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身分証明について・その2

以前も「身分証明について」というのを書きました(2020/11/28)。その続きのようなものです。

長編ミステリーの中で「身分証明の問題」について書いています。「本人確認の問題」と言い換えてもいいでしょう。何をもって、本人と確認するのか。たいていは「写真入りの証明書」が使われます。マイナンバーカード、運転免許証、パスポートなど。社員証や学生証も使えますね。で、それで何を確認しているのかというと「顔」です。証明書の中の顔写真と、それを所持している人の顔を見比べる。同じなら本人というわけ。でも、双子が互いの証明書を交換していたらどうなるか。たいがい、騙されるんじゃないですか。親子でもよく似た顔の人がいます。かつて、替え玉受験で、子供の代わりに親が受験する(!)という例もありました。そう考えると、顔写真入りの身分証明ですら、結構頼りないということがわかります。人の顔は、髪型を変えるだけでもかなり印象が変わる場合もありますからね。

では、もっといい証明方法は。一番いいのは「生体認証」と呼ばれるものを複数組み合わせることです。よく使われているのは指紋と虹彩。DNAも利用したいところですが、指紋や虹彩と違って、短時間で認証できないのが難点です。双子のDNAは同じ、という問題もありますし。だから、証明書に指紋と虹彩をデータとして登録しておけばいい。もちろん、偽造できないようにする必要がありますが。でも、反対する人は多いでしょうね。特に指紋。「犯罪者扱いするつもりか!」なんて怒る人もいる。指紋を採られたって、犯罪をしなければ捕まることもないのに、何を怒ってんのかと思いますけど。

それはともかく、本人認証は、本来そこまでやらないと正確に確認できないくらい難しいのです。運転免許証なんかでできるものではない。そして作品の中で、その点を扱っています。要は「他人になりすますにはどうするか」ですね。もちろん、実際に応用できないような「穴」を作っておかねばなりません。犯罪に使われたら困る(笑)。でも読み手はそれを「欠陥」と思わないで欲しいなあと。「わざと間違って書いてる」のを理解してもらいたいのですが…最後に注釈でも入れておくべきですかね。

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