物語のアイデアを思いついたのが、だいたい9年前になります。
初期のプロットが完成したのが2年前なので、7年くらいの期間はストーリーを悶々と考えていた訳です。
今回この物語を創作するに当たって考えたことは、トンデモ科学のオンパレードで設定を考えると、比較的簡単に物語の表現を劇的にすることが出来るので、おそらく読む方にとっても直感的に面白くなるのだということは分かってはいたのですが、あえてリアリティに思いっ切り振った設定で、どこまでSFが書けるのか、という事を一つの目標にしてみたいと思ったのです。
ですので、遥天の使者では、国家の経済が何十回も破綻する程の、天を埋め尽くす大艦隊が銀河をまたに架けてドンパチするとか、ヒロインの危機にワープで現れて窮地を救うとか、レーザー砲をアドリブで避けるといったトンデモ設定は有りません。
かといって全く空想科学の要素が全く無いと、それはそれで面白く無いですし、そもそもSFとはそういうものだと思いますので、できる限り理屈の上で実現可能と考えられる理論をベースにして、そこから着色することで、リアリティ志向になるように配慮しています。
何にしても、このようなチャレンジが上手くいったかどうかは別にして、こうして公開する機会が得られたのは、とても有り難いことだと思います。