身分証明書といえば代表的なのは運転免許証。もしそれを持っていなかったらどうするか。今ならマイナンバーカードがありますね。パスポートも使えるでしょう。筆者は住民基本台帳カードを持っていました。ところで、これらはどれも有効期限があります。しかし、それらは「許可に対する期限」や「申請のための利用期限」です。では、「身分証明」に期限はあるのか? まあ、10年経てば顔つきが変わったりするので、その証明書に付いている写真の更新は必要かもしれません。しかし、更新していないからといって、本人であることを証明する機能まで失うかどうか?
たとえば事故である人が怪我をし、意識不明になる。警察あるいは救急の人が、身元を確認するために財布を調べたら、期限切れのマイナンバーカードが出てきた。写真を見ると顔つきは本人っぽい。「でも、期限切れだから身元が確定できないな」。…というふうにはなったりしませんよね。そりゃ、70歳の人が、30歳の時に期限切れになっていた証明書を持っていたら、「それってどうなのかな」とは思いますけど、身分を証明するための補助にはなるはずです。実際は、他に持っている物を見て、併せて判断するでしょう。キャッシュカードとかクレジットカードとか健康保険証とか。そういえば、健康保険証は写真が付いてないけど本人確認に使えるんですよね。不思議です。それを利用して人物の入れ替わりをするミステリー作品もあるみたいですけど。
あと、パスポートも少し不思議なところがあります。あれって、住所は手書きしますが、書かなくても身分証明書として(少なくとも入出国審査において)有効です。その他の場面で身分証明書として使うときでも、たいていは写真の付いているページしか見せないんですよね。そういうのを考えていると「身分は、何によって証明されるのか?」がわからなくなってきます。いっそ、マイナンバーカードを国民全員に強制発行するようにしてくれませんかね。有効期限のフォロー付きで。