◆東大陸
人類文明の中心。物語の始点となる帝国、ネビュローサと、対立する北部同盟によって勢力が二分されている。
◆西大陸
人類文明の原点があったと言われているもう一つの大陸。時の流れに埋もれた現在では謎多き未踏の地として知られる。
近年、帝国による版図拡大が始まり、その範囲はネビュラ海を挟んだ西大陸東部沿岸に広がっている。帝国による開拓領域は新世界と呼ばれ、今後の発展を期待されてはいるが、未開地だけに問題も山積しており、帝国のお荷物と評する識者も少なくない。
◆オーラニオソーマ魔法国
現存する東大陸最古の国家。万国共通の紀年法、星歴を広めたことで知られる。
天文の権威として名高い大賢人ガゼイ・オーラニア・メテオリリーマの提唱によって建国されたが、ガゼイの祖先に連なる黎明の魔女ステラの強烈な後押しがあったことは余り知られていない。
◆ネビュローサ(帝国)
帝国と通称される帝政国家。その起源は共和政として建国された同名国家であり、前述の魔法国同様、黎明の魔女ステラの主導で誕生した国家である。
帝政への移行は北のヘールボップ王国の侵攻に対抗する為、強力なリーダーシップを持つ国家元首を欲してのことだった。
帝国の版図は現在では三十六州と三つの自治領、二つの治外領地から成っている。
・北部十四州:共和政時代からの版図。
・東部 三州:星歴四六一~五二三年の東部奪還戦争で奪還。
・南部十三州:星歴四七一~五五〇年の南伐により征服併合。
・西部 六州:星歴五四〇年以降、順次進出拡大。
・ハレー騎士団領:対ヘールボップ王国を主とした北の護り。
・フェイ騎士団領:ネビュラ海の治安を維持する西の護り。
・ハリン騎士団領:東部戦線を支援、維持する東の護り。
・帝国大学寮:後進育成を目的として設置された治外領地。
・魔女大公領:ネビュローサの国祖に与えられた治外領地。
◆南方三国
帝国とネビュラ経済同盟を締結しているモンターニ王国、ジャコビニ首長連合、ラスタバン王国を指す。
星歴四九五年の同盟締結以降、一貫して親帝国の立場を取っており、帝国では調印が成された十二月二十四日を記念日として祭日に指定している。
◆自由都市ベガ
海上交通と交易の一大拠点。永世中立を掲げ、軍事力を持たず、海防の全てをネビュラ経済同盟(帝国と南方三国)に寄託している。
星歴四九六年、ネビュラ経済同盟はそれまで海賊都市と呼ばれていたベガの解放に乗り出した。大船団による包囲は海賊の意気を挫き、無血解放となったベガは経済同盟の後押しで自由都市ベガへと変貌を遂げた。
◆ドーレシア諸部族領
帝国の西部開拓により、元々西大陸東沿岸に暮らしていた諸部族は、臣従する者を除いて南方に移された。
帝国は広大な土地の開拓を支援し、諸部族の代表による議会を設置。首長連合として基盤の安定を見るまで、督政圏という名目で行政指導を行っている。
◆憲政ヘールボップ王国
北方の諸部族から頭角を現した族長が王となって興した国。
小国として始まったものの歴史は帝国よりも古く、東大陸に現存する国家としてはオーラニオソーマ魔法国に次ぐ。
周辺諸部族を次々に制圧し、確固たる王国として北方に君臨している。
星歴四四〇年、憲政王国に移行しているが、これは帝国を庇護する魔女講勢力に対抗する目的から、精霊聖堂(後の王国派精霊聖堂)の教義を受け入れ、神の名の下に王も等しく法に従うと国内外に宣言したもの。
◆北部同盟
ヘールボップ王国を中心に、スローター公国、マリスタニ公国、スバール諸部族連合が参加する巨大軍事協定。
◆東方連合王国
ウラノス王国、ネプチューン王国、プルート王国の旧東方三王国は、帝国が南部を平定した星歴五五〇年に中立の態度を改め、翌五五一年に東方連合王国を樹立。以降、親北部同盟の立場を取り続けている。
◆ケバルライ諸部族連合
北部同盟の更に北に位置し、反北部同盟の立場を取っている勢力。帝国は幾度か接触を図ったが、親帝国の立場には傾いていない。
ケバルライの諸部族が北部同盟と対立するのはスバール諸部族との長年に亘る抗争が原因。この為、既にスバールと結んでいる北部同盟は敵対関係を解除できず、地理的にケバルライ、スバールへの介入が難しい帝国も友好関係を築けていない。