乾杯。
今日はちょっと長くなる。まあ、興味ない人はブラウザバックでいい。
いいな?俺は警告した。
本日をもって、
「息切れ・痛風・老眼おっさんパーティ、“老齢の塔”に挑む」――連載終了だ。
終わった。ちゃんと最後まで行った。
一ヶ月半で星が270ついて、人生で初めて「評価」という名の拍手ももらった気がした。
正直言うと、めちゃくちゃ嬉しかった。ここは照れずに言う。
応援してくれた人たちには、ほんと感謝してる。これはジョークじゃない。
思い返せば、昨年の二月。
ふとした拍子に「小説でも書くか」なんて思ったのが運の尽きだった。
一作目?
ひどい。
グラスを叩きつけたくなるレベルでひどい。
まあ、酔っ払いの独白をそのまま文字にした感じだな。
言いたいことだけを詰め込んだ、
読む側の肝臓を一切考慮しない痛いポエム。
今見ると、顔から火が出る。火炎魔法レベル。
それでも消してない。
なぜかって?
忘れたら、また同じことやるからだ。
あの痛さは、俺にとっての二日酔いメモみたいなもんだな。
……で、二作目だな。「武道家、異世界で間合いが取れない」。
テンプレに乗って、異世界転生を書けば――まあ多少は“星”ってやつが降ってくる。
俺もそう思ってた。うん、思ってた。
現実はどうだ。
伸びない。伸びない。伸びない。
星じゃなくて、俺の胃酸だけが上がってきた。そんな世界だ。甘くない。カンパリみたいに苦い。
でも、ここで転機が来る。
“起承転結” と “三幕構成”。
これを知った瞬間、俺は世界の深淵に触れた気がした。
…まあ実際は「深淵」じゃなくて、脚本術の入門書の目次なんだけどな。
「え、物語って“気合”と“勢い”だけじゃダメなの?」って。
俺はその時はじめて、物語が“構成”で殴ってくるタイプのゲームだと理解した。
そう、そんなことも知らなかった。
作家のくせに。
いや、作家“志望の酔っぱらい”って言った方が正確だな。乾杯。
そこから俺は創作論をいろいろ勉強して、三作目――
「老剣士の三百歩〜余命一年から始める冒険者稼業〜」を書いた。
で、星がな。
確か95くらいで着地したんだよ。
「よし、俺もついに“読まれる側のスタートライン”に足がついたな」って。
そしたらさっき見たら100超えてた。
……これ、たぶんバグだな。
運営の人が寝ぼけて俺の作品に評価押しちゃったんだと思う。
いや、もしくは読者が「可哀想」って同情票を入れてくれた説が濃厚だ。
“余命一年”ってタイトル、強いんだよ。人の情に寄生できる。
1から始めるのは車輪の再発明、って言うけど、俺の場合はもっとひどい。
車輪を再発明しようとして、まず“四角形の車輪”で坂道に挑んでた。
ガタンゴトンじゃない。
ドゴォン!バキィ!って音がして、心が先にパンクするやつ。
でも三作目は違った。
先人の地図をちゃんと見て、
「ここに崖がある」って書いてあるのに――
一回覗き込んでから引き返した。偉い。
成長ってそういうことだよな。
四作目――「息切れ・痛風・老眼おっさんパーティ、“老齢の塔”に挑む」。
正直にありのまま告白する。
「好きな作品を複数手本にして構造を分析して、そのままパクった」
……正直だろ?
俺も昔、酒場で隣の客の注文を“そのまま”真似して、通ぶったことある。
アラスカって酒だ。結果? 胃が死んだ。たぶん同じ種類の罪だ。
だがな、言い訳がちゃんと筋通ってる。
バンドでもオリジナルやる前にコピーバンドやる。
あれ、めちゃくちゃ正しい。
いきなりオリジナルってのは、いきなりラスボスに素手で挑むみたいなもんだ。
勝てるやつはいる。大体は骨折する。俺は骨折する側
で、今回の本題。
毎日投稿しながら執筆。
これがな、地獄。
例えるなら、
「走りながら靴ひも結ぶ」じゃなくて、
「走りながら靴そのものを編んでる」。
しかも観客がいて、途中で「その編み目ダサくない?」って言ってくる。
キーボードは拷問器具だし、ディスプレイは鏡みたいに現実を映す。
「今日も書けてませんね?」って。
やめろ、その目で見るな
でも、ここが一番ハードボイルドで好きなとこだ。
“絶対にエタらせない”って決めた。
これ、作家の誓いというより、
酔っぱらいが帰り道に「絶対吐かない」って言うのに近い。
だいたい嘘なんだが、たまに奇跡的に守るやつがいる。
今回は俺がその奇跡側だった。
最後は少し強引だった。
うん、わかる。
強引っていうのは、つまり――
「閉店時間だから会計して出てください」って店員に言われて、
慌ててグラスを飲み干して帰る感じだ。
綺麗な終わり方じゃない。
でも終わる。それが偉い。
で、最後の自己防衛をするとだ。
「一応、私的には満足してます。私的にはです。もう一度言います私的にです。」
これな。
誰かに殴られる前に自分でヘルメット三重に被ってる。
……ここからは、氷を一個溶かしてから話す。
まあ何が言いたいかっていうとだ。
この一年、小説を書くって行為に触れて――
本当に苦しかった。
頭は回らない、手は止まる、心は勝手に折れかける。
何度も「なんでこんなこと始めたんだ?」って思った。
正直、酒の席で愚痴るにはちょうどいい量の地獄だった。
でも同時に、
本当に楽しかった。
書けた日の夜は、理由もなく酒がうまい。
応援コメントで、もう一杯。
レビューが貰えれば、記念日。
だから結論は一つだ。
最高の一年だった。
これはジョークじゃない。
グラスを置いて言う。ほんとにだ。
え?
今、一月だって?
……細かいことは気にするな。
作家の一年は“書き始めた日”から始まるんだ。
カレンダーなんて、二日酔いには勝てない
で、次だ。
自作はちょっと休憩。
エッセイを書こうと思っている。
走り続けたあとに、カウンターに戻って独り言をこぼす。
それも立派な創作じゃないか?
その時は、またここで会おう。
俺は変わらずグラスを回してる。
じゃあ今日はこの辺で。
最高の一年に――
乾杯。
息切れ・痛風・老眼おっさんパーティ、“老齢の塔”に挑む
https://kakuyomu.jp/works/822139840388298901