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代表作記念✨✨ 「ダメ猫な俺 女豹なマドンナ先輩」おまけ話 受け継がれる闘志 


✽まえがき✽

 昨日「ダメ猫な俺女豹なマドンナ先輩」が「8回目の嘘コク」から代表作に差し替わりました。
応援下さった読者の皆様本当にありがとうございます✨✨
 記念のおまけ話を投稿させて頂きますので、よければご覧下さいね。


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 槇村涼子 大学2年の晩秋ー。

 キックボクシングジム“Hawks Moon〈ホークス ムーン〉“にてー。

「ハァッ、フッ、ソリャッ!!トオリャアッ!!!」

 パンパンッパアァンッ!!
 スパアァンッッ!!!

 一心不乱にサンドバックに打ち込み続ける涼子に、店主にしてトレーナーの南晶(心は女性の男性。キックボクシング界の権威と言われる鷹月勇夫に師事しており、海外のキックボクシングの大会で優勝経験アリ)は笑顔で声をかけた。

「いいわね!涼子ちゃん、大分強いパンチとキック打ち込める様になって来たじゃないの。」

「南さんっ。ありがとうございます!」

 息を切らしながら明るい表情になる涼子に、晶は少し考え込むようなポーズを取った。

「ミスコンで優勝した子だって聞いていたから、美容の為にキックボクシングを始めたのかと思っていたんだけど……。
 毎日こんなに真剣に練習に打ち込んで……。他に何か目的や目標があるのかしら?」

「……!ええと、それは……」

 気まずそうな顔で目を逸らす涼子。

 片思いの相手、猫田広樹が彼女を親友にNTRされて別れ、落ち込んでる様子を目の当たりにした涼子は、その件について調べる内、親友は卑怯な方法で過去に2回も広樹の彼女を奪っている事に気付いた。

 広樹を守る為、親友の本性を暴く計略を練りつつ、いざという時は力で撃退する事も必要だと考えキックボクシングを習い始めたのだが、他人に攻撃する為に強さを身に着けるなんて口に出していいものか、涼子は躊躇っていた。

「ん〜。何か事情があるみたいね?言いたくないなら、無理に言わなくてもよいけれど、どんな理由があれ、私は涼子ちゃんの味方よ?協力出来る事もあると思うから、気が向いたら、相談してねん?」

「……!あ、あのっ。南さん、レッスンの後、少しご相談させて頂いてもいいですか?」

 こちらの気持ちを察してくれる晶の対応に、涼子は心を決めた。

        ✽

「なるほどね〜。想い人の敵《かたき》の相手と対峙する為に、キックボクシングを習っていたのね……。」

 レッスン後、奥の事務室で全ての事情を話した涼子に頷く晶。

「失礼します。お茶をどうぞ。」
「ありがとう…。」

 事務服姿の高校生位の綺麗な茶髪の女の子から紅茶を持って来てもらい、涼子がお礼を言ったところで、晶は笑顔になった。

「うん。向こうが仕掛けて来た時の護身術として使う分にはいいんじゃない?今日たまたま手伝いに来ている、そこの人類最強の奴も、「いじめっ子をぶっ飛ばして幼馴染みの男の子を守って、その子と結婚する」のを目標にキックボクシングを始めて、それをやり遂げたのよ?」

「ええっ?」

 晶は、お茶を出してくれた女の子を指差してそんな風に言って来たので、涼子は目を剥いてしまった。

 とてもそんな強さを秘めているようには思えない、か弱げな印象すらあるその茶髪美少女は赤くなって晶に食ってかかった。

「…!あーちゃん、言わないでよぉ!あと、人類最強って何?!確かに、トラ男はぶっ飛ばして、京ちゃんともラブラブになれたけど、ま、まだ、結婚まではっ……///」
「…!」

 ポッと頬を赤らめる茶髪美少女に、嘘を言っている様子はなく、涼子はその茶髪美少女の肩に手をかけた。

「その話、もっと詳しく……!」
「え?」

        ✽

「なるほどね?芽衣子さんは黄金の右足でいじめっ子や7人のライバルを打ち倒し、見事、幼馴染みの男の子のハートをゲットしたというわけなのね?
 誰にでも出来る事じゃないわ。あなた、本当に凄いわ!!」

 その後、茶髪美少女、氷川芽衣子から話(武勇伝)を聞いた涼子は、大興奮で彼女を褒め称えた。

「い、いやぁ、それ程でも……///(お姉さん、聞き上手だから、つるっと全部話しちゃった……)」

 褒められて照れ照れの芽衣子に、涼子は宣言した。

「私の好きな人には悪い友達と過去三人の彼女さんがいるのだけど、私もその人達に全力で立ち向かって打ち倒すわ!そして、最終的には彼と結婚まで行けるよう頑張る!!」

「お姉さん、その意気ですよ!!頑張って下さい!!」

「あらあら。意気投合しちゃったわね〜ま、まぁ、涼子ちゃん、芽衣子のやり方は激重過ぎるから、参考するのは程々にね?」

 手を取り合い盛り上がる二人に、晶は苦笑いで、諌めていた。


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 あの時の宣言通り、想い人、広樹の悪友と過去の彼女を退け、女豹並みの速さで彼との交際、婚約を取り付けた涼子。

 結婚式6ヶ月前に迫った今、涼子は招待客について悩んでいた。

「ねぇ。広樹くん。私側の招待客が少し多くなってもいいかしら?
 今、習っているキックボクシングの先生ともう1人お世話になった高校生の女の子がいて、出来ればその子の幼馴染みの男の子と一緒に式に呼びたいのだけど……。」

「ああ。俺の心に喝を入れてくれたあの素晴らしい蹴りを涼子さんに仕込んでくれた方達ですね?
 もちろんいいっすよ?」

「よかった!ありがとう。広樹きゅん♡今、先生にあの子の住所について聞いてみるわ。」

 快く了承してくれる広樹に、涼子は、安堵し、“Hawks Moon〈ホークス ムーン〉“に電話を入れたところ……。

『えっ。芽衣子を結婚式に招待?分かったわ!あの狂犬は、何かあったら私と坊やで命懸けで大人しくさせておくから、涼子ちゃん、心配しないでっ?』

「いや、あの、狂犬って……。」

 悲壮な覚悟を決める晶に、涼子は苦笑いしたのだった……。


 ✽あとがき✽

 読んで下さりありがとうございます!

 涼子さんと芽衣子ちゃん共演させてみましたが、似た状況に置かれている事もあり、気が合っていましたね(^^)

「ダメ猫な俺女豹なマドンナ先輩」「8回目の嘘コク」いつも応援下さり、本当にありがとうございます✨(;_;)✨

 読者様へのお礼の気持ちを込めて涼子さんのAIイラストも添付していますので、よければご覧下さいね。

 これからも各作品、どうかよろしくお願いしますm(_ _)m

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