とうとう本棚に本が入らなくなってしまった。
私の部屋にある本棚は実はインテリア重視で買ったこともあり、(当初の予定では本を増やす予定はなかった)本棚と言っていいのか分からない。ただ、最初は好きな本を入れて眺めていたのが、やがて本は増えていった。
あの時の私に言いたい。本は増える。
増やす予定はなかった、と言いながら私はほぼ、本屋に行っては何かしら本を買っている。そんな私が本がたくさん入る本棚を買わなかったのは本当に阿呆としか言えない。
とは言え、言い訳をさせてもらえるなら、今の本棚でも入ることは入るのだ。現に入れ替えながらだましだまし入れて、全部入っていた本が、最近、気づいたら積まれていたのだから。
積読であるのだけど、最初は三冊だった。次に五冊、と増えて隣に五冊積まれた本が並ぶようになり、今は何と十一冊積まれている。
あれ……いつの間に増えたのだろう。
スツールの上にも何冊かの本がある。机の上にも本がある。積み重なった本を前に、私は腕を組んだ。
本……入らないね?
何をどうしても入らない。立ててる本の上に本を置くのは、本が傷むおそれがあるので避けたい。
棚を買った当初には浮かばなかった本の山を見ながら、幸せだな……と思うので救いようがない。言っている場合か。
今は積み重なった本をどうするか、考えてる。
それでも本は増えていくのだろう。その時にしか買えないだろう本を買い、北原白秋全集と吉村昭全集が出る日を待ちながら、私は本を探し、買い続ける。
紙が好きなこともあるのだろう。どうしても珍しい装丁の本は買ってしまうし、題名に惹かれて買うことも多い。
本はいいものだ。
何かあっても本はいつでも部屋の片隅にあり、私が手に取るのを待っている。
いつでもそこにあり、いつでも手に取れる本の存在が私には必要だった。それだけだ。
今は言葉を、好きな文章をなぞるように読んでいる。最近、好きな作家さんの本が出たのだ。その人の言葉が好きでたまらない。
楽しみにしていた本を眺めながら、ゆっくりと読書を堪能している。
入らなくなった本棚は後々、考えることにしよう。
近況ノート、読んでくださり、ありがとうございます。
本が増えるのは嬉しいです。