さて、10th記念に乗っかれるものないな……?と片寄ったものばかり書く私は真顔になってしまったので、リワードとトリぬいぐるみを目当てに「ありがとう」メッセージ交換キャンペーンに乗らせてもらうことにしました。
近況ノートの形式は問わないらしいのですが、感謝を叫べばいいわけですよね。
なんやかんや覗いてくださり、いつもありがとうございますーー!
こっそりpvもコメントもハートもレビューも、全部うれしいですーー!
書く元気をいただいておりますーー!
安っぽい感謝になった気がしないでもないですが、まぁ、うん、作品を書き続けることが一番のお返しです、よね……? 自分の書きたいもの、面白いと思うものばかりにはなりますが、どうぞお付き合いしてくださると嬉しいです。
これだけだと申し訳ないので、キテレツ座の二人の小噺をぺたりとしておきます。
⚘⋰ ⋱⚘⋰ ⋱⚘
「リン様!」
呼び止められ、顔を上げたら般若がいた。
喉の奥がひくついて、一寸の間、声が出ない。
違う、違った。人間だった。目を反らさずによくよく見てみれば角もなく、牙もない。飛び上がった心臓は未だに早鐘を打っていたが、座長に締め上げられることを思えば軽いもんだ。
彼女は彼女で、難しい顔のまま首を傾げた。肩の上で切り揃えたくせ髪も動きに合わせたが、間違えて切りすぎた前髪は一緒には揺れなかった。
後ろめたさを抱えつつ、違和感の残る喉を調え、いつも通りの声を心がける。
「何でしょうか」
「火が着かないから、リン様を呼んできてほしいと言われまして」
「……それだけ?」
はい、と答えた顔は声をかけた時よりもゆるんでいた。
つめていた息を吐き、炊事場に足を向ければ後ろから足音が着いてくる。忙しなく響くので、歩幅を狭めてやると彼女は当然のように横に並んだ。
たいていの女性はつむじが見えるが、背丈のある彼女は前髪が揺れる様がよく見える。その下で輝く黒水晶の瞳を盗み見て、いけないことをしたような気持ちになった。
全く、そんなことはないはずなのに。不躾に見るわけでもなく、通りすぎる人を眺める程度のことをしただけで抱く感情にしては意味があったような気がした。
名を呼ばれ、返事が遅れたのは、気持ちの行方を探していたからだ。心の機微を考えないようにしていた僕がすぐに見つけられるはずもない。考え事に没頭する横で、彼女は彼女で決意を決めていたらしい。
「私にも火付けの極意を教えてくださいね」
拳を握ってやる気に満ちている彼女の顔は真剣そのもので、誰かを金縛りにさせそうな勢いだった。
火付けは誰にだってできる。今日は朝方に降った雨のせいでなかなか火がつかないだけの話だろう。手っ取り早く着けるために呼ばれただけだ。
面と向かって、僕はきっぱりと否定することはできない。
「極意というものはなくてですね」
「はい」
「実は」
「はい」
彼女の吸い込まれそうな瞳が恐いと言ったら、伏せるなり背けるなりしてくれるだろうか。ただ真剣に聞いているだけだとわかってはいるが、熱意と言えばいいのか、圧と言えばいいのか、とにかく追い込まれている心地になる。
髪がのびた感覚を覚えて、自分の感情を抑えることを優先した。
「また、今度で」
お願いします、と断ったはずなのに、彼女は顔を綻ばせる。
「また今度ですね。楽しみにしております」
近いうちに、と言えない切情を、誰かわかってくれるだろうか。
⚘⋰ ⋱⚘⋰ ⋱⚘
そんなこんなで、リンにはまだもう少し、秘密がある、というお話でした。
廃人旦那様や毒キミ&愛ヒトにも投票を入れてもらえたので近々、ssを書けたらと思います~!
前記事のサポーター限定は、一ヶ月後に期間限定で公開する予定です。キャンペーンに載っかるために今回は変則的なスケジュールとなります。あらかじめご了承ください。