シャーロックさん、「JM」へのコメントありがとうございます。
多くのシャーロキアンはこう思っているでしょう。シャーロック・ホームズは実在の人物だった、と。19世紀のロンドンを舞台とする架空の物語がまるで歴史の一コマのように感じられるのは、作品の根底に人間社会の普遍に通ずるところがあるからだと思います。
"Fact is stranger than fiction."
ホームズの物語にはまさに"fact"を語っているような迫真性があります。様々な作家が様々な切り口でホームズ物のパスティーシュに挑み、魅力的な作品を生み出しています。そうした作品を読むにつけ、原作の奥行きの深さを感じます。
「僕のクレイジーDAYS」、楽しく読ませて頂いています。原作のワトスンとホームズの出会いを踏襲しつつ、現在にホームズを甦えらせる物語の滑り出しはシャーロキアンならではの演出ですね。テンポのよい展開はまるで映画を見ているようです。「殺し屋ホームズ」が21世紀の世界でどんな活躍をするのか、この先が楽しみです。
私自身は、19世紀という時代に強く惹きつけられます。特に文学の世界で、異彩を放つ作品が多く出た時代ではないでしょうか。時代の雰囲気の中に、そうした土壌があったような気がします。19世紀のイギリスというと、21世紀を生きる我々にとっては、ファンタジーの世界です。しかし、そのファンタジーの世界にも現在に通ずる普遍性があるからこそ、古典は色褪せることなく我々の心を打つのだと思います。その意味において、「シャーロック・ホームズ」は間違いなく名作の一つに数えられる作品です。
そして、ホームズの物語の中で忘れてはならないのが、ワトスン博士の存在です。「シャーロック・ホームズ」は単なる推理小説ではなく、ホームズとワトスンの友情の物語でもあるからです。謹厳実直で情に厚く、騎士道精神に溢れるこの人物には、主人公以上の魅力を感じます。
魅力的な登場人物、友情、冒険、推理・・・。19世紀のロンドンを舞台に重層的に折り込まれる様々な要素が、作品世界に奥行きとリアリティを与える。その世界に入り込んで、新たな物語を紡ぎ出すのは心躍る体験でした。あなたのような読者を得られたことは作家冥利に尽きる幸せです。