連続投稿失礼します。
ハレの日にバタバタする職場なので、うっかりすっかりお礼を忘れておりました。遅ればせながら、拙作にいただいた素敵なレビューを紹介させてください。
まずは浅川瀬流さんより。
「この日常はこんなにも愛おしい」https://kakuyomu.jp/works/16818093091314977347/reviews/822139844245789259
すっきりとわかりやすくまとめてくださり、ありがとうございます!あらすじを書く時にいつも悩んでしまうので、こんな風にシンプルに書けたらと勉強になりました。
そしてそして『愛おしい』と言っていただけてとても嬉しいです。なんだかんだかわいいなと思える子達ばかりなので、照れ笑いしちゃいました。コンビで押していただきありがとうございます!
各キャラに対するコメント、大切にさせていただきます。
実はもうひとついただいているんですよ!
お次は陽澄すずめさんより。
「十二人十二色の十二ヶ月をぐるぐるめぐる、色とりどりのキャンパスライフ」https://kakuyomu.jp/works/16818093091314977347/reviews/822139844656326126
思わぬ長文で震えてしまいました。貴重なお時間をありがとうございます!
実は慣れない一人称を頑張るかな、と書き始めて情報や感情の文量に苦心していました。行間を想像したくなる、は本当にうれしいお言葉でした。
担当ではない残りの11カ月をどう過ごしていたかをほぼはぶいて書いた、ちょっとずつ変わっていく関係や考え方を血の通った存在感と言っていただけて胸を撫で下ろしました。
永遠に見ていたい、というお言葉もうれしかったです。
続きを、と言われるとすぐに調子に乗ってしまうので、またいつか書いていると思います。
その時はどうぞ、よしなに。
**石崎さんと臼井くん**
あ゛?と聞こえた声は気のせいではなかったらしい。ボサボサ髪にスエットにダウンコートを着た臼井さんがいた。
投票所にやってくるには野暮ったすぎる格好のせいか、周りの人達もちらちらと様子をうかがっている。
知り合いなのかと怪訝な視線も飛んでくるけど、今は仕事中。気軽に声をかけられないから、うす緑の紙を差し出す。
「はい、こちらに候補者の氏名をお願いします」
営業スマイルで応対すれば、ものすんごく胡散臭そうな顔をされた。
いやね? わざとじゃないんだよ? インフルでばったばったと倒れちゃって、どーしても人が足りないからって、バイトに入ったことのある私に声がかけられただけなんだよ? 今日だけだよ?
にこにこにこにこ、と訴えても臼井さんにはこれっぽっちも伝わってないみたい。舌打ちされたら、わたしも傷つくからね。と言葉にせずに語っても、彼の眉間の皺はますます深くなるばかり。
次の人に気が付いた臼井さんは去っていく。
「お疲れ」
甘いココアが飲みたいと考えていた頭に音にならないような言葉が投げられた。
投票終了間際にやってきた臼井さんの方がよっぽど疲れているように見えるけど。とは言えないから、曲がった背中が扉に消えるのを見送った。
ココアのついでに唐揚げも買うかな、と考えながら。
**小野山くんと真城さん**
閉店間際の店内で、チョコレートの前出しをしながら待ち合わせまでの時間を潰した。閉店三十分前、時間通りに現れた真城さんの頬は寒さのせいか真っ赤だ。
いらっしゃい、と声をかけたら、イラッシャイマシタと片言で返される。外は相当、寒そうだなと街灯が照らす駐車場を見ていたら、乾いた音がした。
振り返ってみれば、白い紙袋。品よく散らされたワインレッドのハートが目の前にあった。
紙袋の向こうで伏せられた顔は艶やな髪がカーテンとなって見えない。
「あの、これ! お世話になってるので!」
私の方が世話になってないか、という言葉は聞こえなかったようで、真城さんは早口に続ける。
「たくさんもらってると思うので、お返しは入りません!」
「……受け取っていいのか?」
ぜひ!と裏がった声に、真城さんが慌てふためく。
首まで赤くした彼女は半泣き状態で、失礼ながら笑いが込み上げてしまった。
うぅ、と胸をあたりを握る姿を見て、止めなければと思うのになかなか落ち着いてくれない。潤んだ瞳が睨み始めたので、大きな咳をして無理矢理止める。それでも、ゆるんだ口元は誤魔化せなかったらしい。
「要らないなら要らないとはっきり言ってください」
「要る」
さっと取り上げる時、見誤って指先が触れてしまった。寒くて赤いのかと見ていたが、あまりの熱さに驚く。
「熱でもあるのか? はやく、」
「おおお、お気になさらず!!」
どもりながら叫んだ彼女はいつかのように走り去ってしまった。