魔界の心臓・アレスは下半円南に位置する共和制国家である。
その広大な国土の大半が乾燥帯であり、地平線の彼方まで広がる砂漠はアレスを象徴するものの一つと言えるだろう。
降水量が極端に少ないため、広大な領土に対して居住可能な地域は非常に限られている。
首都・キュリオシティを中心に広がる居住地域の外側には、太陽光をエネルギーに変換する設備が整然と並んでいる。
魔界全体の電力のほとんどがアレスから供給されるものだ。これが「魔界の心臓」と呼ばれる所以である。
しかしその反面、未開拓領域が多いのもまた事実だ。
未踏の砂海にそびえる何かとそれによる脅威の存在を人々が知るのは、長い年月をかけ築きあげられた文明が崩壊する、その間際だろう。
最も太陽に愛された国アレスは、降り注ぐ光を有効に活用し、魔界全体の生活を潤し続けている。