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「龍と人が催す、終わらぬ贄食の宴」第六章のテーマ

「龍と人が催す、終わらぬ贄食の宴」第六章も、ようやく終える事が出来ました。
 本章に入れ込んだ主なテーマ、主張を挙げてみます。

1.内政物作品では「上からの改革」が多いが、根付いた悪習を上から改めようとすると、例えそれが合理的でも、民衆は感情的に激しく抵抗するのではないか。(現実の「解放令一揆」等が例)

2.様々な知的存在がいる世界で、社会の構成員たる”民”と、使役や食用、駆除の対象となる”獣”を線引きするには、「どの種族に属するか」ではなく「個々の能力が一定の水準に達しているか」の方が適切ではないのか。(昔話で、人間に化けた異形の類が、正体がばれて共存者の元を去っていく話への疑問から。人語を解する知性があるなら人間と同等の存在。去る必要などなく共存を続けられる筈)

3.人間を食べなければ生きられない種族と共存は可能か。共存する場合、”食べて良い人間”とは誰か。(本作では上記2.とも関連づけた)

4.エルフ等の長命種が人間と併存する世界観の作品は多くあるが、何故、人間は短命に甘んじ技術的に長命を追求しようとしない場合が多いのか(「銀河鉄道999」の”限られた命こそ尊い”という作者のメッセージへの反発が契機の、長年の疑問。「星界の紋章」を読んで以後、さらに膨らんだ)

5.”優しい魔王様が善政を敷く”というテンプレが「まおゆう」以降のファンタジー系ライトノベルにすっかり根付いているが、”独善を成就する為、犠牲をいとわず苛烈な手段を用いる正義の暴君”を派生パターンとして考えてみた。

6.”人の痛みが解るなら、他人を傷つける筈がない”というありがちな美辞麗句(私の父方の祖母の口癖でした)へのアンチテーゼ。虐げられた者達が、更に弱い者を虐げる負の連鎖や、力関係が逆転した時の復讐心を書きたかった。

7.妊娠中絶賛成派と反対派の争いをファンタジー作品に仮託してみた。往々にして物語では後者を美化する傾向にあるのが、以前から疑問だった。

8.”人的資源の育成”という観点で考えると、子供の養育は親から切り離して公共で担った方が、良質な労働力となるのではないかという提唱(ありがちなテーマですが。現実の成功例としては古代スパルタ、挫折例ではポル・ポト政権等。フィクションでは「地球へ…」のSD体制とか)

 主立った物は以上の通りです。思う事を御聞かせ頂ければ幸いです。また、上記各項目について作中で取り上げている作品が「カクヨム」でありましたら、是非、御紹介頂きたく思います。
 特に上記2.及び3.について、私が作中で描写した展開を批判する向きがあるかも知れません。ファンタジー世界における、現実にはありえない社会状況が前提の思考実験という事で御容赦下さい。
 相模原で悲惨な事件がありましたが、現実の弱者に対する差別について、それを助長する意図は一切ない事を改めて表明します。

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