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泥棒らしい行為

「仮想泥棒ゲーム」ステージ#6は6日目に入り、主人公がようやく泥棒らしい行動を取り始めています。要するに、錠をピッキングしてどこかの部屋に無断侵入するわけですね。ただ、今回はレバータンブラー錠という、セキュリティー的に大したことがない錠前を使っている世界なので、主人公はとても不満に感じているわけです。開け甲斐がないと(笑)。でも、よく考えたら主人公は2060年代の人間で、その頃はおそらく電子錠ばっかりでしょうから、古い時代の「物理鍵を使って開ける錠前」がある世界でないと活躍できないわけですよね。そういう世界に放り込まれていることに、本来なら感謝すべきなのです。

そもそも「ピッキングが難しい物理錠」が登場してきたのは現代から見てもつい最近のことです。並行して電子錠が登場し、進化を続けてどんどん採用例が増えているのですから、「難しい物理錠」が使われる期間はとても短いはずなのです。錠前という物が紀元前からあったことに対して、「難しい物理錠」はほんの50年くらいしか使われないかもしれません。対して、仮想世界が用意されているのは1950年代から2050年代(上限は実は未設定です)ですから、「難しい物理錠」の世界に当たる確率は半分未満です。主人公は「電子錠しかない世界」にはまだ当たっていないので、ラッキーとすら言えるんじゃないでしょうか(笑)。

といいつつ、作品としては「現実世界では電子錠だけれども、競争者がそれをピッキングの技術で開けられるようにするため、必要とあらば物理錠に置き換える」ことで仮想世界を構築することになっている設定です。まあ、「電子錠のパスワードを誰かから聞き出すのがミッションの世界」があってもいいんですけどね。でも、それはあまり魅力的でない設定に思えるのです。聞き出すために相手を騙すとか、うっかりにつけ込むとか、そういうのは「キーパーソンに対する裏切り」と同じだという気がしますから。その分、物理錠だと気兼ねなく開けられます。心が痛まないですよね(笑)。

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