人物の「キャラを立たせる」ことは大事なのは言うまでもありません。その方法の一つに、実在の人物をモデルにするというのがあります。それも2通りあって、一つは「俳優や女優をモデルにする」。要するに、テレビドラマ化(あるいは映画化)するとしたら、その役を誰に演じて欲しいか?を考えるやり方です。それも容姿だけでなく、それぞれにふさわしい役柄というのがありますから、それに合う人を選ばなければなりません。「勝手にオーディション」ですね。もっとも、ある俳優または女優のファンなので、その人をイメージしてキャラクターを作る、とかいうのでももちろん構わないと思います。ただ、幸運にも作品がテレビドラマ化(あるいは映画化)されたとしても、希望の俳優・女優がキャスティングされるとは限りません。その人のスケジュールや製作会社、スポンサーの都合にもよりますからね。時には、全く合わない人が演じて視聴者から批判を買うなんてこともありますし。
もう一つは「自分の身近な人をモデルにする」。よく知っている人をそのままキャラクター化すれば、性格や癖などを結構リアルに描写できるというのが強みです。ただし、名前や容姿をそのまま使うのはやめた方がいいでしょう。その人が悪役の時は特に(笑)。
そして、今書いている長編ミステリーでは、主に後者の方法を採用しています。唯一、主人公(女性)だけは前者です。容姿・性格とも適任の人がいるので。ただし、その人は女優ではないので、ドラマ・映画に出演することはないと思います。筆者はその人のことをよく知っているわけではありませんが、「こういうことをやってくれたら(言ってくれたら)似合うんじゃないか」というのを勝手に想像を巡らせながら書いています。不思議なことに、筆者の身近な人にはいない性格なのだけれども、ほぼ自動的に動いてくれます。筆者の性格ともだいぶ違うのに。もしかしたら筆者が思い描く理想の女性なのかもしれませんが、だとしたらモデルにしている人にはかなり無理させているのかもしれませんね(笑)。