これにて主人公はもういない、完結です。
最後まで見届けてくださった読者様、本当にありがとうございました。
変則的なラブコメにはなりましたが、綺麗にはまとめられたかな、と思います。
簡単にはなりますが、作品の小話裏話でも。
一成が一生を自分より上だと思っているのは、自分がすべてカノンから与えて貰ったという自認ゆえです。
それに対して、一生は自分でを積み上げ、成長してきた。
学校に通うようになって、これだけの多くの人間に認められるのだと、学校に通うにようになって知ったから。
決して劣等感があるわけではないですが、そんな弟が自分より凄い兄だと吹聴されてきたから、その期待はとても重かったのです。
最初は強がりながら一生の思うような兄を演じてきたけど、自分でも驚くほどにそれが上手くいった。それで自分に自信を持てるようになり、カノンに縋らず行動に移せるほどに精神的に成長できた。
この兄弟はお互いのことが自分より上だと信じた上で、引け目を感じることなく少しでもその背中に追いつこうとする、いい相互作用が働いている関係です。
一生について。
転校してから作風を変えた主人公体質。
どうせ本筋にはあまり絡まないからと、超高校級的なヒロインたちを絡まれるという滅茶苦茶な設定をぶちこみました。
一成なら一回で音をあげるようなトラブルに、日々巻き込まれるようになったから、そういう意味では一成が追いつけない弟。むしろそんなトラブルに巻き込まれるくらいなら、追いつきたくないとすら思うもう作風が違うのはもう懲り懲りな後日談。
カノンについて。
裏設定となりますが、血縁上白雪とは叔母と姪の関係です。
つまり父親は、白雪の祖父となります。
ギフテッドの上に、なんでも叶えてくれる父親がいる。
まさになんでもありなヒロイン。
そんな一成の背中を押した正妻の唯一の誤算は、初恋の相手が天梨であったこと。
さらっと伝えられ電話を切られたカノンは、「はぁ?」とそれは話が違うぞと次の日には学校に乗り込んでくる。
一成の初恋が自分じゃなくてガッカリだったからと、天梨に宣戦布告する後日談というよりも、第二章になる構想だけは頭にあった。
ですが書きたいものが二作くらいあり、同時連載は難しいので綺麗に終わったところで完結ということにさせて頂きます。