本日、『花を食み、空を飛ぶ』十一話を公開しました。
これにて『花を食み、空を飛ぶ』は閉幕となります。
そして夢観絵空の人生は、彼女の物語はこれからも続いていきます。
今回はそんな夢観絵空について語ろうと思います。
先天性心疾患を抱え、心臓移植を待機している少女。明日にでも突然死を迎えてもおかしくない、それにも関わらず向日葵のような笑顔を浮かべて一歩一歩を全力で楽しむ。それが夢観絵空です。
一日でも長く生き、心臓移植の日を迎えられるように制限の多い日常生活を過ごしている。そうなってもらうために塩分制限をされた食事や免疫抑制剤の内服をしている設定となりました。細かな病名をつけて、後ほどこの疾患にこの治療をするか? という矛盾が生じられたら困るので先天性心疾患という大きな括りで表現しましたが、イメージとしては「拡張型心筋症」あたりですかね。厚生省の調査より、5年生存率7~8割くらいで幼少期に発覚して中学二年生まで心臓移植なしで生存している夢観絵空は強運というべきか恵まれているというべきか。その歳まで心臓移植が行えていないので、不運でもあるというべきか。きっと珍しい血液型なのでしょうね。
あくまでも私が執筆するにあたってそのあたりの疾患かな程度の認識であり、『花を食み、空を飛ぶ』の世界の疾患としては別の物かもしれませんがね! そこは作中の都合ということでにしましょう。大間違い! という程のことは書いていないはずですし。
そんな夢観絵空も自分の疾患に、今の生活にうんざりして嘆き悲しみ、怒りと苦しんだ時期がありました。しかし、そんな夢観絵空を見る度に両親が悲しみ、母親は娘が居ないところで自分を責めて泣いていました。それを知った夢観絵空は両親を悲しませないために、もしかしたら明日終わるかもしれない短い人生を彩るために、笑顔でいることを決めました。とても強い子ですね。
心臓移植を終えた夢観絵空はこれから先、大きな傷跡と譲り受けた心臓、そして朧気となってく大切な夢の記憶を胸に生きていきます。
夏祭りに行ったとき、お花の形をしたクッキーを食べたとき、麦茶を飲んだとき。ほかにもいろいろ、ふとしたときに懐かしさを感じることでしょう。