「仮想泥棒ゲーム」の最新作を書いています。昨日までは順調でしたが、今日はちょっと苦戦しています。進まないときというのは、たいてい主人公の観光モードの時です。地図を見ながら主人公がうろうろと歩き回るので、その時の光景や感想を描写していきます。建物の外観をGoogleマップで見たり、歴史をWikipediaで調べたりするので、書くのに時間がかかります。加えて、台詞が少ないことがポイントです。主人公が誰かと会話をすれば、それだけ行数が進むのですよ。合間に地の文で主人公のツッコミを挟んだりもできますし。それがなくてひたすら地の文ばかりだと、なかなか進みません。改行も少ないですからね。まあ、いくら改行しても字数に変わりはないので、行数だけ稼いで「たくさん書いたなあ」ということにはならないのですが。
あと、観光ばかりだとターゲットに関する伏線も組み込みにくいです。伏線は、それだけポンと書いてはバレバレですから、たくさん列挙した中の一つにヒントがあるとか、それっぽいダミーを混ぜておくとかするわけですが、その列挙を書くのに時間がかかります。これがまた面倒くさい。観光ガイドや、他の人が書いた旅行記(ブログ)をそのままコピペするわけにはいきませんから、表現を変えたり順番を変えたりして、それなりの文章にしていく必要があります。でも、たくさん書きすぎると、読者の「目が滑って」読んでもらえなかったりするんですよね(笑)。
でも、そういうところがこの作品の「売り」の一部だと思っています。つまり旅行記っぽい書き方をして、読んだ人がその国に親しみ、溶け込んでもらう。その上で物語を展開していく。トラベルミステリーならぬ、トラベルアドベンチャーゲームですね。いや、ミステリーっぽい展開も一部ありますけど。だからといって、別に「ここは苦労して書いたんだからそれを読み取ってくれ」とは思いません。ラーメンのスープ作りは大変ですが、たいていのお客さんはそれを全部飲んでくれないのです。苦労を苦労に見せないことこそ大事と思って、苦戦を続けるわけです。それに、そのうち書いてて楽しい部分も出てきますから(笑)。