。「アンダーハンドパス」の健全な百合っぽい世界観から「スノードーム」のひんやりとした世界観まで、非常に表現の幅が広いと感じます。 今優先的に目を通させて頂いているのは、この方々ですね。なかなか時間がとれずモタついておりますが、御容赦下さい。他にも読ませて頂こうと思っている方々は沢山いらっしゃいますので、また機会があればご紹介させて頂きます。 【立藤夕貴様の『記憶の海の渡り人』】(2024年6月19日投稿の近況ノートを移動させました) 先週、故あって〇〇〇〇様の『〇〇〇〇〇〇〇〇』という大っ変失礼な表記をさせて頂いた小説について語ってみます。立藤夕貴様、本当に申し訳ございませんでした。 立藤夕貴様につきましては、過去にも何度かご紹介させて頂いたことがあるのですが、風景画のような文章を書かれる作家さんです。日常の風景だけでなく、空想上の風景も含めて卓越した表現力で描写されます。食事がやたら美味しそうなところも特徴ですかね。それでいて、物語を書かれる時には人物描写にピントを当てて、各人の心模様をしっかり描き出されます。その筆力は素直に羨ましい。わたくしめにも分けて下さいお願いします。 そんな立藤夕貴様がファンタジー調のヒューマンドラマに挑戦された作品が『記憶の海の渡り人』、リアル調のヒューマンドラマに挑戦された作品が『夢喫茶でまた会いましょう』、短編でその個性が存分に発揮された作品が『立夏の空の下に花は咲く』であると、個人的には受け止めております。まだ読めていない作品もあるので、そちらについてはまた追々。 今回は全120話・30万字超の大作『記憶の海の渡り人』を読破しましたので、良いところも気になるところも含めて、その特徴を語ってみます。 第一の特徴は登場人物が多いこと。これ、読者さんを挫折させてしまう最大の要因になるんじゃないかなと思ってますので、先に書きますね。同じ人物が名字で呼ばれ、名前で呼ばれ、暫く登場していなかった子がいきなり会話の中にひょっこり名前だけ出てきたりするんですが・・・読者の中では覚え切れていないことも多く、読み解くのに結構苦労させられます。実は、私自身ちゃんと把握できていた自信がありません。なのに、脇役に見える人たちが、割と端々で大事な役割を果たしていたりするんですよ。というわけで、これから読まれる方は、人物整理をしながら読まれることをお勧めします。人物把握ができてくると、伏線の張り方や回収が実に見事であることに気付かされますが、逆にそれができないと、何が何だかわからないということに。この点は本当に要注意。 第二の特徴は、物語の濃淡が次第に濃くなってゆくということですね。まあ、長編らしい特徴と言えます。作品概要にも書かれている程度のネタバレでまとめてみると、子どもの頃から他の人には見えない「透明な魚」が見えていた主人公が、ある日その魚に触れることで、非日常の世界に巻き込まれてゆき、そこで彼と同じものが見える人たちと出会うというストーリー。ここでいう「透明な魚」というのはファンタジー的な記号ですので、実のところ他のものであっても良かったわけですが、そこで「透明な魚」という幻想的な光景を想起させる要素に辿り着けてしまうのが、立藤夕貴様固有のセンス。しつこいけど分けて下さいぷりーず。この魚が見える人は次第に増えていくわけですが、それに応じて描かれる内容も少しずつ変化してゆき、出揃う頃に次のステージへ・・・といった感じです。 第三の特徴は、登場人物の設定がしっかりしていて、それらが人間模様や伏線にちゃんと反映されていること。きちんとした情報整理が出来ている作者さんでないと、これはできません。頭の良い方なのでしょう。友だち想いの人、冷静に物事を見つめる人、感情をコントロールしきれない人・・・各人に背景があり、役割があり、そうした設定の緻密さが物語をきっちり支えている印象です。 第四の特徴は、登場人物たちのヒューマンドラマが主軸でありつつ、作品全体としては謎解きや異能バトル、時には残酷描写なども採り入れた欲張りセットとなっていることでしょうか。ファンタジー小説なので、推理小説のように謎解きできるわけではありませんが、それでも衝撃的な展開が待ち受けており、ところどころで「やられた」と思いながら読むことになるかと。こうした作風を活かすためか、基本はシリアス路線でギャグ要素はほぼありません。作者さんが書きたかった要素が、ほぼすべて組み込まれているのではないかと思われます。 最後に読み終えて思うこと。振り返ってみると、一貫したテーマがちゃんと物語の根底に流れていたことに感銘を受けています。それが何であったかはネタバレになるので書きませんが、長編小説としての柱はしっかりしています。タグに「ヒューマンドラマ」「青春」とあるのも、看板に偽りなしです。 総評としては、「書かれていることをちゃんと追いかけることができれば」とてもよく出来た作品だと思います。それを妨げる最大の要因は、第一の特徴で挙げた登場人物の多さであり、次なる要因は第二の特徴で挙げたゆっくりめの展開ってことになるんでしょうか。その展開も、謎が暫く謎のまま放置されて先に進んでしまいますので、頭の片隅にそのことを留めながら読む必要があり、情報整理は結構大変でした。初読の人と設定がわかって読む人とで、受ける印象はかなり変わるだろうと思われます。後半から終盤にかけての追い込みは、WEB小説で好かれそうな展開なのですけど、そこまで辿り着ける読者さんが少なくても、不思議はありません。作者様の作品が持つ、独特の空気感が気に入った方であれば、読み続けるのは苦でないと思うのですが、作者様の筆力の高さを感じ取れない読者さんだと、途中で投げ出しちゃうのも致し方ないのかも、と。そういう意味では、まず『立夏の空の下に花は咲く』あたりの短編から入ってみる方が無難かもしれません。 WEB小説の読者さんは、とにかく「第1話からクライマックス」みたいな作品しか受け付けないところがあって、緩急つけながら盛り上がっていくタイプの作品は流行らないという印象があります。食事でいうと、いきなりステーキみたいなのが好まれているんでしょうか。コース料理のメインディッシュが出てくるまで待てないって人が多いように見受けられます。本作は、どちらかと言えばコース料理に寄っているので、じっくり読みたい方向けになるかと思います。 なお、これは個人的な恨み節になりますが、WEB小説時代の読者さんって、飽食の時代の若者に似ている気がするんですよね。一口食べて美味しいと思えなければ吐き出すみたいな。まあ実際、無料の小説が大量に転がっているんですから、そうなるのも当然といえば当然なんですけど、味覚が未成熟というか、食材を美味しく食べる方法を知らないというか、はっきりした味付けじゃないとわかってもらえないというか。万人受けする小説などないことが示すように、同じ文章でも受け取り方は読者に委ねられるわけですが、WEBではそうした感受性の多様性が失われている気がします。流行以外のものを味わえる読者さんが極端に少ないと言いますか、作者に流行り物ばかり書かせるような圧力がかかっていると言いますか。なので、立藤夕貴様のような作者さんには頑張って頂きたいなと思います。 【大和成生様の『桜梅桃李シリーズ』】(2024年6月21日投稿の近況ノートを移動させました) 今回も前回の〇〇〇〇様(立藤夕貴様)に引き続き、□□□□様の『□□□□□□□□』と表記させて頂いた方をご紹介させて頂きます。大和成生様、失礼な書き方してしまってごめんなさいごめんなさい。 現在、私がお金を払ってでも読みたいと思える作品を書いておられる作者様は二人おりまして、そのうちのお一人にはギフトをお贈りさせて頂いております。 で、もう一人が今回ピックアップさせて頂いた大和成生様なのですが、ご本人様にはそういう野望が一切ないらしく、ギフト受付すらされていないという徹底ぶり。いやまあ、私もギフト受付していない(というより、そもそも小説公開の予定すらない)ので、お気持ちはとてもよくわかるんですが・・・お陰で現在、ギフトが1ポイント余っておりまする。どないしましょ? ま、それはさておき、このたび『桜梅桃李シリーズ』を読破したので、その魅力をネタバレなしで語ってみたいと思います。 このシリーズは石田家の三姉妹+末弟を中心に、彼らの幼い頃から大人になるまでの半生を、それぞれの視点で描いた連作です。恋愛成分多め。三姉妹の名前が上から順に桜・梅・桃であり、末弟が信であり、石田姉弟の従姉妹に当たるのが李(通称スーちゃん)ですね。なのにシリーズ名には信が入っていないという。男の子だからって仲間ハズレにしないであげて。(笑) この作品に「お金を払う価値がある」と思える理由は、人間の成長に必要な葛藤がズバッと描かれているからです。それも、かなりシビアな女性目線。そしてそれらは、それぞれの登場人物にうまく分散して配置されており、様々な角度から様々な人間像が浮かび上がってくる仕掛けになっています。更に面白いのは、そうした人間像の多くが、実は作者様ご自身の投影であり分身でもあるということ。すなわち、異なる人間像はひとつの人格に統合されたとしてもよいのでして、人間という矛盾に満ちた存在が見事に表現されています。 (ついでに言うと、作者様的に好きじゃないキャラが超重要ポジに就いていたり、あるいは作者様的に大嫌いであったはずのキャラがいつの間にか格好良く成長してしまっていたりするところも面白いのですが・・・作者様はその辺の情報を小説内で一切書かれていないというね笑) 全員が違う人格をもち、全員が違う人生を歩んでいながら、読者という一人の人間の中ではそれらすべてを教訓として糧にすることができる作りになっている。まったく同じ体験をしていながら、まったく違う選択をしてそれぞれの人生を歩む二人の姿が描かれていても、それらは「どちらもあり」と納得できる。こういったところが非常によくできています。 ただ、そのよくできている部分が「よく出来すぎている」きらいがありまして・・・複数のストーリーを読み進めることで、初めて見えてくるものが沢山あるわけですよ。「あの話のあれってそういうことだったのか!」みたいな。なので、単品で読むとなんだかアッサリ風味と言いますか、他作品との相乗効果でいきなり面白さが爆増すると言いますか、噛めば噛むほど味が出てくるスルメ的な魅力があると言いますか。それゆえ、早計な判断を下されてしまう可能性は、決して低いとは言えません。そういう意味では(立藤夕貴様の作品同様)じっくり丁寧に読む人向けなんですよね。ぶっちゃけ、作者様は設定集や解説書を書くべきレベル。多分、三回くらいは読み込まないと、情報を整理しきれません。(笑) なので、WEB小説のニーズに合っているかと問われると・・・すみません。自信ないです。せめて読む順番くらい指定して頂ければ・・・。 (ちなみに自分のお薦めは信→桜→梅→李→桃かな。信を最後に回すという読み方もアリですね。こんなこと書いてる私自身、梅を最初の方で読んで、この作者さんは只者じゃないと思った記憶があるため、結局はどんな順番でも構わない気がします。というか、読む順番にこだわりが出てくるのは、全体像が見えてきた2周目以降のことだと思うのです。なので、読んだことない人は、とにかく全部読み尽くすつもりで手当たり次第読んでみて下さいと申し上げておきまする。あと、外伝的な短編もいくつか用意されていますので、そちらもどうぞ) ともあれ、こればっかりは声を大にして言わせて頂きたいのですけど、「パッと見面白いけど中身スカスカ」な作品ばかりが読まれ、「パッと見地味だけど中身が詰まっている」作品はまったく読まれないというこの状況、ほんと何とかなりませんか。ちょっと顔がよくて口が上手いだけのヒモ体質DV男がモテて、地味だけど真面目に仕事をしている男は見向きもされない、みたいな?別に自分の見る目が確かだなどと言うつもりはないのですが、所詮は顔(タグとタイトルとジャンルと第一話)で決まるのかと思うと、色々とこう、アレでアレがアレなわけですよ。うがあぁぁぁ! すみません。つい鬱憤がダダ漏れになりました。 単品でどれかひとつと言われれば、桃を推します。先日のノートで□□□□様の『□□□□』という謎表現させて頂いたのは、これですし。こういう毒々しい作品は大好物でございます。じゅる~り。あと、武士君が何ともいえず格好いいんです。じゅるじゅるじゅる~り。ちなみに、読む順番で桃を最後に回しているのは、私が「お楽しみは最後にとっておく派」だからです。(おい) 梅と李に関しては、予備知識として「雪の女王」のあらすじだけでも知っておいた方がいいかな。注意点はそれくらいかと。 まあ、なんでしょう。流行とかテンプレとかに辟易していて、しみじみと「そうだよなぁ」と思えるような作品群に触れたい方、子ども時代の体験が人格形成に与える影響を、大人になった今だからこそ様々な角度から振り返らせてくれる、そういう作品群を読みたいという方々にお薦めでございます。ポジション的には、純文学に近いといいますか、純文学からWEB小説に読者さんを引っ張ってくることのできる作者さんというイメージを持っています。あとはこう・・・女社会のリアルみたいなものを、味付けなしに表現してくれているところもいいですね。天然天使ちゃんから嫉妬に狂った横恋慕ちゃんまで、色んな「女」がご登場なされます。はい。 こういう出会いがあるから、隠れた名作の探索はやめられないんですよ。いつも言ってますが、お星様なんて何の参考にもなりません。だって、売れたい売れたいと思ってる人より、自分の気持ちに素直な作品を書かれている作者さんの方が、優れた作品生み出すなんて当たり前じゃないですか。芸術ってのは、自分の内面の表出なんですから。 とはいえ、商業ベースにはない良さを持ったこういう作品が無尽蔵に眠っていることは確かであり、その場を提供して下さっていることについては、カクヨム運営様にはいつも感謝しております。自分に合った作品に出会いたければ、濫読するしかないっていうのは、仕方のないことなのかもしれませんね。 ではでは。
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