探してた答えはこの本の中にあったんです、そう、ついに出会えたんです。
小説を書き始めた頃、小説の基本というものを知りたいと思いませんでしたか?
例えば……や——は…、—のように一個ではなく、二個続ける、というルールや、『。」』とはならない、または段落の最初は一段下げる、そして『「』の場合は下げなくてもいい、などなど。
さらにもう少し踏み込んで、語尾はなるべく変えた方がいい、つまり
私は焦っていた。腕時計を見た、8時30分だ。もう時間がなかった。
よりは、
私は焦っていた。腕時計をみる、8時30分、約束の時間だった。
のように語尾を現在形にしたり、体言止めにしたりする方が単調な印象を避けることができる、など。
これらは実際に出版されている本を読んだり、カクヨム上の他の方の書いた小説を参考に真似たことはあったのですが、過去の文章に現在形を使うことにとても抵抗がありましたし、これでいいのかな、と悩むこともありました。
しかし、私が読んだその本にしっかりとそのことが書いてあったので、やはりこれでよかったのだと確信しました。
それだけではありません。
情景描写、主人公の登場のさせかた、状況説明のポイントなどまさに自分が知りたかったテクニックがたくさん載った本に出会えたのです。
一方で、多くの小説の書き方の本はこのようなタイプが多くありませんか?
「まずは背景を設定しましょう! 次にキャクターを設定しましょう!」
これらが見えた瞬間、私はすぐに立ち読みの本を閉じていました。というのも、自分の場合は「こんなストーリーを書きたい! すると、そこの登場するこの人はこうなって、するとこんな人も必要になって……」と勝手にそこまでは出来上がっているからです。それを人工的に「こんな風に作りましょう!」なんて言われても、「勝手にしないで!」という気分になってしまいます。
しかし、このようなタイプに陥りがちなのは、
「こんな面白いストーリー書いたのだから、みんなも共感してくれるよね!?」
と、自己陶酔に陥ってしまうパターン、私もその一人です。
そのことについてもこの本はしっかり書いてくれています。
「面白いものを伝えるためには、情報を正しく伝える必要がある。誰かに読んでもらえる文章を意識する必要がある」と。
自分の発想が面白い、他の人にも伝えたいと思うからこそ、そのストーリー、発想が鮮やかに活躍できるよう、ステージをしっかり作る必要がある、そのステージこそこの「文章の基本」なんだと実感しました。
遅れましたが、その本の名前は
「ライトノベルのための正しい日本語」
です。おすすめです、長文失礼しました。