いつも通り仕事を終えて帰ってきた女性は、へその辺りが腫れていることに気付く。 一週間経っても治らないその腫れを治すために手術をすることになる。 そして、手術当日。 女性は、予想だ…

8月31日。 夏休みの終わりの日に偶然見かけた古ぼけた神社で、少年は賽銭箱にアイスの棒を投げ込み、適当に願った。 「夏休みの終わりませんように」 翌日、目が覚めると待っていたもの…

恋人に浮気されたある女性は、夜の闇の中、縁切り屋と名乗る奇妙な老人と出会う。 すぐに恋人との縁を切ろうとした時。縁切り屋は、言う。 「その縁のおかげで、何事にも変えられない、大切…

十人もの人間を殺害した罪で取り調べを受けるある男。 その罪人は、言う。 ――俺は、生まれ変わって同じ境遇になったら、何度でも同じことをするぜ。 何故、男は罪を犯したのか。 男はゆ…

勉強も仕事も恋愛も"うまくやれていた"男。 しかしある時、何もかも面倒になり仕事を辞める。 そして、男は今までのことを思い出し、気付く。 ――正しくあることだけが、俺を構成してい…

自分にしかできないことは必ずある。 担任の教師の言葉がどうにも引っかかる高校生、昭久。 勉強も運動も平均的な彼にとって、自分にしかできないことがあるのか疑問に思っていた。 そのこ…

まだ若い友人のお葬式に参加した二人の女性、アキとカヤ。 動かなくなった友人の姿を見て、泣きじゃくるアキに対してカヤは泣かなかった。 アキが、なぜ泣かなかったのかをカヤに聞いてみる…

特に楽しく喋るわけでもなく。一緒にゲームをするわけでもない。それなのに、幼馴染の少女は少年の部屋を訪れる。 なぜ、少女は少年の部屋に遊びに来るのか。なんとなく、その理由を少年は分…

「すごいね」「さすがだね」 そんな言葉で、男はよく褒められていた。 でも、そんな誉め言葉は男はとって、暴言と同じような、鋭利な言葉のナイフだった――。 半分程度のフィクションと…

あるカウンセラーのもとに通う女性。 その女性は、カウンセラーに話を始める。 「……先生、私はどうするのが正解だったのでしょうか」 そうして、語られたのは、女性の懺悔だった。

幼馴染の女の子の結婚式に参加する、ある男。 綺麗な幼馴染の姿に、男の想いが溢れ出す。 彼は、今でも、彼女への想いを捨てられずにいた……。

公園のベンチで、木々を見上げながら君は言う。 ――俺はさ、夢を諦めた人も認めてあげるべきだと思うんだ。 そうして、少年は夢への想いを語りだす。

お祭りで神社に来ていた、高校生・白。 時間つぶしに境内を歩いていると、一人でいる少女・青に出会う。 一人で何をしているのか聞いてみると、青は、幽霊と話していると言い出した……。

見知らぬ部屋で目覚めたとある男。 戸惑っていると、そこに医者が現れる。 医者は告げる。あなたは怪獣病に罹ったのだ、と。 怪獣病。その病気の治療には、ある代償があった……。

高校生である大平は、遅くなってしまった家路を急ぐ。 近道として公園を通っていると、とある女性に出会う。 その女性は、なんだか怪しい雰囲気で……？

将来の夢のために、自身の希望する大学に入学した青年。 だが、勉強していくうちに、かつて感じていた面白さが薄れてきた。 思い悩んでいた青年は、気分転換と知らない世界を見てみたいとい…

中学生である幸子は、期末試験に向けて勉強中。 実生活に役立ちそうもない勉強する意味は何なのか、友人の千明に尋ねると……。 なんで勉強するのか。 その答えを、作者なりに考えて書い…

ある日突然、少しだけ先の未来を見ることができるようになった男。 最初は戸惑ったが、その力を使って事前にトラブルを避けることができるようになった。男は、力を使った生活を謳歌していた…

ある男は、小学生時代に住んでいた故郷を訪れる。 そこで、昔よく遊んでいた女友達と再会する。 かつての思い出の場所をめぐって、懐かしさに浸る二人だったが……？

気がつくと病院のベッドに寝ていた男。 交通事故に遭ったらしいが命に別条はなく、いろんな人が男のお見舞いに来てくれた。 ある日、昔からの女友達がお見舞いにやってくる。 たわいもない…

心地よい風が吹いている学校の屋上。 そこには、落ち込む先輩の姿があった。 僕は、先輩を励まそうとするが、上手くいかない。 そんな僕に先輩は問いかける。 「なぁ、君は世界の中心って…

都会に用事があり、田舎からやってきたある男。 彼は、人混みが苦手だった。 都会の人の多さに、うんざりしながら彼は、改めて考える。 彼が人混みが苦手になった裏にあるとある事情とは―…

行きつけのバーに来たとある男。 バーのマスターに、もうここに来るのは最後になる、と言ってきた。 なぜかと尋ねると、男はそのわけを話してくれたが、それは予想だにしないことで……

とある女性、由紀は事故物件に住んでいた。 だが、特に何かが起きることもなく普通に暮らしていた。 住み始めてから二週間ほどが経ったある日のこと。 枕元に突如として幽霊が現れて、由紀…

警察である男は、殺人の罪で捕らえられたある青年の取調べを担当していた。 青年は、罪を犯したとは思えぬほど適当で、軽薄だった。 そんな青年は、男に詰め寄られついに殺人の動機を語りだ…

ミスターレッドとして、日々悪人退治に奔走する青年・勇気。 彼はある日、ショッピングモールで立てこもっている強盗を退治することになる。 そこで目にしたのは――

プロの将棋棋士である桜井善吉は、自らの悲願であったタイトル獲得を成し遂げる。 その祝賀会で仲間からも祝福され、幸せな気分に浸っていた。 そこに、タイトルを懸けて戦った棋士、冬月誠…

死んでしまった人間専用の映画が見られるという場所、終の映画館。 そこで一人映画を見る男。 かつての人生に思いをはせながら、映画を見る。 そこには、楽しい思い出が映し出されていた。…

どこにでもいる普通の高校生の少年、大津裕也。 彼は同じ部活の友達から、天使さんという人なざる者の噂を聞く。 いわく、天使さんはなんでも願いを叶えてくれる。 但し、願いを叶えてもら…

自殺したとある男。 彼が残した遺書には、周りの人たちへの感謝や自殺した理由が書かれていた。 彼は、いじめられていたわけでもなく、悩みを抱えていたわけでもない。 ただ、なんとなく「…

目覚めると、現実とは違う異世界に迷い込んでしまった少年・カケル。 その異世界は、魔法が存在し、なんとカケルには魔法の才能があった。 才能を買われてカケルは町の冒険者の仲間になり、…

週末の繫華街。焼肉店で食事を始める会社勤めの3つの影。 彼らは、何気ない会話をしながら美味しいお肉とお酒を楽しんでいた。 よくある町のよくある風景。 でも、前提が違います。

サラリーマンの光の毎日の楽しみは、仕事終わりに恋人の流歌とパソコンで通話することだった。 今日も帰宅してすぐに流歌と通話を始める光。 2人で何気ない会話をすること。これが、何より…

失意のどん底にいた男。 彼はある日、神と名乗る老人から書いたことが本当になるノートを手に入れる。 彼はそのノートの力で、金も夢も大切な人も全てを手に入れた。 しかし……

将来有望の天才高校生ボクサー、番場光輝。 彼は、卒業式の日に自身のSNSで「もうボクシングはしない」と公言する。 その理由を教師に問い詰められると、彼は語りだす。 彼にとって勝っ…

首を吊り、今まさに死が目前に迫る男の前に現れた“何か”。 それは、男性のようにも見え、女性のようにも見える。若い気もするし、老けている感じもした。 そんな“何か”から、男は願いが…

とある工房で働く刀鍛冶の少年、鉄平。 彼は、亡くなった先代の跡を継いだが、うまくいかない。覚書通りに刀を打ってもできるのは、なまくらばかりだった。 ある日のこと、相変わらずなまく…

恋する乙女の佳奈子は、ラブレターを書いたものの渡せずに1週間が過ぎようとしていた。 このままでは、いつまでたっても告白しそうになかった。 そんな佳奈子の様子を見て、友人の明菜は、…

村の人たちと異なる容姿で生まれた少女、クラリス。 彼女は、異端として周りから冷遇されていた。 生まれて間もなく、処刑されることが決まった彼女は、16歳の誕生日を迎えた。 それは、…

事故や災害。 それらに遭うのは、運が悪いからだ。 そんな運の悪い人たちと比べて、その男は、どうしようもなくツイていた。

とある国では、戦争が長い間続いていた。 大半の兵士も国民も疲弊しきっているが、それでも国は戦争を辞めなかった。 何故、国は戦争を辞めないのか。 それは、国はごく一部の人間しか知ら…

パティシエである由里子は、友人の結婚式のためのウエディングケーキを作っていた。 作業が一区切りしたので、休憩をとっていると、その結婚式を挙げる友人、京子から電話がかかってくる。 …

ツーリングに出かけていた女性、美希。彼女は、ある悩みを忘れるためにツーリングに来ていた。 その旅の途中で、とある岬にたどり着く。 その岬には、美希とは別の女性が訪れていて――。

社会人にして初めて恋人ができた高橋健次郎。 来るおうちデートの前に部屋を掃除していると、高校時代の友人である津田から連絡が入る。 すぐに高校の卒業アルバムを見るように言われ、疑問…

2週間ほど前からストーカー被害に悩む、平凡な女性・清美。 しつこいストーカーに精神的に疲れてきたが、直接的な被害は出ていないので、清美はストーカーを無視していた。 だが、ある日か…

同じクラスの坂本がムカついて仕方がない少年、浅水。 彼は、勉強や運動ができるわけでもない坂本が気に入らず、いじめていた。 わざと足を踏んだり、坂本の机にゴミを詰めたりもした。 そ…

ある日の仕事中、家が火事になったと連絡が入り、慌てて家に帰る。 帰ってみると、そこには火だるまになった我が家があった。 火は消えたものの、家は、完全に燃え尽きてしまう。 その中で…

友達との飲み会。 他の人達が酔いつぶれて、寝ている中で、彼女は僕に聞く。 「芦田くんって、無理して優等生してるでしょ」 これは、優等生たちの真夜中の秘密の会話だ。

10年以上前のある日、誰からも愛されたミュージシャンが、亡くなった。 その後、彼の遺作が発見された。彼の最後の作品は、家族や友人への感謝の曲だった。「……以上が、公になっている事…

深夜2時を回った頃。とあるアパートの一室に音が響く。 壁を殴っている音、いわゆる壁ドンだった。 大学生の新井は、3か月もこの壁ドンに悩まされていた。 大家にクレームを入れると、隣…

江戸の外れの長屋に住む不気味な人間、秀継。その男は、滅多に家に出ることもなく、食事や仕事も何をしているのか、一切分からなかった。ある日、秀継が外出するところを目撃した男は、後をつ…

とある海に面した国にある観光地、映画島。 そこは、映画の撮影が頻繁に行われることで人気だった。 そんな島を訪れた一人の青年。 そこで、彼は急遽、ある映画の撮影に協力することになっ…

先輩に誘われて、映画を撮ることにした僕。 撮影は、順調に進んでラストシーンのみとなった。 この映画を撮る理由を僕は先輩に尋ねる。 何故もう少しで人類は終わるのに映画を撮っているの…