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原稿の右肩を綴じる

某所で、公募の原稿を送るのに際して「原稿の右肩1ヶ所を綴じる」の方法が話題になっています。下読みの人の中に、紐綴じをいやがっている人がいるらしいんですね。

原義的に考えてみましょうか。「綴じる」とはどういうことか。広辞苑によれば「①重ねて一つにつづり合せる。一つに縫いつける。(以下略)」とあります。「つづり合せる」をひらがなで書いてるところが「逃げたな」という感じがしますね。漢字にすると「綴り合わせる」(送り仮名追加しました)ですから、「同じ漢字を使って説明するのはよそう」とでも思ったのでしょうか。で、「つづりあわせる」を引くと「つづって一つにまとめる。」。「つづる」を引くと「①継ぎあわす、つづけあわす。」でした。

要するに「糸などを使って、一つにまとめる」ということでしょう。「糸など」とわざわざ書いたのは、糸以外に紐や針金もあるからです。過去の経緯からすると、応募原稿は全て原稿用紙に書かれていて、400枚なり500枚なりをまとめるには、どこかに穴を空けて綴じ紐(あるいはこより)を通して結ぶしかなかったからでしょう。今では普通に使われそうダブルクリップも、500枚やそれ以上だとかなり巨大なものが必要になります。加えて金属ですから、何かのはずみで封筒が破けるとかもあったかもしれません。

しかし今や、A4用紙に印刷した原稿を送付するというのが当たり前なのですから、筆者としては「一つにまとめるのが目的なら、ダブルクリップでいいんじゃないの」と思いますね。バラじゃなければいいでしょう、と。枚数だって、原稿用紙に比べたら(1枚あたりの字数の関係で)3分の1から4分の1くらいになるわけです。加えて、紐綴じでなければならない理由がないです。「紐で綴じないと失格」なわけありませんって。

ただ、今の時代に「応募原稿は紙のみ」ってのをまずやめた方がいいと思います。電子化すべきでしょう。PDF化して送付、でいいと思うんですが、どういう不都合があるんですかね。

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