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となりに立つ少女の『採点基準』

拙著『となりに立つ少女』の完全なネタバレ記事です。

次回作の執筆や別ジャンルの開拓にわちゃわちゃしてるので、空白期間を埋めるための苦肉の策的記事でございます……。

もともと「となりに立つ少女」には各解答例の最後に「採点基準」というちょっと偉そうな項目を作ってました。
目次タイトルから想像できるかもですが、もともとはテスト問題みたいな体をとってたんですね。
なんというか上から目線というか、
変な感じになる気がした上に話の腰を折るので結局削除したのですが、
一応推理の根拠を開示する意味もあったので、
せっかくなのでここに書かせていただく次第。

もし「となりに立つ少女」をお楽しみいただけましたら、おまけ要素とでも言いますか、おつまみとしてでも読んでいただければ幸いです。なお配点は難易度別とかではなく、適当です……すいません。





——以下ものすごいネタバレ——





『なぜほどくのか』
容疑者の絞り込みに成功した(配点5)
・帰宅部を除外した。
・生徒会や委員会活動を除外した。
・グラウンドを利用する部活動を除外した。
・白崎榛菜の下駄箱の位置を特定できる者だと推測した。
以上を一つでも満たしていれば加点

動機の推測ができた(配点5)
・単純に上靴を借りたわけではないと推測した。
・身代わり、人数水増しなどの理由を推測した。
以上を一つでも満たしていれば加点

『なぜささやくのか』
心霊現象の可能性を排除した(配点5)
・「見間違いがない」など、本文の記述を根拠に現実的な理由を推測した。
・実現可能な悪戯と判断した。
以上を一つでも満たしていれば加点

トリックの可能性に気付いた(配点5)
・トイレ内に実行犯が潜むなど、単純な変装でないと気付いた。
・職員用トイレが密室であったことに気付いた。
・トイレ外のトリックについて推測した。
以上を一つでも満たしていれば加点

特別加点対象:実行犯に気付いた(配点10)
・山岸さくらが実行犯であることを疑った。
——曖昧な根拠でも可。例として「心霊が原因と誘導している」「そもそもの話題提供をさくらが行っている」など。「参考資料 なぜ彼女なのか」内の晶の推測と同様でも可。

『問題変更:彼女は事故に遭ったのか 別解の可能性を示せ』
事故の再現が難しいことに気付いた(配点5)
・楽器ケースを背負っていないことに気付き、原因を推測した。
・教室にマウスピースが残っていなかったことに疑問を持った。
・階段途中で転んだ際、ある程度の段数以下になることに気付いた。
・後ろ向きに倒れる状況が必須だと気付いた。
以上を2つ満たしていれば加点

第三者の存在を推測した(配点5)
・マウスピースを忘れることが不自然だと気付いた。
・閉じられた教室に忘れ物があることが不自然だと気付いた。
以上を一つでも満たしていれば加点

特別加点対象:事件であると判断した(配点10)
・上記2点に気付き、関連性を推測した。
・楽器ケースを下ろした原因が第三者にあると推測した。
以上を満たしていれば加点

『犯人を見つけ出せ』
花田知世が妊娠していなかったことに気付いた(配点10)
・幼いさくらが知世を「ママ」と呼んだことに気付いた。
・知世の行動から、妊娠していないことを推測した。
——例として「階段は妊婦にとって危険なので、視界を遮るような荷物を前に持ったりしない」「部活顧問が覚えているほど、ミルクたっぷりの珈琲を飲んでいるのはおかしい(カフェインやトランス脂肪酸は母子ともに推奨されないと言われている)」「中学生の妊娠に対して一般的な反応をしていない」「相手となる男性について無頓着で言及がない」など。
以上を一つでも満たしていれば加点

犯人が中村であると気付いた(配点10)
・犯人が中村先生であると特定できた。

特別加点対象:中村の犯行可能性を見抜いた(配点20)
・「参考資料 なぜ彼女なのか」において、『家斉先生《《も》》事故の時に近くにいた』というセリフに違和感を持った。
・事件当時の職員名簿「な行」で中村と西田が隣り合って記載されており、同一住所になっている(同棲している)ことに気付いた。
・「参考資料 なぜ彼女なのか」において、事件当時、音楽教師であり、吹奏楽部の手伝いをしていたため、犯行可能であったことに気付いた。
・「犯人を見つけ出せ②」において、犯人が男性とは限らないことに気付いた。
・時間差トリックを何らかの形で説明した(具体的な方法は問わない)。
以上を2つ満たしていれば加点

『あなたの「となりに立つ少女」を描きなさい』
特別加点対象:中村が花田知世を恐れていることに気付いた(配点10)


満点50
特別加点50

2件のコメント

  • 井戸端じぇったさま

    こんにちは。

    この「採点」って、面白いアイデアだと思います。

    開き直って、最初から採点ありの作品ですと謳うのって、どうでしょう?ミステリー教室とか、ミステリー練習帳とか銘打って。章の最後にテスト問題を出して、最後の最後で解答例と採点も出す、と。

    最初から宣言しておけば、上から目線って感じにもなりにくいと思いますし。

    こういうところに着目しながら読んだらいいんだよ、という緩やかなガイドって、割と需要があるんじゃないかと思います(私は読みたいです~)。
  • こんにちは!コメントありがとうございます!

    最初からその方向ですって書いておくというのは思いつかなかったです。
    「学園」ミステリの味付け要素の一個くらいの発想しかなかったもので…こういうアドバイスがいただけるのは大変嬉しいです。

    今回はもうコンテストに出しちゃったので流石に章の構成を変更するのは難しそうですが、サブタイトルの変更なんかで誤魔化せそうだったら今からでも追加できないか考えてみます。

    実を言うといま書いているのも晶たちが出てくる塾ものでして、そっちのほうはもっと堂々とやれないか工夫してみます!
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