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210話の補足として

いつも国以下略をご愛顧頂きありがとうございます。

今回も軽く補足です。

多田銀銅山 ─ 北摂津山中の広範囲に採掘されてきた鉱山。伝承では742年から採掘が開始されている。1660年に良好な銀鉱脈が発見され、盛んに採掘された。本作ではこの鉱脈を三好が見つけ、南蛮貿易の資金源としたと設定しています。

本文にも書きましたが、一向一揆というのは本願寺にとって諸刃の剣でした。

武力と言いましょうか、一揆の力は自己救済が基本のこの時代に於いて必要だったと言えます。そうでなければ、武家に好きなだけ様々を横領されてしまうからです。

ですがその力は公家や朝廷にとって許しがたいものとなりました。その結果が公家からの村八分です。

これでは何のためにここまで本願寺教団を大きくしたか分からなくなります。

要するに本願寺教団、その中でもトップ陣営は一揆の行使に慎重だったという話です。

三河一向一揆は単純に徳川家康が喧嘩を売っただけであり、織田信長との抗争は政治的に巻き込まれたに過ぎません。

元々石山本願寺の建立は、細川京兆家に近付くためのものでした。政教分離のしていない時代だからこそ、本願寺には政治的な意図があったと考えた方がしっくりときます。

単なるテロリスト集団ではありません。

という訳で、本願寺は教団の格を上げるのを至上命題としていた。この行動原理が分かっていれば、1558年の足利 義輝挙兵に協力する筈がないというのが分かります。この戦いでは、足利 義輝と細川 晴元は単なる見切り発車をして、六角 義賢のみが冷静であったとなります。

いつも通りマニアックなネタですが、少しでも面白かったなら幸いです。

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