こんにちは。中樫です。
1日しか経っていませんが、今更解説⑥をやって行きたいと思います。
まず、演技法について。現実世界には『メソッド演技』という演技法があります。これは、自分の中の過去の体験から役に近づく物だと認識しています。actの世界では、新田の再現(トレース)演技が一番近いと思います。まぁ、再現演技では演技してませんけどね。
actの世界では、基本的に皆メソッド演技はできないことにしています。そこまでの経験が無いからですね。なので、それぞれ別個に考えています。
今回は王城翔平の演技、平行世界演技について解説します。作中でも触れたように、平行世界演技は役に対して、その役が自分であったらという所から始まります。先に役に対する自分(人格)を創造してから、そこまでの人生を追体験していきます。
創造した人格は消えずに残り続けます。しかし、沢山の役を演じればその数も増えていきます。そんな事をしていれば、何重人格にもなります。精神崩壊まっしぐらです。
そこで、王城は平行世界という概念を自分の中で持ちました。有り得たかもしれない自分の人格は全て別世界の人という認識にすることです。言わば、心の中に扉を持つということです。もう一度演じるのであれば、その扉を開けて平行世界の人格と入れ替わるのです。
メンタルが相当強くないとできません。結局、自分の中に多数の人格を有すことに変わりは無いのですから。作り出す人格も、オリジナルの自分と離れていればいるほど創造する事が難しくなります。そして、今回王城が演じる事になっていたのは、その難しい役でした。
今までの蓄積もあって、遂に精神崩壊しかかってしまったのです。
その役については、本編で触れるのをお待ちください。
次の69話は、火曜日には更新できるかと思います。少しお待ちを。