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2025/12/27 天才キャラの書き方

いつも読んでいただき、ありがとうございます。
♪です。


先程、自分より知性のあるキャラを書けるかというような創作論を読んだのですが、ちょっと思うところがあったので、ここに書いてみようと思います。

ちなみに、その創作論では『不可能』という結論だったようです。


私の作品には天才キャラが多少出てきます。
『はじけろ!コーラ星人』のハカセは、ワープ理論とタイムトラベルを成功させた科学者です。
『黒髪美少女~』のスカーレットは、様々な計略を使って不利な状況をひっくり返していきますし、政治家としても超優秀です。
現在連載中の『廃墟となった世界で愛を知る』は、大体80~100年先の未来をイメージしていて、5つのAIが登場します。このAIは現在のChatGPTやGeminiとは異なる理論で作られた自律学習を可能とするAIなので、人類を超越した存在です。

なので、『不可能』だとしてしまうと、私の作品の存在意義が崩れてしまうんですよね。

ーー

まず、この議論そのものが曖昧です。
知性とは何を指すのか、描写とはどのようなレベルを指しているのかということです。
命題であるならば、明確に真・偽を定義できる必要があります。
これらは定義が非常に難しいので、論理的な結論を出すこともできません。


例えば知性を示すものにIQという数値がありますが、これは知性の一部を図ることはできるものの、知性そのものではありません。
パズルを人より早く解ける人全てが、人生の成功者になる訳ではありません。
IQが高くても残念な人生を送った人は多いです。

天才の書き方でよく見かけるのが変人キャラです。
デスノートのLみたいに変な座り方したりとかね。
でも、天才の奇行にはきちんとした理由があることが多いです。ただそれを他人が理解できないから変人に見えてしまうだけ。
変人+勉強ができるという感じでキャラを作ると大体変な感じになります。


描写の仕方については、例えば『10倍の兵がいる軍を巧みな計略で全滅させた』という『結果を示す文』で天才であることを表現することは可能です。
その計略に関する細かい描写を全て書きたいということであれば、それは確かに難しいかもしれませんが、本当にそうすることが正しいのかは別の話です。

ーー

では、私の作品ではどうしていたかを話します。

『はじけろ!コーラ星人』ですが、オリジナル版では『ワープ装置付きの宇宙船を頑張って作ったよ』くらいの適当な描写にしていました。
改稿版を書くにあたり、やっぱりSFなんだからきちんと書いた方がいいよなと思い、科学的な調査を元に、我流でワープ理論を考え、それを実装していく様を細かく書きました。
その結果どうなったか……。
オリジナル版より、PVが伸びなかったんですよ。
科学的な話で脱落していく読者が続出しました。
細かく書けばいいってもんじゃないらしいです。


『廃墟となった世界で愛を知る』では、構想段階でかなり悩みました。
私より明らかに賢いAIをどう表現するか、やっぱり大きな課題でした。

この課題に対し、AIの性格や誕生した目的を明確にしました。
アレス:表向きは平和利用だが、本当は戦争を最適化するため
ガイア:環境問題の改善
モルフェウス:表向きは人の悩みを解決することだが、本当は洗脳を行うため
プロメテウス:表向きは医療用だが、本当は生物兵器の開発
ノア:心や愛を理解させる
こうすることで、それぞれが最強だけど、弱点もある感じにしています。狂人感も出せますし。
人類を虐殺した理由も、表向きと本当の目的のギャップが生み出したものとしました。ガイアだけはちょっと違うのですが、それも作中のエッセンス(ひねり)にしています。
お互いに相容れない感じにすることで、駆け引きを含めた全面戦争を描いています。

ちなみに、それぞれの天才っぽいエピソードは一切書いていません。トンデモ兵器を投入してくる程度です。
これは、コーラ星人の反省によるものです。

ーー

似たような話で『自分で見たことがない、経験したことがないことは書けないのか』も、よく見る議論ですね。

論理的に言えば、本当にそうならJKローリングさんは魔法使いってことになりますね。
だから、書けます。
でも、すごく勉強しなければなりません。
想像力を鍛えるには知識が不可欠です。

SFを書くのなら、理科・数学はしっかり勉強しなければならないし、ファンタジーだって歴史・地理・政治などの知識がないと、戦闘だけの薄っぺらいものになってしまいます。

有名作家が高学歴なのは、やはりそういう理由だと思います。


つづく?

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