前提としてブレイバーンは(石ノ森ヒーローみたく)デスドライヴズの裏切り者と仮定する。
・ルル登場シーンに合わせた海亀の産卵描写
→此が暗喩だと仮定した場合、ルルはスペルビアの子供という事に成る(服は精神的な意味も含む「卵の殻」)。
1・デスドライヴズ(以下DD)は死ぬ事で繁殖する生態の可能性。
2・デスドライヴズは地球人類も死んで繁殖する生命体と思い込んでいる説。
死ぬ程の苦痛じゃないと絶頂出来ないのかどうかは兎も角、そう考えるとデスドライヴズの目的が公式サイトとブレイバーンの説明(最上の死/全人類の抹殺)で食い違う事に説明が付く。
一方的に価値観を押し付ける性格はブレイバーンが証明しているが、ルイスとルルが裸同士な光景に対してスキンシップと認識したのは、冗談抜きで人間の繁殖方法を知らないからではないだろうか。公式で性別は不明とあるので、仮にDD全体に性別という概念自体が無い場合、ルイスとイサミがルルを雌として認識している事に気付いて無い可能性も有る。
繁殖の為に死亡する理由については一つの可能性が有る。それは「適応」だ。関連する解り易い具体例として、映画エイリアンシリーズに登場するエイリアン=正式名称ゼノモーフは、卵(チェストバスター)を植え付けた異種生物に合わせた姿に成長する。人や犬、そしてプレデターだ。DDは最上の死を迎えた時にしか産卵しないとしたら、それは自分を殺せる程強い外敵との戦闘情報を得る為だろう。無論、自分を殺せない脆弱な存在は不要というのも有るに違いない。
DDに於ける伴侶の定義は二つ考えられる。「自分を殺してくれる程強い存在」と「自分と子供を強くしてくれる存在」だ。ブレイバーンがイサミの搭乗を欲するのは後者だ。
以上も踏まえて、DDの地球侵略理由は「全人類と死んで繁殖」という意味に成る。こう書くとDD全体がただの淫乱集団に聞こえるかもしれないが、実は種としての寿命が近いのかもしれない(人間基準で数千年単位だったら笑えるが)。
ルイスがルルを母親似と言ったのは誤魔化しだろうけどそれが嘘から出た誠というヤツだったら、ルルはスペルビアのパイロットやコアではなく、スペルビアと死んだパイロット(OPの女性)の子供説が出てくる。だとすればDDはどんな有機生命体も(生理的に許す限り)パイロットに出来ると考えられる。
というか死を望んでいるのに種の保存本能が有るという矛盾に混乱しながら書いている。
3・ルルがルイスに対して見せた刷り込み的反応
スペルビア/ルルの生態がブレイバーンも同じ場合、イサミも過去にブレイバーンと同様の経験をしている可能性が有る。ただしDDの刷り込みは産まれて初めて見た者を親と思い込むのではなく、産まれて初めて闘って負けた相手を生涯の伴侶として認める、のかも。刷り込みがブレイバーンにも有ったとすると、生まれた直後の彼は地球で幼少期のイサミと接触していた事に成る。その時は人間の子供か玩具(ルルの壊れた声帯の様な音声が出る)の姿かどっちか。
4・ブレイバーンの正体は真綾声の美少女説に対して
だとしても鈴健声のままの可能性が高い。或いは最終決戦で一緒に特攻死したイサミとブレイバーンの子供がそうなるかも。
5・初代勇者への熱いオマージュ
色々書いて来た上記の考察(性行為が殺し合い)が事実だとしたら、ブレイバーンは本家勇者シリーズに対して失礼かと思う人も居るだろうけど、私は逆に盛大なオマージュだと思う。
勇者シリーズ1作目であるエクスカイザーの悪役である宇宙海賊ガイスターズは、地球の宝を狙っているが、地球人の価値観を理解してないので毎回検討違いな物を狙って来る。
取り敢えず誰かが宝物と思った物に執着するが、大量の紙幣を強奪するもただの紙屑と思い破棄(その後通貨だと知り後悔)、唯一の成功例は大量の煙草(ガイスターズも結局失敗と判断)という有り様。
だが主役であるエクスカイザーも例外ではなかった。宇宙警察カイザーズ達は本来実体の無いエネルギー生命体(同じ平野靖士脚本のグリッドマンも同様)の為、妊婦の胎内に居る胎児を「寄生生物」と誤認し、「母胎内で繁殖する生物は見た事が無い」と説明する(ドリルマックスには弟と妹が居るので、一応性別の概念は有る)。
ブレイバーンはこの「地球人とは価値観や繁殖方法が全く異なる宇宙生命体(との意志疎通SF)」という要素に重点を置いているのではないかと、私は思っている。